ぶるんねん文庫

　キャンディピンクのゆり。

　混じり気無しの、ピンク

　多分、次男の彼女が似合いそう。

　お色直しは、この色のドレスを

　着てくれないかな

　長男の彼女は・・・そうだなぁ・・・

　レモンイエローとか。

　まるねこ

　あれは単純な真っ赤が一番似合う。

　あ、オレンジ色が好きなんだっけ


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（３８６）
　
　「これについては、知っているであろう？

　　物語として、伝え残すよう、記しておいた筈だ。」

　「ドレイオンの百目獅子！？」

　ソルダムは叫んだ。

　マルヴィッツ夫人に、幾度聞かされたか分からぬ。

　今は無き、ドレイオンの城には、八十八の謎に守られた、

百の目ある獅子が、いまだに巣食っており、

その獅子を倒すと、コーブリオンに滅ぼされた

ドレイオンの古城が、一夜の内に蘇ると言う・・・

　ドレイオンは、ペルピテス山中に、実在する城跡である。

　今は、土台の基礎部分を、残すのみとなっている。

　「古来、幾人かが、冒険に出かけたが、いずれも

　　百目獅子の怒りに触れ、食い殺されたとか。
　
　　近頃では、獅子の存在は疑問視され、山中に住む、

　　雪豹の仕業とされていたが・・・」

　「ご覧の通り、獅子は彫像。人を食いはせぬ。」

　ジルコニアスは、金色の床を歩き回った。

　床も、どうやら、黄金で張られているようだ。

　見上げれば、天井も、宝石の花々が釣り下がった、

黄金造りである。

　「古城の地上部分は分解し、サフィール神殿の

　　拡張に使った。が、この部分は、このまま残した。

　　後世、八十八の謎を解いて、我が物にする者が、

　　現れるかも知れぬと・・・そうだな・・・

　　私は、少々、遊んで見たくなったのだ・・・

　　もう一国を、立ち上げられるだけの、財宝を使って。」

　「ここは、実在すると？」

　ジルコニアスは、曖昧に笑って見せた。

　「謎に挑むか？後の王よ。ならば、手がかりを与えよう。

　　『大地は、天空の鏡。写されし影を求めよ。』」

　「影？」

　室内は、天井近くの、明り取り窓からの外光に照らされ、
　
きらきらと、眩しく輝いている。

　「百目の獅子の右前足・・・

　　天空の指標を読めば、大地に答えが現れる。
　
　　そなたの探すべき所が、どこか・・・」

　ジルコニアスの姿が、揺らいだ。

　黄金の、輝きが薄れた。

　「ジルコニアス！これを・・・我が物としても・・・」

　「私には、新たな版図を、広げる暇は無い。

　　やらねばならぬ事が、他にある。後は、好きにせよ。」

　「では・・・では、サフィールの復興に・・・」

　明り取りの窓が、急激に光を失った。

　「陛下！陛下！お気を確かに！！」

　泣き出しそうな、人々の声が交錯し、ソルダムは、

はっ、と、我に返った。

　「目を開けられた！気がつかれたぞ！！」

　ある者は万歳を叫び、ある者は、嬉しさに咽び泣く。

　「どうしたのだ・・・？」

　ソルダムは、体を起しかけた。湖岸の砂利の上に、

敷布一枚で、寝かされていたのだ。

　傍には、火が焚かれ、服や髪は濡れているが、

その場の大方の者達は、同じ程に濡れている。

　「船が転覆して、全員水に落ちたのですが、幸い、

　　皆、無事でした。急に、水の渦が現れ、

　　船を飲み込んでしまったのです。」

　ハズリックが、一気にまくし立てた。

　「漁師達の話によると、あのような渦は、普段は無いそうです。

　　学者達は、湖の地下深くに、溶岩の溜まり場があり、

　　突然、大量の溶岩が、噴火で出てしまった為、

　　溶岩の溜まっていた所が落ち込み、湖底が沈み、

　　一時的に、渦を作ったのだと、申しております。」

　空の明るさから言って、時間は、さほど経っていない。

　が、長い夢を見ていたせいか、体がだるく、動き難い。

　「皆無事なら、よい。突然の事ゆえ、船頭を咎めるな。

　　私は大丈夫だ。」

　そうは言っても、一度は溺れたのだ。

　アクイラへ戻るか、貴族が多く集まっていて、医者のいる、

ポルトル村のマルヴィッツ夫人の所へ行くか、

議論が分かれかけた時だった。

　「ドレイオンへ行く。先触れせよ。

　　火急だ。学者達を、出来るだけ集めてくれ。」

　八十八の謎・・・もし解ければ、サフィールの復興は、

どれほど助かるか分からない。

　驚き騒ぐ人々を尻目に、ソルダムは、マルヴィッツ夫人に

昔、聞かされた御伽噺を、必死に思い起こしていた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く
　　
　さあ、大変な事になったなぞなぞが、８８問

　どうすんねんって・・・

　ネットから、適当に、引っ張って来る訳にも行かない。

　財宝の部屋への、道標としての『なぞなぞ』なんだから・・・

　ああ・・・問題山積・・・トゥモーロス先生に、ご活躍をお任せしますか・・・

　セヴィリスと相談して、解いて頂きましょう。ってことで・・・また次回へ。

　　　きょうも、お越し下さって、ありがとうございました。