ぶるんねん文庫

　携帯写真で、小さいですが、

　大きい絵です。

　横は１ｍ位、あるかな？

　さあ的には、「浮上する」

　そんな感じ、しませんか？

　ダイバーが、海面を見上げる。

　気泡が、浮かび上がる。

　ダイバーも浮上して行く。

　上へ上へ、空を目指して、浮上する。水圧から開放されて、膨らんでゆく気泡を追って、

　高みへ、手を差し伸べながら、浮かび上がる。そう言う印象を受けたんですが、どうでしょう？


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（２６５）

　ダクが、拳を振り上げた。

　「リューデン渓谷に、橋を架けるなんて、できる訳が無い。

　　出来るものなら、とっくに出来ている。

　　以前の、只の谷だった時でさえ、誰も出来なかった。

　　厄災で、急流になった今、全く持って、不可能だ。

　　王は、無理難題を吹っかけて、俺達を、利用しようとしてる！」

　マイスも、同意した。

　「この間、連れて来た、魔術師とか法術師とか。

　　なんだか、胡散臭そうじゃなかったか？

　　ここは、いっぺん、人が見捨てた土地だから、首都には

　　出来ないって、抜かしやがった。

　　だが、現に都が失われた以上、まずは、別の所に、

　　都を作らねばならない。これだけの人間が、もう既に、

　　集っているんだから、ここを新都に、定めて貰わねば困る。

　　市長！！あの、変なやつらから、王様を引き離して、

　　早く、テッセリムへ、いや、新サフィールへ、戻ってもらおう！」

　市長と呼ばれたハズリックも、集っている者達も、総じて若い。

　厄災は、老人と女子供を、大勢死なせてしまったのだ。

　生き残った内の、壮年者は傷心を抱えながら、日々のたつきに、

疲れ果てていたが、若者は、力を持て余していた。

　ソルダムは、ファーゴの間諜にそそのかされて、集った彼らが、

これ以上、内紛を激化させぬよう、課題を与えた心算だったが、

難しすぎる課題は、かえって、反発心を呼んでしまっていた。

　かつて、テッセリムの産物は、国外へは、アクイラを経由して、

アルテミシアへ輸出され、サフィールへは、険しい峠を

幾つも越えて、運ばれていたのだった。

　しかし、金銀の鉱山を有する、ノーザンハイランドの西北部と違い、

農林業だけに頼って、町を起こそうとする試みは、気候と地形に

阻まれ、失敗に終わっていた。

　確かに、その頃に、リューデン渓谷に橋が架かっておれば、

テッセリムは、衰退しなかったかも知れぬ。

　だが、今更、何をかいわんや。

　サフィールは失われ、リューデンは急流と成り果てた。

　ある物を、ある様に用いるしかない、と、ハズリックは思う。

　デルム川を堰き止めている土砂を、取り除けるには、

目も眩むような、巨大工事が必要なのだ。

　また、それを行っても、大河と首都が、再興できるかどうかは、

全くの未知数である。それなのに、王侯貴族たちは、ひたすら、

水没したサフィールを、復興させる事しか、念頭に無い。

　「陛下は、どっちの味方なんだと思う？」

　一番近くにいた、ロンに詰め寄られ、トゥモーロス神殿長は、

答えに窮した。下級とはいえ、一応、貴族の出身である。

　ハズリック達について、テッセリムに来て、少しばかりの、

神学の知識を買われて、この小神殿の、神殿長を名乗ったが、

　ガラノデルム大神殿からは、事後承諾を得ただけなのだ。

　あまりにも、微妙な立場であり、何とも返答しようが無い。

　ハズリックは、サフィール討議会の、選挙で副市長に選ばれたが、

厄災の折、九死に一生を得て、ここに避難し来た。

　サフィールが、近日では復興できぬと、はっきりした後、

見る見る、若者の支持を集めて、ここ、新サフィールの市長を

名乗り始めたのだ。彼は、はっきりと、若者達の側に立っている。

　「とにかく、ポルトル村なんぞに、長居されては困る。

　　粗末でも何でも、お住まいも用意したんだ。

　　拠点はここと、はっきりして貰わねば。」

　ハズリックの強気に、皆は気勢を上げた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　トゥモーロス先生。あれで終わりと、お思いでした？そんなわけ無いでしょ？

　どうぞ、存分に、ご活躍ください。頑張る若者代表ですもん。

なかなか、嵐君たちと張り合って、イメージできる人って、いないんですよね。

名乗りを上げてくださる、二枚目の方がいるなんて、感激です。

　誰？って、お思いの方、「お気に入り」の「脇先生」をクリックして下さい。

　トゥモーロス先生が、現れます。では、また次回。

　　　今日もお越し下さって、ありがとうございました。