2014年02月04日

隠れ庭 夕暮れのしじまに


 霜に打たれたすすきが 

 石垣の隙間に疲れた姿で揺らいでいる

 虫も這わず鳥も囀らず

 低い雲は重たく垂れ込めている

 その中で

 水灰色の冬枯れ枝が

 靄を帯びはじめる

 薄らく赤を帯びた靄が・・・

 小さな玉芽が枝々を覆い

 吹き荒ぶ寒風にふわり

 甘い香りが混じる

 ・・・春?・・・

 まだ花の兆しもなく

 緑のかけらすら見えぬ

 それでも・・・ ひたり ひたり ・・・

 ゆっくりと春は来る

 時に足踏み或いは後ずさりながら

 それでも・・・ ひたり ・・・

 また春は近寄る

 恥ずかしげに躊躇いながら

 真後ろの見えない角度から少しおどけて

 含み笑を洩らさぬように息を殺して

 そっとそっと

 すぐそこまでやって来ているのだ


        *  *  *  *  *

    パートの帰り道が、だんだん明るくなって来ました。

    春が近付きました。今年の桜を、さあは、

    笑って見上げられるのでしょうか。

    風の歌 329 母親のできる事

    さらに3年後、春は、まるねこに訪れるのでしょうか?

    春の兆しに、例年にない緊張を覚えてます。
 


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Posted by さあちゃん at 09:05│Comments(2)ポエム
この記事へのコメント
もう三連発のコメントさ、

あんまり才能を見せるんじゃないよ・・・さあちゃん(笑)
情感がイイ、、フレーズに意外性、ゆたかな夕暮れの光を
かんます・・・エエン!
Posted by 風 at 2014年02月05日 16:12
Dear 風さん 三連続、ホントの感謝感激アメアラシ(笑)・・・雨アラレです。
 才能?恐縮です。恭悦至極です。駄文です。駄詩です。
老眼で、視力が落ちて、今まで明確に見えていた細い枝先に、霞が掛かるようになりました。
 その枝の木の芽が赤く膨らみ、霞が薄赤く見えるのです。
見えなくなることで、新たに美しい物が、発見できる・・・
 老いもまた、「発達」なのだと感じています。
Posted by さあちゃんさあちゃん at 2014年02月06日 00:16
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