2013年08月07日
水に写る月

恋うても叶わぬ 虚ろの心
空には爪月 凍てる横顔
死ぬるが良い 虚像の月よ
死ぬるが良い 誰もそなたを
好きはせぬ
波立ち泡立ち 怒りの水に弾かれて
虚像の月は 殺される
恋の欠片は水底の 礫に紛れ
爪月は冷めた微笑
それでよい 誰も私を好きはせぬ
The Song of Wind (379)
・・・ダーク・ウィザード=ケルビン・ナルキサス・・・
「闇の魔人」の名は、魔法使い達の間で
異常に恐れられていた。かつては、夜闇に暗躍する、
悪魔の如き魔術師として、世に、その名を馳せていた。
だが、それは半世紀も前の事。
現在のケルビンは、地方行政機関の、陰の相談役である。
決して表に名を出さぬが、神官達の収拾がつかなくなった
神殿長や、豪族の長が、束ねを依頼してくる事は多い。
闇の魔人が動いたと、噂が流れれば、余程の苦情屋も、
黙らざるを得ない。その代わり、理の無い依頼は受けぬ。
名を騙ったり、理の通らぬ依頼には、必ず報復を
受けるとも言われ、畏怖されているのだ。
その、恐ろしい男の娘・・・
アルナス后が、眉を顰めるだけの事は、十二分にある。
ソルダムは、シシィを、コパロス生まれの町娘として、
押し通す心算だった。ケルビンの噂についても、
あまり、よくは知らなかったといってよい。
しかし、ハズリック達を、咎める訳にも行かぬ。
もし隠し果せて、婚礼に持ち込んでも、いつかは知れる。
遅かれ早かれ、問題になる事は、必至だったのだ。
アルナス后は、その後一切、シシィに話し掛ける事も、
目を合わせる事も、しなくなった。
シシィに邪心の無い事は、子供達の懐き方でも、
分かろうと言うものだったが、よろず物思う大人達は、
無邪気には振舞えぬ。
ソルダムは、シシィに、娘達と遊んでやるように言い、
席をはずさせた。
「母上は、シシィを、お気に召しませんか?」
シシィの、よく通る声が、向こうの居間から響いて来る。
それを確かめて、ソルダムは、本題を切り出した。
アルナス后は、小さくかぶりを振った。
「シシィを、とは言わぬ。心映えの出来た娘と、思うゆえ。
だが父御が、あの『闇の魔人』となると、話は別じゃ。
悪業、善行、ない交ぜに耳にしておる。
市井の家ならばともかく、一国の王妃じゃ。
国民が何と思うか・・・」
老年の村長は、全くの反対者だった。
誰に訊いても、賛成する者はあるまいと言う。
トゥモーロスは、ケルビンを、さほど恐ろしいとは、
考えていないようだった。もっと、恐ろしい目にもあったし、
娘を思い、寝食を忘れ、テッセリムを調べて回る様子は、
ただの父親にしか見えなかった。
もし、ケルビンが、噂どおりの恐ろしい魔術師なら、
その娘であるシシィが、共に闇に閉じ込められた時、
あのように落ち着いて状況を分析し、脱出の機会を
待ち続け、さらに、トゥモーロス一人を脱出させようと、
力を尽くすはずは無い、と思っている。
ハズリックも、ケルビン個人を知っている。
悪人ではあるまい、と言う、印象は持っている。
だが、国王の妻となると、問題は別だ。
未曾有の国難は、これから、復興の正念場を迎える。
ニグ、コリン、アネッサ、そしてジルコニアスと黒い霧・・・
厄災の根は断たれた。
しかし、彼らの蒔いた災難から、人々が立ち直るのに、
要となる国王の、左に立つ王妃が、ただの町娘では・・・
しかるべき有力な貴族の令嬢か、出来れば大国の姫か。
国の再建に力となる、後見を持つ女性であって欲しいと、
願うのは、無理ない心情であった。
続く
息子達が、女性と将来を考える時、嫉妬するんだろうか、って、恐れてたけど、
どう言う訳か、全然、嫉妬を感じない。やっぱりさあは、どこか変なんだって、思ってた。
それが最近、



まだ存在してない人物に嫉妬して、どうするんだ。

今の所、全てさあの脳味噌の中。

・・・って、文字に書くと落ち着く。あ、やっぱ、いつものさあだわ。
まあ、この脳味噌が、クァランドール世界を形作ってる訳でもあるので・・・
では、火山のシーンの下書きをしますか。ではまた次回。






脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)
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