2012年02月19日
馬鹿の足跡






大雪の公園に、一筋の足跡。
膝まで積もった雪野原を
どこの馬鹿が、横切ったのか。
長靴の上から、雪が入っちゃう。
疲れて急いで、こんな所、通ったって、
近道にならない。
ホント、大馬鹿野郎。
自称さあって言う、馬鹿のお話。





The Song of Wind (172)
「何をしに来られたのだ!」
イーヴェルは、地下の泉に、ようやく辿り着いた途端、
きつい一喝を食らわされて、文字通り飛び上がった。
闇の魔人、ケルビンの声だった。
ケルビンは、水辺の砂地に端座し、瞑目していた。
黒い霧の化け物、「御方様」の結界に、偶然落ち込み、
出られなくなったと言い、この強力な結界を破ろうと
方法を、模索し続けているらしい。
「・・・あの・・・兄達と、パストリアの方々が、行き会ったら、
どうなるかと思って、私・・・」
「その心配は、いらぬ。いや、するだけ無駄だ。
今日、すぐには遭遇せぬ。パストリアの先行部隊より、
兄上達の方が、数に勝っている。本隊到着まで、
奴等は隠れて動かぬ。が、到着次第、戦になろう。
それだけは、間違いない。」
イーヴェルは、おどおどと、それでも、砂地に出て来た。
「ですから、『御方様』に、お尋ねして・・・」
「化け物に相談を?その挙句、今、困った羽目に
陥っているのに、この上、奴に指図を仰ぐのか?
事実が知りたければ、教えよう。
あなたの知るパストリア軍は、斥候部隊だ。
本隊は、さらに東方、半日の距離にいる。
もっとも、更に東の後方、四日の距離に、後続隊もいるが。
パストリアの真の狙いは、過年ルテシアに奪われた、
サリックス地方に代わる、穀倉地帯の奪取だ。
ディーレンは重要だが、最終目標ではない。
あなたが、三王女を引き渡しても、この城を焼いても、
事は終わらぬ。一方、兄上の預かる国王軍は、
三王女にかこつけて、ここの地理を調べ、更に東へ、
版図を広げる目的がある。兄上は、道案内に過ぎぬ。
しかし彼は、地理に明るくない。結局、お飾り隊長だ。
つまり、あなたの死も、三王女の生死も、大事ではない。
これが、昨夜、私が感知した、両軍の思惑だ。」
ケルビンの話に、イーヴェルは、激しく動転した。
イーヴェルは、黒い霧の怪異についても、よく知らぬし、
ファーゴとネレイド王の、野望も知らぬ。
既に西方のタンベルディで、戦端が、繰り広げられている事も、
遥か東のディーレンまで、聞こえてはいない。
まして、他地方の、十数年前の戦の話など、知る由も無い。
「では・・・あの姫様達は、どうなるのでしょう?
パストリアの御使者様に、お引渡しすれば、それで
全て終わると・・・思って・・・私は・・・」
イーヴェルの青い瞳に、見る見る涙があふれた。
声が上ずり、言葉は途切れた。
が、ケルビンは、冷たく突き放した。
「御使者などは、来ぬ。来るのは奇襲だ。
兄上と国王軍が、城兵全てに加え、ディーレンの
賦役兵まで引き連れて、城を出る時、空の城に、
パストリア軍が雪崩れ込み、三王女を保護し、
あなたを捕えて、人質とするだろう。」
「そんな!!人質になど・・・そうなる前に、一思いに・・・」
「死なせてなど、くれるものか。
あなたの価値は、向こうの方が、よく知っている。
敵が、まず最初にする事は、あなたの自害防止だ。」
イーヴェルは、石積みの間に、へたり込んだ。
自分の死が、劇的な重大事と思えば、自害の気力も湧こうが、
塵ほどの価値もないと、言われては、気が挫けそうになる。
「選ぶのは、あなただ。化け物でも、ファーゴでもない。
価値無き死の道を行くか、生きて、己の価値を探るか。
兄上の帰郷は、あなたの選択肢に、『生』への道を、
付け加えた。どの道を行くが、正しいとお思いか?」
ケルビンの口調は、依然冷たい。
が、その視線は、いつしか和らぎ始めている。
続く
・・・あかん



どこかで、ぶった切らねば・・・

でも、まあ、そう言う事です。
城だの、姫だのって言うのは、いつもそう言う危険に、

それより、この、地下の泉のどこかには、黒い霧の化け物が、潜んでいる筈なんだよね。

こんなに、あれこれ喋っちゃって、いいのかな




では、また次回。



脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)
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