ぶるんねん文庫

　
　短大時代のさあのあだ名は、「隠花植物」

　つまり、花の咲かない、日陰植物。

　平たく言うと、シダ、コケ、キノコ、

　・・・カビとか、・・・

　ましな所で、ギンリュウソウか・・・

　見たこと無いけど、ファンタジーに使った。

　「真夏の昼の夢」の、異世界の白い花の、

　モデルにした。（2010,10/21~25）

　咲いてる花でも、青、紫、白が好き。

　暗いから、パートでも、浮いちゃうんだな。

　分かってるけど、直せない。直したいけど、直すと、私が私で無くなる気がする。

　「風の歌」も、暗いお話だと、思われてるんだろうな・・・ギャグのシーンとか、入れようかな・・・

　どうでしょうあった方がいいですかご意見待ってます


　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（１３２）

　三方向から、どんなに一斉に攻撃をかけても、

ファーゴの周囲は、黒い霧に取り巻かれ、火球も熱球も

電撃も、それを突き破る事ができない。

　ただ黒い霧は、ファーゴ自身の攻撃も、通さぬと見えて、

瞬間的に、三方向のどこかを消滅させなければ、

電撃を放てないらしい。

　だが、ファーゴの眉間に、火花を認めた時には、もう、

電撃を受けている、と言う速さでは、黒い霧の、

切れ目を縫うような攻撃は、出来ない。

　ケルビンの電撃が、辛うじて互角なだけで、アルフィーニと

セヴィリスは、攻撃の点では、役には立たぬ。

　アルフィーニは、なんとか背後に回って、死角から直接、

その歯牙に、ファーゴを掛けんと図るのだが、ファーゴは、

まるで後ろに目があるかのように、今一歩の所で、逃れてしまう。

　埒が明かぬと見取ったケルビンは、セヴィリスを囮に

使う事を思いついた。セヴィリスの背後から、攻撃をかけるのだ。

　セヴィリスは仰天した。が、これは、かなり有効な手だった。

　セヴィリスを攻撃しようと、ファーゴが、黒い霧を消した所に、

ケルビンの電撃が、直撃したのだ。

　味を占めたケルビンは、ビビッて逃げ回るセヴィリスを

盾に使い、次々と攻撃を決めて行く。

　疲れて隙の出来たファーゴに、幾度か、アルフィーニの

鋭い爪が掠り、法術師のローブは、そこ等中、ずたずたに

裂けてしまっていた。身体にも、手傷を負ったらしく、

血の滲んだ箇所もある。

　息を切らし、終に、ファーゴの動きは止まった。

　東の方向に、夜明けの兆しが、見え始めた。

　夜の闇の奥底に、薄青色が忍び入る。その時だった。

　鋭い閃光と共に、浮上して来た者がある。

　ルテシア王、ネレイド・ヘリアンテス。

　金縁毛皮の、王者のマントと、紅玉の略王冠のいでたちに、

法術師の、十二節の長杖を手にしている。

　「何をしている、ファーゴ！

　　余の出る幕などないと、豪語しておった筈が、

　　何と言う為体だ。都中の辻ごとの番所に、

　　どれ程の苦情が来ていると、思って居るのか。

　　都一の法術師にして、参謀長ともあろう者が、

　　直々に出張って、一晩掛かりで、この有様か！？

　　恥を知るがいい！！」

　「申し訳も、ございません。が、何分、三対一では・・・」

　「それでも、なお、恐るに足らずと、鼻にも引っ掛けず、

　　飛び出して行きおって、挙句に、その言い草は何だ？

　　もうよい。下がれ！！王たる余が、直に退治て呉れよう。

　　痴れ者共め、素直に降伏すればよし、手向かいすれば、

　　どうなるか、分かっておろうな！？」

　幾ら威圧されても、ネレイド王の法術は、セヴィリスにすら、

遠く及ばず、殆ど、初歩段階を脱した程度に、過ぎない事が、

三人には、手に取るように分かっている。

　なにより、手ずから指南した、ファーゴ自身が、

一番それを、よく知っていると見えて、必死に留めようとする。

　「なりませぬ。御自らのお働き、恐れ多く御座いますれば、

　　今は、お引きを。いえ、王宮にお戻りを。

　　一刻後には、必ず吉報を、お届けしますゆえ。」

　その押し問答の間に、初めから死角にいたセヴィリスが、

じりじりと、二人の背後に回り込もうとした。

　足の下の薄い曇り空は、朝焼けの薔薇色が広がり、

見る見るそれが白んでくる。

　上空は、澄んだ花藍色が、果てしなく広がっている。

　ついに、朝の黄金色の光の矢が、彼方の丘陵を越えて、

名残の星々を散らす、蒼穹を射抜いた。

　その光の中に、女神のように薄衣を翻し、立つ者がいる。

　それは、十年もの間、虜囚として、離宮に幽閉されていた、

ルテシア王妃、マヤリス・セラフィに他ならなかった。

　　　　　　　　　　続く

　やれやれ、やっと繋がりました。（ふぅ・・・）

　マヤリスは、離宮の呪いを解かれ、仮死の眠りからも目覚め、これから謎解き編です。

　だらだら長くしないようにすると、漢字が多くなるし、会話も入れたいし・・・

　難しいですね。頑張ります。

　では、また次回。今日もお越し下さって、ありがとうございました。