ぶるんねん文庫

　すみません。午前０時、寝落ちしてました。

　この図形。ノナグラムといいます。九芒星形。

　今まで、ヘキサグラムは、よく出してたんですが、

　九人の神様を、平面に並べれば、当然、こうなる訳で・・・

　突然、登場させてすみません。画像と本文を合わせて、ご覧下さい。　


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（３９１）

　一旦、洞窟の外に、非難していた人々も、立ち戻り、

覗き込んで、唖然とした。

　・・・建国王ジルコニアスの遺産・・・

　神話とも、伝説ともつかぬ物語の裏に、これほどの財宝を、

隠さねばならない、どんな訳があったと言うのだろう。

　ソルダムも、穴の縁ぎりぎりまで寄って、黄金の床を眺めた。

　耳に、記憶の回廊での、ジルコニアスの声が蘇る。

　・・・私は、遊んで見たくなったのだ・・・

　遊び・・・なのかも知れない。

　今となっては、その真意を量る事はできない。

　「これが全部、純金なら、サフィールを復興するのに、

　　どれほど助けになるか・・・」

　居合わせた者、全てが、心底、そう感じた。

　しかし、黄金の床に下りたセヴィリスは、床の一点を

じっと見つめ、石のように動かない。

　「どうした？セヴィリス！何かあるのか？」

　ソルダムが呼びかけると、困りきった顔を上げ、

見つめていた箇所を、指差した。

　そこには、九人の神々の名を記した、九つのポイントが

同一円上に、描かれていた。

　「関係のある神々の名を結ぶと、ノナグラムが現れる。

　　答えは分かっているんだ。ただ・・・」

　セヴィリスは、眉根を寄せたままだ。

　「ただ・・・？どうした？」

　「ノナグラムは、四種。

　　その四種を、同時に描かねばならないと、ここにある。

　　一人二人で、ここまで辿り着いても、財宝に辿り着けない。

　　四人以上が必要なんだ。そして、誤った箇所を踏むと、

　　百目獅子が無稽なる覚醒に怒り、侵入者を噛み殺すと、

　　記されている。」

　「わかった。四人いれば、いいんだな。今行く。」

　ロープに手を掛けたソルダムを、近習達が、こぞって止めた。

　どこからか、得体の知れない化け物が狙っているらしい、

そんな所に、国王を行かせる訳に、行かないと言うのだ。

　「セヴィリス！とにかく、一度上がって来てくれ。

　　改めて、四人を選出して、誰がどの図形を書くか、

　　決めてから始めよう。」

　トゥモーロスには、ノナグラムの知識があるらしい。

　「特に、エニアグラムは、相当複雑だ。

　　間違えると危険だと言うなら、下調べは必要だ。」

　セヴィリスは、苦い顔で、自分の左足元を指差した。

　その下には、最高神アルダイスの名と、それを意味する、

　インフィニティが、すでに踏まれていた。

　もはや、やり直しは効かないのだ。

　黙って、トゥモーロスがロープを降りた。

　八十八、全ての答えを知っているのは、この二人だけだ。

　ハズリックが、やや躊躇いながら、降り始めた。

　仮にも、サフィール市長を名乗っているのだ。

　サフィール復興の為ならば、この際、危険の矢面に

立つ事に、否やを言ってはいられない。

　ソルダムの視線は、じっと、その様子を追っている。

　「陛下！！なりませんぞ！このような危険な賭けに、

　　大事な御身を晒すなど、あってはならぬ事ですぞ！」

　近習のみならず、同行した学者や、案内の樵達までが、

必死に止めた。だが、魔法学に知識ある者が、もう他にいない。

　昨夜、セヴィリスとトゥモーロスの呻吟中、同室にいた

ソルダムは、図形については、見ていなかった。

　だが、ノナグラムには、見覚えがあった。

　各地の神殿に、よくその図形は、描かれている。

　ハズリックが、黄金の床に着いた。ロープが空いた。

　ソルダムはロープを降り始めた。

　・・・百目獅子よ、来るなら来い。現れたとしても、

　　己の剣技で、切り抜けて見せようぞ・・・

　周りの者達は、天に地に、王の無事を祈り始めた。

　それを頭上に聞きながら、ソルダムは黄金の床を踏んだ。

　微かに、踵の下が、沈む気がした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　さあが、クァランドール・サーガの原形を思いついたのは、中学二年。

　１４歳。そのころ、数例術も神秘図形も、何の知識もなく、

　ただ、何となく、９人の神様が信仰されている世界の事を、空想した。

　子供らしく１０人でもなく、簡単に一人神でもなく、なぜか「９」・・・

　以下、よそ様の受け売りですが・・・

　予知能力者、エドガー・ケイシーによれば、

　「『９』は、人生における、差し迫った変化としてやって来る物事の、

　　自然の秩序の中の、力における終末を生む。」のだそうで・・・

　「９」は、他の数字を足すと、そのものの数になり、(例：３＋９＝１２　１＋２＝３）

　他の数字を掛け合わせると、必ず９に戻る、んだそうです。(例：３×９＝２７　２＋７＝９）
　
　「９」は、すべてを飲み込み、すべてを、ありのままに活かす、

　懐の深～～い数字、だそうです。

　足し算掛け算は、兎も角・・・そんな哲学、ムカシのイナカの中学生が、

　知ってる訳ない

　不思議です。数字それぞれに意味がある中で、よりによって

　なぜ、最も意味深い「９」だったのか・・・

　　では、また次回。きょうも、お越し下さって、ありがとうございました。