ぶるんねん文庫

　これが、さあの、次にやること。

　ユーキャン保育士講座

　あまり、新しい物が好きでなく、

　状況変化に対応できないタイプ・・・

　の、さあが、時々突飛な事を思いつく。

　勤めを突然辞めて、音大の再受験をする。

　お見合いの勢いで、結婚まで走る。

　パン屋勤めも、いきなりだし、

　これも、そう。

　そして、結果が思わしくない限り、

　最後まで走る。それが、さあ。

　「風の歌」も、走った。そして、本日、ついに最終回４１０回。まあまあ、区切りの数、かな

　では、最終回の本文、どうぞ


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（４１０）

　少女は、怪訝そうにジャドゥビスを見、首を傾げた。

　その仕草は、そのまま、先刻消えた、風の精霊のもの。

　だが、少女は更に幼く小さく、何より、風の娘のように、

正体を見せない、無表情ではなかった。

　評判の美男子であるジャドゥビスを、眩しげに見上げ、

少しはにかんで、頬を赤らめはしたが、口調は

その性格を現して、明瞭だった。

　「はじめまして。ジャドゥビス公子様。

　　ナタレンス公女、マリシア・アベルです。

　　グロリオーサのお城が、直るまで、公子様のお城に、

　　弟と、お邪魔しているの。弟はまだ五歳で、やんちゃで、

　　聞き分けなくて、いつも見ててやらないと、危ないのよ。

　　私は八歳になったけど・・・
　　
　　・・・あの・・・公子様、お一人で、旅していらしたの？

　　魔法使いや、女騎士の方々は、ご一緒じゃないの？」

　マリシアは、いつまでたっても、ジャドゥビスの手紙にあった、

旅仲間が現れないのが、不思議でならないらしく、

峠の上を見上げて、そう尋ねた。

　ジャドゥビスは、マリシアの前に跪き、その小さな手に

淑女への礼をとった。

　「公女様。・・・そう、一人なのです。

　　皆、役目を終えて、帰って行きました。

　　新たな道を歩む者もいましたし、

　　もう二度と、会えぬ者もいる・・・」

　マリシアは、早くに母を喪っているからか、それ以上、

ジャドゥビスに、あれこれを尋ねなかったが、

ジャドゥビスは、幼い姫に、気を使わせた事に気づき、

言葉に詰まった。

　モンティエ大公が、行列の先頭から、歩み寄って来た。

　「戻ったか。ご苦労だった。無事で何より。

　　詳細は、度々手紙をくれていた故、大方は存じておるが、

　　今宵は早くに宿へ入って、さまざま語って貰いたくてな。

　　こんな所まで出迎えた。

　　そうそう、今、フェティエの城で、こちらのマリシア姫と

　　弟君を、お預かりしておる。

　　去年の大水で、グロリオーサ城が傷んでしまったし、

　　それに、今度、ラゥオールフィアより、リリア姫を

　　後添えに迎えられるので、な。

　　マリシア姫の母上は、弟御のお産の後、亡くなられたが、

　　三年程前、スコルド王から、リリア姫を如何かとの話しが

　　あってな。なんでも、トルトバイトの豪族に嫁ぐ筈が、

　　婚約を解消されて、ひどく困っていたとか。ナタレンスなら、

　　かえって近くで、よかろうと言う事で、まとまっていたのだ。

　　グロリオーサ城は、今、修理から引き続きで、大掛かりに、

　　改装工事をしておるらしい。今日は、姫は、弟君の

　　お守りばかりで、退屈された様子だったので、ちと、

　　連れ出してさしあげようと、思ってな。

　　この通り、連れて来てみた。」

　ジャドゥビスは立ち上がり、その水色の瞳を見返した。

　その視線は、今は、西に傾きつつある陽に照らされ、

さざなみを輝かせる湖水に、ひた、と、あてられている。

　「美しいですか、姫？」

　「ええ。とっても。」

　マリシアは、湖から目を離さない。

　ジャドゥビスは、マリシアを抱き上げた。

　少しでも眺望が広がるように。

　だが、黄金色を帯びた西日に照らされ、

その様子は、まさしく一幅の絵のようであった。

　モンティエ大公が、満足気に微笑んだ。

　どこからか、一条の風が吹きかけた。

　祝福の優しい歌が、その風の中から、

　聞こえて来るようであった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終わり

　・・・・・終わりました。丸々２年と１０ヶ月。何やってたんだろうね。この間・・・

　息子二人は、北と南で就職し、娘は大学へ入り、

　突然の思いつきで、さあはパン屋になり、

　さらに、保育士になる為の、お勉強を始めてしまった。

　本当は、「風の歌」を書き終えてから、始める心算だった。

　でも、思ったより教科数が多かった。ちょいちょいでは、できない。

　そして、年齢とオヤジの定年が、後から迫って来る。だから、もう、始めてます。

　・・・ソクラテスやプラトンまで出てくる、なかなかに、ハードなお勉強・・・

　ジャン・ジャック・ルソーくらいは、ね。ペスタロッチ？なんだそれ

　ピアノは弾けるよ。歌も歌えるよ。楽譜も読めるよ。

　それがどうしたっ

　・・・この楽譜は何について歌った歌か、って・・・聞いた事無い曲だな・・・

　何だこれーーーーっ

　歌詞がない楽譜で、童謡の題名を当てろって知らんよ、こんな最近の子供歌

　ショパンもバッハも、役に立たない。すったもんだ、してます。

　それでも、とりあえず、一つの区切りは迎えましたので、

しばらくＧｏｏｄ　ＢｙｅＳｅｅ　Ｙｏｕ　Ａｇａｉｎ　Ｓｏｏｎ