2012年06月27日

荒れた庭 

荒れた庭  ひどく、荒れさせてしまいました。

 大事なラヴェンダーなのに・・・kao_9

 一度、枯れかけて、kao_12

 必死に、枯れた枝を間引きました。

 もともと荒地の植物。kao_16

 がんばって、復活iconN04iconN04

 kao_15なのに、今は、雑草だらけ。

 またまた、必死の草取り。はさみはさみはさみ

 でも、ドクダミの白も捨てきれず・・・

 kao_01どうなったかは、また、後日・・・ 


    The Song of Wind (228)

 細い通路は、人ひとり分の幅しかなかったが、円形に

ヘキサグラムを象嵌した部分は、数人が立つ広さがある。

 一行は、通路とヘキサグラムの接点に、立ち止まった。 

 「ようこそ。九峯聖堂の心臓部へ。

  と言っても、私も、ここにとっては、招かれざる客。

  でも私は、どうしても、ここに来なければ、ならなかった。」

 「戴冠式を、阻止する為ですか?」

 ジャドゥビスの問いに、マヤリス妃は曖昧な笑みで、答えず、

ただ、手を伸べて、皆を、ヘキサグラムの中へ、招きいれた。

 突然、重力感が消えた。

 一瞬の内に、周囲は、激しいまでに輝く、満天の星空となった。

 頭上も足の下も、前後左右も、全ての方角が、星々に満ちていた。

 無限の墜落、或いは、浮遊の感覚に襲われ、思わず、

声を発した者もいた。

 その星空に、暗い部分がある。星の輝きの無い部分。

 黒い、光のない空間。そこには、星が無い闇に見える。

 だが、闇は、動いていた。

 揺れ、蠢き、所を移り、合体し、または、分裂し、拡張する。

 まるで、闇そのものが、生きているかのようだ。

 次第に、星空に、闇の部分が、広がって行く。

 その時、目を焼くほどの、白い光条が走った。

 物差しで引いた様に、真っ直ぐな光が、星々を通り抜け、

闇に届いた。闇は、切り裂かれ、裂け目から星々が、新たに、

現れた・・・かに見えた。だが、それは、星々を覆い隠す、

黒い何かが、光条に突き破られ、四散したのだと、

見ている者に、充分、判るのだった。

 またしても、眩しい光条が、闇を裂いた。

 闇は苦悶し、震えながら、散り散りになって行く。 

 突然、シシィが叫んだ。

 「これが、何やのん?」

 語尾に怒りが滲んでいた。

 「こんなもん、見せるために、わざわざ呼びつけたん?

  おおげさな。こんなん、まやかしやんか!!」

 まやかし、と聞いて、ジャドゥビスが、顔を上げた。

 彼は、視界の重力感の無さに驚き、皆の中に蹲っていたのだ。

 「そうや。ウチら、どこも行ってへん。ずっと、さっきの黒い石の、

  六角形の所に、おるだけや。ウチの足は、ちゃんと、ずっと、

  石の床に、立ってるやん!!」

 「シシィ!」

 ケルビンが制し、シシィは黙った。それを見て、ケルビンは、

マヤリス妃に向き直った。

 「ソルダムの記憶だ。そうだろう?」

 「そうです。」

 ソルダム、と、聞いて、僅かに、シシィの怒りの色が解けた。

 星空は消えた。辺りはまた、黒い石の空間に戻った。

 「ファーゴの扱う、黒い霧の正体を精査していて、

  辿り着いたのが、この記憶でした。

  バルツァード王は、生身で、この記憶を得た、唯一の人です。

  その記憶は、六神官達に救出された時、ここに焼き付きました。

  が、この記憶を、再現できる者は、誰もいないのです。

  魔法使い達の読心術も、鮮明に、記憶を読み解く事は、

  難しく、まして、常人には、言葉を幾ら尽くしても、

  理解する事自体、不可能でしょう。

  ですから、私は、太陽宮を出なければ、ならなかったのです。

  あなた方の戦う相手。一連の厄災の元凶。

  ファーゴを誤まらせ、我が父の、晩年を苦しめたもの。

  その実体と、じかに接し、見聞きした記憶。

  それを、あなた方に、共有して欲しかったのです。」

 「では、あれが!!あの、星々を覆っていた闇が、

  黒い霧なのですね!?」

 セヴィリスが、性急に訊ねた。

 が、マヤリス妃は、首を横に振った。

 「しかとは、断定できません。ケルビンの見たものとも、

  オリザ姫の感じるものとも、あれは、違う気がします。」

 「では、もう一度、見せて貰えば・・・」

 セヴィリスは、なおも食い下がった。

 が、マヤリス妃は、諾わなかった。

 「許してください。私の力も、これが限界です。

  もはや、戴冠の前夜式が、始まります。

  血で血を洗う式典が始まる前に、ここを、お立ち去り下さい。」

 「では、あなたは・・・?」

 「ファーゴの目論見を、阻止します。」

 「無理だ!一人でなんて!!」

 セヴィリスは叫び、マヤリス妃の足元に、取り縋った。

           続く


 突然、場面が飛んでますが、ミランが、将軍になってから、ひと月ほどが経ってます。

 季節は、秋の終わり。今の11月下旬。ユリシア石化事件から、7,8日・・・

 この建物、地上部は、白亜のドーム。その地下に、それを反転させたような、

 黒い逆さドームが、ある訳です。そこに、以前ソルダムが、突然テレポテーションして来て、

 その、直前の、不可思議な記憶が、逆さドームに刻まれている・・・

 一体、どこから、こんな発想が出てくるのか、分かりませんが、ファンタジーの常で、

 どうしても、SFの匂いが、して来るのを、止められません。

   では、また次回。iconN08ロケットiconN08今日も、お越し下さって、ありがとうございました。



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