ぶるんねん文庫

　春なんです。

　でも、今年のチューリップは、不発。

　葉っぱばかりで、蕾は、３つ。

　これが、一番大きいかな

　　　　　

　大学の休みは長いから、まる猫娘が、

　無事に大学生活に戻れるか・・・

　でも、バレエや茶道の経験者だから、

　割と楽に、単位が取れる科目も、ある。

　がんばってくれよ　


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（１９１）

　居合わせた者、全てが、セヴィリスまでもが、後ずさった。

　唯一人、オリザ姫だけが、その、剛毛の密生する前足に、

しがみ付いて、泣き叫んでいる。

　気付くと、切り倒された、俄か盗賊たちの姿が、

何かに埋もれ、見えなくなっている。

　地面の色が、奇妙な鼠色に変わり、まるで砂利を

敷き詰めたようだ。そして、その砂利が、ざわざわと蠢いている。

　パストリア兵達が、慌てて甲冑を脱ぎ、体中を掻き毟り、

手足を払う。地面を覆いつくした、指先ほどの鼠色をした、

丸い背の、足の多い虫共が、鎧の隙間から入り込み、

兵達の体中に、所嫌わず取り付き、噛み付いていたのだ。

　毒も無く、触れれば丸まって、転がるだけの虫だが、

余りの数に、誰もが為すすべもない。

　夕暮れが、迫っていた。樹海から、翳りが伸びて来る。

　その翳りに、立ち尽くす者がいた。

　「パパ！！」

　「ケルビン！！」

　シシィとセヴィリスが、同時に叫んだ。

　「ケルビン！、この虫共を何とかしてくれ！！」

　ジャドゥビスも、喚きながら駆け寄ろうとした。

　が、その足は、はた、と、止まった。

　虫共は、ケルビンの足元から、湧き出ているのだ。

　シシィが、甲高く叫んだ。

　「パパと違う！！誰？！何モン？！」

　クックッ、と、耳障りな含み笑いを、偽ケルビンは洩らした。

　それに呼応するように、また新たに、足元の地面を割って、

虫の大群が、湧き出て来る。

　「貴様、偽者か！？本人はどうした！！」

　詰め寄ろうとした、ジャドゥビスは、じゃりじゃりした

　虫の感触に閉口して、身動きが取れない。

　「こいつなら、侵略者の結界に嵌って、

　　地底の泉から、出て来れずにいるさ。

　　我が、千年の安住の地だったのに。

　　一度は、追い払ったのに。

　　あいつは、我を再び、住処から追い出した。

　　お前達の仲間の一人が、遥か彼方で、

　　侵略者の掃討戦のさなか、武器を破壊して、

　　逃げたと聞き、お前達は、侵略者の仲間だと

　　考えたが、やはり正解だったのだな。

　　強大なる、邪悪な波動の持ち主ながら、

　　形無き、霧や霞のごときその正体。

　　それでも、この世界に現れたからには、

　　何らかの形あるものに、変化するだろう。

　　その時こそ、倒し時だと、こいつに化けて、

　　お前達のそばで、辛抱したかいがあった。

　　今なら、勝てるぞ！！侵略者を倒せる！！」

　「そうはさせない！！」

　夕暮れの残照が、秋の森を、黄金色に染め上げた、

その、木々の梢の、遥か上空から、声が降ってきた。

　「唯、討ち果たし、殺すのでは、困るのだ。

　　取り憑かれ、乗っ取られた肉体が、死ぬだけで、

　　黒い霧は滅びぬ。

　　魔力ある地霊なら、分かりそうなものだ。」

　ケルビンは、スーッと、偽ケルビンの前に降り来たり、

地面に触れずに、静止した。偽ケルビンは、喚いた。

　「貴様！！どうやって、侵略者の結界を抜けたのだ！？

　　あの強烈な障壁を、どうやって・・・！！」

　「強烈？あんな、あるか無きかの結界が？

　　現に、常人である、ペトロス兄妹が、平気で

　　出入りしているのに？

　　まあいい。それが、お前の限界と言うことだ。」

　ケルビンに嘲られ、偽ケルビンは、更に喚いた。

　「うるさい！！ほざいたな！

　　我が正体を見ても、同じだけ、ほざけるものか！

　　もう化けるのは、終わりだ。今、目に物、見せてやる。

　　我が力で、あの三つ首犬を倒すのだ！

　　そして、我が巣を、取り戻すのだ！！」

　　　　　　　　　　続く

　ここが、ＴＶＣＭと被ってた所です。しかも、ジャドゥビスのセリフ、ソルダムが喋ってた訳で・・・

　だから、ソルダムを宇宙に飛ばして、直接、北へ向かわせ、

　ギリギリのラインで、避けた心算ですが・・・

　どうかなあ・・・長くなっただけ、だったりして・・・

　文の「だらけ」には、気をつけます。

　では、また次回今日もお越し下さって、ありがとうございました。