2012年03月18日
雨中の白梅




凍り雨 白梅一人 匂ひぬる
白梅(しらうめ)の 一輪咲きて 鉛空
夕暮れの迫リて悲し 隠れ庭
一輪の梅を 一人花見る
枝先の紅きに 春を想ふれば
寒の戻りに 白梅咲きつ
雨中に こぼるる匂ひ ただ虚し
初春の梅を 見る人もなし
・・・上手くないです・・・



The Song of Wind (184)
「あれ?パパ、まだ、おったん?
セヴィリス達と一緒に、出かけたと思もたのに・・・」
宿屋の小部屋を、覗き込んだシシィが、頓狂な声を上げた。
夜明け前の薄闇をついて、ジャドゥビスとセヴィリスが、
ディーレン目指して、視察に出掛けたのに、いつもなら、
真っ先に行動を起こして、いなくなるはずの、ケルビンが、
部屋で、じっと、安楽椅子に埋まっているなど、
考えられない事だったのだ。
「ほんまに、どないしたん?よっぽど調子悪いん?
お医者さん、呼ぶ?」
その時になって、ケルビンは、初めてシシィに
気付いたようだった。やおら身を起こし、シシィの目を
じっと、暫く見つめ、怪訝そうな視線を返されて、
ようやく、言葉を発した。
「ふむ・・・どうも、気分がすぐれぬ。
・・・が、もう少ししたら、出掛けねばならぬだろう。
姫達の様子は、良さそうかな?」
シシィは、ケルビンの様子に、間延びした悠長さを感じ、
苛立った。シシィは、次の展開を急いでいたのだ。
目当ての三王女が、保護されたのだ。
ジャドゥビスとオリザ姫の役目は、終わったとも言える。
ならば、さっさと、姫だの貴公子だのを、南へ送り出し、
黒い霧の正体を探る、本来の目的の旅に出たいと、
シシィは、本気で考えていた。
黒い霧を追う旅。その先には、ソルダムがいる。
遥かな、北の山国。
激しい戦になるからと、ついて行く事を、止められたが、
魔術師の父と、法術師のセヴィリス、それに風の精霊、
ユリシアが共にいれば、少しは、危険度が下がるだろう。
術師達は、黒い霧の正体を突き止め、その影響を、
世界から取り除くと言う、目的がある。
次の行く先は、同じはずなのだ。
だが、ケルビンは、シシィの焦りを、理解していない。
テーブルの上の水差しを取り、一口、水を飲む、
その仕草に、切迫感がない。
シシィは、苛立ちが、沸き上がって来る前に、急いで
部屋を出た。口論すれば、ケルビンに、自分の娘が、
身分違いの恋をしていると、知れることになる。
出来れば、ソルダムが迎えに来て、ケルビンに
話してくれるのが、一番いいのだが、もしかすると、
他の者が、既に、喋ってしまっているかも、知れない。
その点では、ケルビンの態度は曖昧すぎて、
深意が、読み取れない。
シシィは、波立つ胸を押さえて、雑事に没頭し、
午後に気付いた時、ケルビンは、宿から消えていた。
いつ、出て行ったのか、誰も見た者は無かった。
* * * * *
ディーレンから、ディールヴァ城の、隠密調査を始めた、
ジャドゥビスとセヴィリスは、意外なものを発見し、
困惑の極みに陥っていた。
ディーレンの遥か南東。樹海の真っ只中に、
パストリア後続軍が、道なき道を、這う様に
進軍していたのである。
十年前、二年に及ぶ激しい抗争の末、略取された地域を、
今回の混乱に乗じて取り戻し、のみならず、地続きの、
豊かな穀倉地帯に、我が版図を広げんと、侵略軍を
送り込んで来たものらしい。
かつて切り取られた、サリックス地方へ、正面から乗り込み、
対ルテシア戦線を、開くだけの、国力の無いパストリアは、
東へ大迂回する、ルートを選択したのだ。
先発隊は、恐らくファーゴの力で、ルテシア国境を
突破したのだろうが、後続本隊全てを、誤魔化す事は、
出来なかったのだろう。
樹海は、東へ行くほど深く、未開で、未知の野獣や、
風土病が渦巻く、緑の地獄である。
そこを、決死の覚悟で切り開きながら、進む軍隊に、
上空から気付いたセヴィリスは、唖然とすると共に、
これが、目的地に、着いた時の様子を想像し、怖気を奮った。
このままでは、幼き日の地獄が再現する・・・
セヴィリスは、何としても戦を回避せねばならないと、
激しく頭脳を働かせ始めた。
本隊のディールヴァ城到着は、三、四日後と思われた。
続く
「白牡丹といふといへども紅ほのか 高浜虚子」
高校二年。



この句について、50分の授業のうち、40分を、



私は、中心がほのかに薄赤い、白牡丹を見た事があった。その赤さに、生命感を見た。
だから、そう主張した。
先生は、白牡丹は純白で、むしろ、緑がかっている物だと、厳しく主張された。
近年、この句の解説を読んだ。作者の見たのは、中心が紅い白牡丹だった。
私は正しかった。33年前の論争に、私は密かに、勝利宣言を出した。



・・・では、また次回。



脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)
│ファンタジー