ぶるんねん文庫

　こごまの熟睡ポーズを

　撮りた～い

　と、喚き続けていたら、

　ウチのオヤジが、

　「寝てるぞ！今だ！！

　　いや、僕が撮ってやる。

　　お前じゃ、起きちゃうから！！」

　と、言う訳で、撮って貰ったのが、

　これ

　オヤジの枕には、ご勘弁を

　それにしても、凄いポーズ。

　あんた、ホントに、猫ですか　


　　　Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（１１９）

　フッ、と、ファーゴは、不敵な笑みを浮かべた。

　「滅多な事を、おっしゃられては、困りますな。

　　私が、医師のボニウス？

　　どこから、そんなご冗談を、思い付かれたのやら・・・」

　ふわりと、ファーゴの右手が揺らいだ。

　アルナス后は、それに構わず、かなりの大声を出した。

　「誰かある！衛士を呼べ！！

　　この、たばかり者を捕えよ！

　　陛下を誤まらせし、極悪者ぞ！！
　
　　早う、衛士を！！」

　しかし、誰も来ぬ。

　宮廷の中である。いかに、人払いを命じてあろうとも、

これほどの叫び声すら、届かぬほど、女官等が遠のく事など、

あり得ない。アルナス后は、背に、戦慄が走るのを覚えた。

　「何をした！！こんな・・・」

　言葉の後半は、声にならなかった。

　時ならぬ寒気に、周りを見回しながら、叫ぶアルナス后が、

己の真後ろを見た時、彼女は、黒い靄を人型に、

切り抜いたようなものの、存在に気付いたのだ。

　「！！！」

　人型の靄は、するすると近付き、嫌悪と恐怖に、後ずさる

アルナス后に重なり、消えた。

　アルナス后は、くたくたと力を失い、膝から床に、崩れ落ちかけた。

　「おっと」

　ファーゴは慌てて、倒れ掛かる老女の手を取り、手近な椅子に

導き、座らせた。そして、女官達を呼び入れると、こう命じた。

　「アルナス様は、ひどくお疲れだ。

　　すぐに、お楽に、休ませて差し上げるよう。

　　この度のお里帰りは、御しのびである。

　　気付いて、お見舞いに上がる者もあろうが、

　　お疲れ故と、お断り申し上げよ。

　　お食事、お着替えは、御煩い無き様、部屋へお運びし、

　　常にお傍に控えながら、静かにお過ごし頂くのだ。よいな。」

　それは、体の良い監禁と、監視の命令だった。

　居並ぶ者たちは、何と解釈しているのか、逆らったり、

疑問を呈したりは、誰もせぬ。ただ、頭を垂れて、畏まるばかりだ。

　アルナス后は、ファーゴの後ろで、ぐったりしていたが、

見聞きの力は、失っていなかった。

　ファーゴの腹立たしい物言いに、喚き出したかったが、

どうしても体が利かぬ。そのくせ、侍女が手を取ると、

何の不自然さも無く、体は動き、うわのそらの様な、

覚束無さではあったが、正常に立ち上がり、歩くのだ。

　寝室へと導かれ、されるがままに着替え、ベッドに入れられる。

　しかし、意に反しているのに、それを訴える声が出ぬ。

　・・・このまま、逝くのであろうか・・・

　　　　　・・・オヴィディオ、オヴィディオ、助けておくれ・・・

　余りの心細さに、行方の知れぬ息子を呼ぶ。

　常夜灯の薄明かりの下で、眠れぬアルナス后の、見開いた目から、

涙が一筋、こぼれて落ちた。求める息子が、すぐ目と鼻の先にいて、

事情を知り、その身を案じている事を、知るすべはなかった。

　　　　　　　　　　続く

　　　　　　　

　今回は、予定外でした。読み返して、凄く違和感があったので、急遽入れたシーンです。

　あとで、監禁されました、って言う説明で、いいかな？って、思ったんですが、

　やっぱり、このシーンは、あった方が落ち着くようです。

　でも、気丈なおばあさまが、泣いたりして、書いてて吃驚仰天

　なんだか、サブキャラも、みんな自分で動き出しちゃって・・・

　ちょっとまってよ～～書き手はひとりなんだよ～～

　という訳で、次回へ続きます。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。