2013年10月16日

風の歌 405

風の歌 405 昨日、まるねこ娘の21歳誕生日。

 ああ、しまったiconN04iconN04iconN04

 20歳の間に、振袖の記念写真を

 撮ろうと思ってたのに、カメラ

 いや、さあが撮るんじゃなく、

 写真屋へ、連れて行こうと、

 思ってたのに・・・kao_9

 21歳になっちゃったiconN04iconN04

 普通は前撮りだけど、

 まるねこは去年の今頃、

 体調悪く、病院で検査漬け。注射病院注射

 付き添うさあは、振袖縫い上がらず。kao_12成人式の前の週に縫い上がるという、ひどい状態。

 おまけに、まるねこ娘は、成人式の翌週、カットせっかく伸ばした髪を切っちゃって、はさみ

 日本髪ぃ~~~~~っkao_18icon10iconN04iconN04iconN04

 やっと伸びてきたのに、この夏の猛暑。もうちょっと涼しくなったら・・・と思ったら、

 21歳iconN04kao_16iconN04急がねば、とうが立つiconN04iconN04

 リボンちょっとでも可愛いうちに、是非iconN04iconN04


    The Song of Wind (405)

 パティラの港には、ウォラルトンへの、純白の御座船が、

金の旗を棚引かせて、待機していた。

 いずれ、オリザ姫の専用船となる、「青海の女神」と

名付けられた船である。

 ここまで来ると、ドリスは、男装の衛士姿でいられず、

泣く泣く、嫌いなドレスに袖を通し、殆ど長剣と同じ造りの、

細剣を外し、かなり大振りではあるが、短剣を腰前に下げて、

護衛兼付き人として、オリザ姫の傍らに、付き従う事となる。

 付き人姿は、もう一人、ユリシアがいたが、こちらは、

付け童女とでも、言うべき立場である。

 正面からの王宮入りとは、かくも、七面倒な物で、

身分だ、序列だ、立場だ、役職だ、と、肩書きが無ければ、

一歩も前へ進めない。

 船行、丸一日。

 翌日早朝、ウォラルトンに上陸すると、港には、又しても、

仰々しいお迎え行列が、犇いている。

 セヴィリスは、ついに、我慢の限界を切らし、皆の前で、

初めての我儘を言った。

 「僕は、ラゥオール城へは行かない。

  ここまで来れば、もう、何の危険もない。

  不穏な怪異の気配も無い。

  もう十分だろう。僕は、ムルトへ帰る。」

 それは、ここへ来るまで、ジャドゥビスやオリザ姫の

近くを歩くと、一々、事情を知らぬ従者の群れに遮られ、

ジャドゥビスが取り成すと言う、面倒くさい作業を、

繰り返した果ての、癇癪だった。

 一介の法術師では、本来、城には入れない。

 アルテミシアから、延々繰り返された作業を、

更に繰り返す事に、さすがの忍耐強さで聞こえた、

法術師の精神も、飽き飽きしたに違いないのだ。

 「それは・・・困るわ。」

 意外にも、異を唱えたのは、オリザ姫だった。

 「ダルトンも亡くなり、ケルビンもいない。

  私が城を出てから、出会った怪異の数々を、

  お父様に報告する人が、いなくては・・・

  ジャドゥビスは、術師ではないのですもの。

  あなたが、報告して下さらなくては・・・

  それに、経緯はともかく、あなたは墓陵島で、

  水妖魔王を倒した、救国の英雄なのよ。

  城に入ってしまえば、面倒な断りなど、必要なくなるわ。」

 その言葉に釣られて、セヴィリスは、行列に加わった。

 が、結局、同じ事だった。

 昨年春、城を怪異から救ったのは、大隠者ダルトンと、

その弟子の働き、と、までは、誰もが知る所の話であった。

 が、その「弟子」のセヴィリスの事は、全く正確には

伝わっていない。

 セヴィリスは、激しく後悔した。

 大広間に呼び入れられ、静かに歩を運ぶ、オリザ姫の、

遥か後方で、衛士の槍の柄に、その歩みを止められた時、

その後悔は、頂点に達した。
 
 ワーッと叫んで、髪を搔き毟りつつ、駆け去りたい所を、

じっと跪いて、面を伏せていられたのは、ひとえに、

法術師としての、精神修養の賜物・・・と言うより、

 ・・・ジャドゥビスに手を取られ、並び歩くオリザ姫の、

  後姿を見る事に、堪えられない・・・今立ち上がれば、

  嫌でも、一瞬でも、それを目にしてしまう・・・

その思いの、一途さであったかも知れぬ。

 やがて、ドリスとユリシアが下がり、オリザ姫は、

約一年ぶりに、両親の、国王夫妻の元へと、戻り着いた。

 ジャドゥビスは、その玉座の前まで、オリザ姫を導き、

その手を、震えながら差し出された、スコルド王の手に、

確かに引渡し、礼儀正しく、その場に跪いた。

 「お父様、お母様、ただ今、無事に戻りました。

  ご心配をおかけしましたが、この通り、元気です。」

 王妃は、既に座を立ち、オリザ姫を抱きしめていた。

 「オリザ、オリザ・・・幾度、夢を見たことか・・・

  危ない目に遭う所や、無事に戻る所・・・

  目覚めて、夢であったと知るときの苦しさ・・・

  おお、最早、夢ではない。

  おかえり、おかえり、愛しい子・・・」

 王も、暫くは、共に嬉し涙にくれていたが、ややあって、

姫の両肩に手を置き、じっと、顔を覗き込んだ。

 「そうだ。最後の手紙にあった、あの事・・・

  この旅の間に、『生涯を託す、伴侶となるべき方』を、

  見出したと、書かれていたが・・・

  その者は、今、ここに来て居るのか?」

 王の視線は、玉座の近くに畏まる、ジャドゥビスに

注がれている。王妃もまた、同じだった。

 それを気配で察したセヴィリスは、遥か下座で、

今度こそ駆け出そうかと、身構えた。

               続く


 さあ、オリザ姫、決断の時です。

 失恋するのは、セヴィリスか、ジャドゥビスかiconN04

 最初からお読みの方は、お分かりですよね。オリザ姫の言動からして・・・icon06kao_11icon06

 ではまた次回。icon06ハートicon06ハートicon06今日も、お越し下さって、ありがとうございました。
 



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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