ぶるんねん文庫

　
　
　幹から直接出てた、

　蕾も咲きました。（４．１１）

　ちょっと不思議な咲き方。

　　

　幹が、おしゃれして、

　コサージュ着けたみたい。

　夕焼けに胸張って、

　「どう？」って・・・
　
　　

　

　きのうまで、蕾だった。

　枝先を、紅く丸くしてた。

　彦根の町なかでは、

　咲いてたけどね。

　ここは、少し遅い。

　それが、一気咲き。

　西日に、ちょっと、オレンジ色


　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（２０２）

　ルシア姫が、馬車の窓から、呼び掛けた。

　「オリザ、私達の為に、あなたを危険な目に

　　遭わせる訳には、いきません。　どうか、一緒に帰って。」

　オリザ姫は、馬車の窓から差し伸べられた、ルシア姫の

手を取り、握り返すと、窓の方へ押し戻して、放した。　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　「叔母様達だけの為では、ないの。

　　私は、私が何者なのか、まだ、よく知らないの。

　　そして、知らなければならないの。

　　私の力。私の役目。誰を救い、誰を裁くのか。

　　それを知らずに、父上の後を継ぐことはできないの。

　　今からの私は、そのための旅に出るの。

　　だから、父上に伝えて下さい。

　　オリザは、立派な世継ぎになって、帰ります、と。」

　行列は、三王女と、空の馬車を擁して、出発した。

　ディーレンより西は、アルテミシアまで、豊かな穀倉地帯

そこからは、「真白き三日月」を渡る、優雅な船旅である。

　街道も湖路も、整備され、何の危険も無かった。

　翌日には、ルテシア軍が、東征の目的を、果たす事無く

出発し、更に翌日、ジャドゥビス達も、旅立った。

　目指すは、北の山国、バルツァード。

　黒い霧を纏った騎士、マチアスのいる、国境地帯。

　どういう経緯か、将軍となったミランも、そこにいる。

　イーヴェルは、ヘリアンタの屋敷をたたみ、一田舎貴族として、

ディールヴァ城を修復し、住み続けるらしい。

　セヴィリスが調達した、箱馬車と馬を、そのまま使い、

イーヴェル新伯爵に見送られ、一行は、再び、

西へと向かって、進み始めたのだった。

　　　　　　　＊　　＊　　＊　　＊　　＊

　ヘリアンタ、太陽宮の一角に、アルナス后が、

里帰りして、二ヶ月が経とうとしていた。

　ある日、何事も大仰な宮殿には珍しく、先触れなしに、

マヤリス王妃が、アルナス后の元を訪れた。

　「ようこそ、王妃様。

　　お珍しい。御付きの方もなく、お一人で？」
　
　忍び足で入室して来た、マヤリス妃の様子は、

既にただ事ではない、何かを感じさせた。

　「シーッ」

　マヤリス妃は、口に指を当てた。

　やはり、ただ事では無い様だった。

　「一度しか申しませんから、よくお聞きになって。

　　時間がありません。ネレイド王は、聖域を征し、

　　コーブリオンを、ほぼ制圧し終わりました。

　　明日にも、コーブリオン帝国の、元皇帝の末裔を

　　名乗る者が、ヘリアンタに到着いたします。

　　その者は、帝位請求者を、指名する権限が、あるのです。
　
　　ルテシア王家は、昔、コーブリオンの、帝位継承権を持つ

　　皇女を、王妃に迎えた事がある為、ネレイド王は、自分は、

　　請求者になれると、主張しているのです。

　　指名者は、ネレイド王に逆らえません。

　　でも、王が皇帝になれば、既に西へ派遣され、

　　バルツァード討議会と、代理統治の折衝に当たっている、

　　軍隊は、あなた方を人質に、皇帝位を振りかざして、

　　討議会に、バルツアード併合を、迫るでしょう。

　　太陽宮の政務官達は、北の全面衝突を避けるため、

　　パストリアを刺激して、東の樹海地方にも、

　　派兵していたのですが、内通者が出て、撤退することが、

　　先程、決定しました。全軍は、今後、北へ向かうでしょう。

　　今、全面戦争になったら、バルツァードは、勝てません。

　　その上、あなた方を盾に取られたら、全ては、

　　ネレイド王の言いなりです。

　　ですから、お逃げ下さい。私が、お逃がし致します。

　　父の戒めを破り、一度だけ、宮廷内で、魔術を使います。

　　・・・私の言う事は、お分かりですね。」

　アルナス后は、緊張した面持ちで頷いた。

　　　　　　　　　　続く

　無茶苦茶、時間かかりました。

　政治部分の解説なんて、あんまり気を入れて読む人、いないだろうけど、

　こう言う所で、矛盾があるの、厭なんです。

　グインサーガも、ちゃんと設定する前の、最初部分と、設定できた後の部分の、

　矛盾点を突くファンに、随分、後書きで弁解してた。

　そうだ。暦ね。五曜八週で、間に五日の休日が、占いで、不定期に入る。

　45日で一旬。８旬で一年。２旬で１シーズン。春分の日が、元日。

　五日間、年初めの大祭がある。うるう年は六日間ね。

　こんな所で、いかがでしょうだから、ストーリーの始めは、今で言う、五月の下旬頃です。

　と、言う事で、また次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。