2014年03月11日

春の雪


春の雪 落ち朽ち葉を持ち上げて

 ロゼッタが土を離れる

 辛うじて立ち残る芒の

 指先を丸めた姿が

 寒風に疲れて ついに かくりと

 首折れる その頃に

 冬が少々 歩みを留めた

 外つ国の五輪の熱気に

 気圧されて忘れていたのか

 いとも無造作に突然

 ・・・そういえば 今年は少なかったかな・・・

 早や 梅のつぼみが春の雪 

 春鳥の寂しげな囀りに答えて

 急ぎ花弁を開いた上から

 わさわさと

 なにゆえか 

 冷たき六華の降りしきる

 薫り芳ばし道ぞ真白き

 石垣の上に春の香

 馥郁と だが きん、と冷たく

 行く者の嗅覚を鋭く貫く
  
春の雪 ・・・雛の節句も過ぎたのに・・・

 春いずこ 道のりは遠し

 枝雪の狭間に

 春の真遠き後姿が

 隠れ隠れて見えなくなる

 冷たき梅の芳香は

 嘆きの春の溜め息

 それとも冬を追い立てる

 時節の息吹か

 ・・・春来よ 疾く来よ 今ここに・・・


 寒風 未だ凪がず 暗雲 曇天を去らず それでも・・・

 香りのみ 春は訪れている
 
 


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Posted by さあちゃん at 03:39│Comments(4)ポエム
この記事へのコメント
さあちゃん,

スゴい表現力だね〜〜! 情感もたっぷりに 表現してる詩の意味するところも・・ゆきつ戻りつしながらくる春に、無情に降りつもるゆきに恨みごとでなく 自然の訪れを願う人のこころに触れて・・確かに近づいている「梅の香」にホットさせられました 
こういうのを読むと。。。。いかん、いかん(笑)アハ、
 
Posted by 風 at 2014年03月13日 18:59
Dear 風さん
 過分なお褒めを頂き、ありがとうございます。恐縮致します。
前半の口語文と、最終の、やや文語調の部分が、しっくりこないんですが、
あの冷たい梅の香りは、なかなか、出不精御婆々には、触れる機会少なくて。
 ・・・で、「こういうのを読むと。。。。」何でしょう?続きが知りたいです。
 私、物凄い臆病者なので・・・知りたくてたまらないです。
Posted by さあちゃんさあちゃん at 2014年03月14日 03:50
さあつやん、

あらあら、ちょっと言葉を濁したところが気になるって・・?
>こういうのを読むと。。。。いかん、いかん(笑)アハ、
のアトを云わせるのデスか・・・(ザンコクなこと)ワラワラ

「自分の至らなさに気づかされる」ってことです、(苦笑)
もう。。。。アハ
 
Posted by 風 at 2014年03月14日 12:02
Dear 風さん
 ・・・てっきり、「どこかで読んだ事ある」とか「素人詩、だらだら長い」とか
  そう言う感じかと思って・・・
実は、物凄いネガティヴ人でして、余計な事を申しました。お許し下さい。
 
Posted by さあちゃんさあちゃん at 2014年03月14日 18:29
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