2015年06月07日

ふるさと

 ふるさとを 持たないからだろうか

 どこかへ行こうとして いつも あせっている

 今いる所が いつも 仮の居所で

 何かに いつも 追い立てられている

 いつも いつも ・・・

 手にした何かは いつも 置き去りにしなければならないもので

 抱いた思いは いつも 封じ込めなければならないもので

 失くしてゆく痛みに 慣れすぎて 

 何もかもに 価値を見出せなくなっている

 流れ行く時間と 移り行く景色

 「ここ」に わたしを縫い止めてくれるものは なにもない

 仮の宿り 仮の道筋 仮の座所 仮の・・・ 仮の・・・ ・・・

 いつか もう どこへも行かなくていい所が

 わたしの前に現れることが あるのだろうか

 「安住の地」 そんな名前の ・・・そう呼んでよいのなら

 ふるさと

 失くしたくないと しがみつきたい場所

 いつでも帰りたい 懐かしい場所

 わたしの持っていたことの無い 

 一度でいいから持ってみたい あこがれのたからもの

 ふるさと

 どしん と座って 根が生えるまで居続けていい場所

 追い立てるものの無い やさしい場所

 いま 一番欲しい場所

 それが ふるさと

 

   


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Posted by さあちゃん at 00:12│Comments(2)ポエム
この記事へのコメント
さあちゃん こんばんは、

「ふるさと」って、いろいろあると思いませんか、
生まれたふるさと、育ったふるさと、仕事の関係で 行った
ゆっくりでは無くても 心に刻まれた場所や 懐かしい場所‥
ふるさとと呼べなくても ほんとうに心が落ち着きます。
わたしは、そんなふるさとや場所を 帰りたいふるさとと、
勝手に 思っています。
ほんとうに勝手な タヌキです(笑)
Posted by 風 at 2015年06月13日 20:44
Dear 風さん
 あるんですよ。心の「ふるさと」 さあの、帰りたいところ。
でも、行けない。もう、あの頃から、2世代を経て、縁薄くなってしまった場所。
家も建て替えて、町も発展して、でも、近鉄線の駅前の風景だけが、
少し昔の面影があって・・・それが十二年前。
 もう、そんな面影もなくなっている頃でしょうね。
多賀の山も風景も綺麗だけど、奈良の山って、穏やかでなだらかで。
あのやさしい風景は、もう、さあのものじゃない。永遠に失われてしまってるんです。
Posted by さあちゃんさあちゃん at 2015年06月14日 21:52
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