2014年03月24日

白梅の中に・・・

白梅の中に・・・ 浅き春、隠れ庭は、

 これでもか、と、言わんばかりの、

 純粋の一重の、白梅に埋め尽くされる。

 夕まずめの道は、黒鼠の小枝に

 翳りを加えられ、梅の花々は、

 さながら、夜空に瞬く星座の様。

 それが・・・

 日に日に、まばらな宵星から、

 満天の星空へ・・・そして、

 真白き光溢るる、銀河の中心へと、

 変貌してゆく。・・・かぐわしき芳香と共に・・・


 白梅の中に・・・
 と、思ってたら、

 ・・・なんだこれiconN05kao_16iconN05

 ここだけ、ピンクの花が・・・

 なんでiconN06

 花弁の縁に、ほんのりピンク

 枯れたり、虫食いとかでなく、

 ピンクの「斑」が入ってる。

 思い出したゾiconN29kao10

 細胞質遺伝の、突然変異だ。生物で習った。

 長い間、隠れていた、色素を持つ細胞が、花芽を形成したんだ。

 昔の園芸家は、こう言う変異した部分を、「枝変わり」といって、

 接木にして、新たな苗を作り、色花の遺伝子を固定して行った。

 ・・・って、授業で聞いた。たしか、ツツジやツバキでよく現れる。

 紅白の咲き分けや、変わった斑入りの花を、そうやって作る、と。

 ・・・これも、か、なぁiconN05kao_4iconN05

 どうだろう・・・来年、再来年・・・何年後か・・・

 白梅の道の、ほんのそこだけ、ほのかな薄紅梅の一枝が、

 頭上に翳して、花開くようになるのだろうか。

 恥ずかしげに頬を染めた、古代めいた乙女のように

 楚々と立つ姿が、見られるのだろうか。

 ・・・少し不思議な、黄昏の道の話である。



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Posted by さあちゃん at 23:23│Comments(2)ポエム
この記事へのコメント
さあちゃん おはよう、

白梅が少しずつ増えていく様子が夜空の星に例えられて、いつもながら
見事な表現です。夕まづめの梅咲く写真も情感があって、うん、イイ
ですね。 白梅に生まれた小さな斑点…よく観察していないと気づきにくいのに あはっ、それに昔、いや、今もか、生物の話やら何やら何でも良く思いだしますね(笑) もう何年かして、ひと枝のみ、美しい縞模様の花びらが見られるといいです。 咽喉風邪流行ってるみたいです 良くなられましたか…?
Posted by 風風 at 2014年03月29日 08:39
Dear  風さん
 梅も、はや、散り始めました。
先日、やっと、まるねこの振袖写真を撮って来ました。詳細は後日・・・
風邪は、咳ばかりで熱も無く。ご心配頂き、ありがとうございました。
漢方薬が効いて、だいぶ、治まって来ました。麦門冬湯。眠くならないのがいいです。
 生物。得意科目でした。
得意が、国語と理科って言う、つぶしの効かない脳味噌を所有してます。(笑)
 
Posted by さあちゃんさあちゃん at 2014年03月30日 00:45
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