2012年09月05日

風の歌 256

風の歌 256
 咲き始めました。ヒメジョオン。

 多分、漢字だと、姫紫苑なんだろうな。

 でも、去年、道端で咲いてたのが、

 かなり濃い色だったので、

 根ごと抜いてきて、植えたのに、

 この色・・・殆ど白iconN04iconN04

 なんで~~~iconN04iconN04

 やっぱり、栄養が無いのかなぁiconN05kao_20icon10

 雑草だから、いらないと思ったんだけど・・・


    The Song of Wind (256)

 心づくしの、温かな夕食の後、マルヴィッツ夫人は、

皆を居間に集めて、昔語りを始めた。

 「バルツァードの建国は、約五百年前。

  でも、初代王、ジルコニアスに纏わる、神話めいた伝記は、

  更に、千年の時を遡るのです。

  千年の齢を、許された者など、この世には、ありますまい。

  かの大魔術師、アナトス・リグストラムでさえ、六百年。

  それゆえ、この『千年』とは、何代もの王の諸行を、一括して、

  そう表したのだろうと、言われています。」

 すらすらと、物語る夫人の口元を、ミランは、呆気にとられて、

見入っているばかりだ。ソルダムが、説明を補足した。

 「マルヴィッツ家は、サフィール最古の家柄で、

  彼女は、バルツァード建国神話をはじめ、

  さまざまの民話伝説に、精通している語り手だ。

  私は、この厄災も、ニグが、オリザ姫の叔母上達を、

  巻き込んだ騒動も、根は、どこか深くで、一つに、

  繋がっている気がする。そして、その原点が、各地に散在する

  神話や伝説に、隠されているように思うのだ。

  どうか、真剣に聞いて欲しい。

  この後、何の手懸りになるやも、知れぬのだから。」

 夫人は、「ご大層なことを・・・」と、笑い、それでも、

やや、笑みを引き締めて、付け加えて言った。

 「姉が、タンベルドに嫁いだ折、私は、外来者の親族に

  なったとして、離縁され、マルヴィッツに帰されました。

  そして、家に伝わる、サフィールとバルツァードの、

  全ての記録を、受け継ぎました。

  これより語るのは、現在の事実に繋がる、言い伝えです。」

 
 ・・・ジルコニアス王は、己の生まれを語らなかった。

  偉大なる、凍らずの湖の北、ノスレムの村に、忽然と現れた。

  彼は、村人を、とある氷窟に、連れて行き、その奥を、

  岩盤が出るまで、掘るように言ったが、村人は、誰一人、

  掘ろうとしなかった。ジルコニアスは、一人で掘った。

  朝も昼も夜も、氷を砕く音は、山から谷へこだまし、

  村に届いた。休み無く続く音に、恐怖を覚えた村人が、

  大挙して、氷窟に押し寄せると、突然ぱたりと、音は失せ、

  氷窟の奥は、金銀宝玉で、満ち溢れていたと言う。

  そのような、出来事が、繰り返し起こり、人々の噂が広まり、

  貧しい山村に、彼が現れると、彼は、神のように崇められた。

  彼は、時折、氷窟の奥から、忽然と、姿を消す事があった。

  凍らずの湖と、湖畔の町をサフィールと名づけ、城を築き、

  王となってからも、度々、いなくなり、養い子のアルカスに、

  ある時、柄に宝石を埋め込んだ、宝の大剣を託し、

  一人、城の地下深くに降りると、姿を消し、二度と、

  現れなかった。アルカスは、大剣を、ガラノデルム大神殿に

  納め、二代目の王となった・・・


 「その、大剣が、これだと言われている。宝石がこれ。」

 ソルダムは、傍らに置いていた剣と宝石を、皆に見せた。

 よく鍛えられた鋼の剣と、黒皮製の、ごつい鞘。

 そして、薄青い宝石『サフィールの涙』

 二つに分かれた宝物は、人々の手から手へ、回し渡された。

 鞘に巻かれている、黄金の輪は、幾度か取り外され、

少し緩みが出来ていた。セヴィリスが気にして、触るのを見て、

ソルダムは、輪をはずし、鞘を分解して見せた。

 内側には、びっしりと、大小の宝石が埋め込まれている。

                      続く
   

 なんだか、私って、どこへ行っても、落ち着かない性格のようで、

 家にいても、どこへ行っても、自分の居場所を、見つけられない。

 どこにいても、「今だけ、ちょっとの間、お邪魔します。」って、言い続けている気がする。

 どこか、ここじゃない所に、息のつける所が、あるはずだ、って、思い続けている。

 「ふるさと」って、そんな所。深呼吸の出来るところ。

 私のふるさと・・・幼い日の思い出を、埋めた土地・・・私には、決して得られない物。

 みなさん、大抵の人には、あるんでしょうね。ないからって、どうって事も、ないんですが・・・

   では、また次回・・・午前0時、face04いびき寝落ちして、今です。ごめんなさい。kao_6icon10

       ハートクラブばら今日も、お越し下さって、ありがとうございました。ばらクラブハート
 



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Posted by さあちゃん at 09:44│Comments(2)ファンタジー
この記事へのコメント
こんにちは^^

前回コメントを書いただけで書込ボタンを押し忘れて
電源を切ったみたいでコメントがなくなってしまいました(笑

落ち着ける場所ですか・・・
私もよく解りませんがのんびりした時間は大好きです^^

動物が好きなので「ねこカフェ」とかで癒されたいです(笑
Posted by ライフスタイル 脇ライフスタイル 脇 at 2012年09月05日 17:09
Dear 脇先生
 「ねこカフェ」・・・彦根にあるかな?・・・家のこごまは、触らせてくれないし。
 
 コメント消滅?お気になさらず。さあは、しょっちゅうです。(^。^;)
下書きなしの、直書き本文、丸々一回分、消滅した事、数知れず。
  ぎゃーーーっ!!!って、叫びますから。
Posted by さあちゃんさあちゃん at 2012年09月06日 08:34
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