2012年02月22日

風の歌 173

風の歌 173 TV画面を撮ったから、

 画像悪いけど、わかりますiconN06

 このふざけた図iconN04

 左下のマークで、一目瞭然。

 NHKの9時のニュース。

 (2月7日)いいのかなiconN05

 株とか、経済の話だったのに・・・

    kao09 kao12 kao09 kao12 kao09


   The Song of Wind (173)

 日暮れ頃、イヴェルトと捜索隊は、得るもの無く、帰城した。

 当然であった。案内の森番は、妻の乳母共々、イーヴェルから

全てを打ち明けられている。最期の時には、黄泉への道の、

露払いに立つ覚悟なのだ。パストリア軍の、野営地点に、

イヴェルト達を、近づける訳が無い。

 翌朝は、雨であった。遠出は無理との判断で、

隊長達は、兵を休ませ、自らは、城の内外を見て回った。

 案内は、イーヴェルである。

 イヴェルトは、妹に後事を任せ、自室に引き篭った。

 古文書を、調べるとは言ったが、古い物を嫌う兄が、

実は、休息している事を、イーヴェルは知っている。

 剣と甲冑をガチャ付かせた、男共の先頭に立ち、

イーヴェルは、迷い続けていた。

 参謀長のファーゴが、「御方様」と言う、黒い霧の化け物と

結託して、王女達を誘拐したのだから、ルテシア側に、

王女達を渡す事は、できない。だが、パストリアに渡せば、

今度は、自分が人質にされる。

 そうすると、兄の立場が悪くなる。

 イーヴェルは悩み抜き、ついに一つの決意をした。


 三日目の早朝、雨上がりである。

 深い樹海で、濡れた木々の間を行くより、楽だろうと言う

森番の意見を容れて、捜索は、クヌー川周辺の、

やや人里近くに、決まっていた。

 川舟も必要であった。そのため、水運業の舟が、

舟人ごと、ディーレンから呼び集められた。

 城は、ほぼ空に近くなった。

 城の東側の森が、異常な静けさに支配された。

 昼近く。捜索隊の一部が、クヌー川を渡り、向こう岸の

捜索に入った時だった。

 わーーーっ!!と言う、鬨の声を上げて、パストリア軍が、

ディールヴァ城に、雪崩れ込んだ。

 驚いたイヴェルトと捜索隊は、必死に馬を返して、城に急いだ。

 その背後を、パストリアの別動隊が追撃する。

 行く手の城は、既に占領されている。

 イヴェルトは、腹背に敵を受けた。

 捜索隊の大方の兵は、出兵の真意を知っていて、

戦の覚悟が出来ていたが、ただ一人、お飾り隊長の

イヴェルトだけが、みっともなく、うろたえている。

 一人、道を離れ、樹海に迷い込み、闇雲に逃げ、

怯えて駆け回った。イヴェルトのやった、唯一まともな事は、

城の方角を、覚えていた事であった。樹海を彷徨いながら、

それでもイヴェルトは、確実に城の方へと、歩み寄っていた。

 突然、何者かが、イヴェルトの襟髪を掴んだ。

 驚きと恐怖で、イヴェルトは喚きまわったが、

その身体は、一瞬で、地下へと引きずり込まれた。

 そこは、黒い霧の巣食う、地下の泉であった。

 「まったく、世話の焼ける兄妹だ。

  年端の行かぬ妹は、まだ許せるが、この兄は、

  これでも成年男子か?

  少しは、立場に見合った仕事をしろ!」

 腰を抜かした、イヴェルトの前にいたのは、

 呆れ顔に怒りを滲ませた、ケルビンだった。

             続く


 3日目の昼過ぎ。kao_16誰がどこで、何をしてましたかね?思い出してねiconN04

 kao_13そして、ケルビンが、どこにいるのかも。icon06icon10

  では、また次回。ロケットiconN08ロケット今日も、お越し下さって、ありがとうございました。



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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