2011年09月04日
風の歌 110
110回です。



どうです?
動いてますでしょう?
お約束通りでしょう?


110回記念イベント

ドリス・ドルフュス
・・・のイメージイラスト
誰だか、分かりますよね
「ドリスは、女子衛士隊ではなく、
男子に混じって、衛士隊にいる。」
って設定したら、あるドラマで、
このイメージの、女優さんが
そういう役で、出てるから、
びっくりした。


では本文を、どうぞ

The Song of Wind (110)
翌朝、オリザ姫が目覚めると、枕元にユリシアがいて、
ケルビンの姿が、消えていた。
夜中に、虜囚宮の焼け跡を調べ、やはり、セヴィリスでなければ
ならぬという、結論を得て、出立してしまったのだ。
「三日の内には、最悪、セヴィリスだけでも、こちらに戻すと、
言い置いて、行かれました。
深夜に随分、調べておられたのですが、虜囚宮全体に、
リグストラム師匠の、強い魔法が、掛かっているのだとか。
王妃の棺は無事だが、焼け跡から、持ち出す事は、
今はまだ、誰にも出来ないそうです。
法術師にしか解けない、まじないが掛かっているから・・・」
ユリシアは、ケルビンの伝言を、皆に伝えた。
オリザ姫は、シドの祖母とシシィの看護で、順調に
回復し始めているし、ユリシアは、ケルビンの結界を
維持する事はできるらしい。
「新しく結界を張る事は、できませんが・・・」
シドの祖母の手前、ユリシアは、いつものように、フワフワと、
出たり消えたりせず、ちゃんと、人間の少女らしく、振舞っている。
マヤリスの手紙は、ソルダムが預かっている。
この手紙にも、法術師でなければ、読み取れない謎が
隠されていると言う。
三日・・・セヴィリスが戻るまで、動けない。
ソルダムは、サーヴェンに馬を借りて、市中を回った。
昨日、馬車を追おうとして、道に迷いかけた反省から、
地理を、確かめておく心算なのだ。
シシィが、貸し馬を返しに行くと言って、着いて来る。
「ミランに会うまで、こんな感じやったなぁ。」
ソルダムは、首だけで返事した。相変わらずの、無口である。
「二日だけやったけど。」
また、頷く。そして、やおら立ち止まると、地図を広げ、
方向を確かめる。幾度か、そのたびにシシィは、行き過ぎかけては、
戻り、何か言ってやろうと、思っては留まった。
ソルダムの目は、道を確かめては、その都度、空中に注がれる。
その視線の先には、天を指してそびえる、太陽宮殿の、
威容がある。母、セシル・アルナスの、連れ去られた城。
「ホントは、お母さんの事、気になって、いてもたっても、
いられへんのとちゃう?」
ソルダムは黙って、首ですら、返事しない。
が、その無言こそが、返事だった。
生まれ育った所に、連れて行かれただけとは、言っても、
既に三代を経て、国の概要自体が、大きく変貌している。
どんな扱いを、受けているのか。
王族と言っても、市井で言う、母一人、子一人である。
気がかりでならぬのは、当然だった。
* * * * *
空中高く、雲を衝いて飛ぶドラゴンの背で、
あまり、共に行動する事のなかった、ドリスとミランは、
暫くの間、気まずく、口も利かなかったが、眼下に
黒々と長く続く、ルテシア軍を追い越しても、一向に
スピードを、緩めようとしないアルフィーニに、不安を覚えた
ドリスが、我慢できずに、話し掛けて来た。
「ねぇ、どこまで行くのか、正確な場所、訊いてくれない?」
「ルナンシアの、ちょっと北だって。
訊くときは、自分で訊きな。こっちの言葉は、分かるんだから。」
セヴィリスは、少し後方を付いて来る。
アルフィーニは、全速力を出していない。
天馬で、単独飛行なら、とっくに着いている距離だが、
今の自分では、アネッサ・リーとは、戦えない。
武力と知力と、魔法の力が必要なのだ。
その為に、三人について来て貰ったのだ。
しかし、それにしても、セヴィリスの飛行速度は、遅い。
アルフィーニは、ついに空中で留まり、セヴィリスを待った。
すぐに、セヴィリスが追いつき、雲の間から現れた。
「もうちょっと、がんばって、速く飛んでって。」
アルフィーニの苦情を、ミランが通訳する。
セヴィリスは、それでも、全速力を出していたのだ。
その真下。ルテシア軍の斥候部隊が、先行している中に、
テオがいた。正気の知性を失った視線が、空中に注がれる。
と、矢庭にその右手が、何か見えない物を、宙に投げ上げた。
上空へ昇る内に、それは黒い霧でできた、投網となって広がり、
白い雲を衝き抜けて行く。
「!!!」
セヴィリスは、下からの敵意ある気に、反射的に身を翻した。
が、他の者に、それを伝える間がなかった。
狙い過たず、霧の網は、すっぽりとミラン、ドリス、
アルフィーニを捕らえ、包み込んでしまった。
そのまま地上へと、猛スピードで、引き摺り下ろされて行く。
セヴィリスは、落ちてゆく皆の後を、必死に追いかけ、
自身も墜落するほどの勢いで、降下して行った。
続く







今まで、通り過ぎただけの地名、名前だけの人物が、いつ重要ポイントで出てくるか。
こう言う事、考え考え、書くのは大変です。でも、楽しいです。




今までの、人物のセリフなども、細かぁく読み返してもらうと、
「あれっ
」って言う所が、あちこちあるはずです。




設定間違いは、今の所、無いです。つまり、矛盾点は、トリックです。だれが、嘘つきでしょう。
では、また、次回。

今日も、お越し下さって、ありがとうございました。




どうです?








ドリス・ドルフュス
・・・のイメージイラスト
誰だか、分かりますよね

「ドリスは、女子衛士隊ではなく、
男子に混じって、衛士隊にいる。」
って設定したら、あるドラマで、
このイメージの、女優さんが
そういう役で、出てるから、
びっくりした。



では本文を、どうぞ


The Song of Wind (110)
翌朝、オリザ姫が目覚めると、枕元にユリシアがいて、
ケルビンの姿が、消えていた。
夜中に、虜囚宮の焼け跡を調べ、やはり、セヴィリスでなければ
ならぬという、結論を得て、出立してしまったのだ。
「三日の内には、最悪、セヴィリスだけでも、こちらに戻すと、
言い置いて、行かれました。
深夜に随分、調べておられたのですが、虜囚宮全体に、
リグストラム師匠の、強い魔法が、掛かっているのだとか。
王妃の棺は無事だが、焼け跡から、持ち出す事は、
今はまだ、誰にも出来ないそうです。
法術師にしか解けない、まじないが掛かっているから・・・」
ユリシアは、ケルビンの伝言を、皆に伝えた。
オリザ姫は、シドの祖母とシシィの看護で、順調に
回復し始めているし、ユリシアは、ケルビンの結界を
維持する事はできるらしい。
「新しく結界を張る事は、できませんが・・・」
シドの祖母の手前、ユリシアは、いつものように、フワフワと、
出たり消えたりせず、ちゃんと、人間の少女らしく、振舞っている。
マヤリスの手紙は、ソルダムが預かっている。
この手紙にも、法術師でなければ、読み取れない謎が
隠されていると言う。
三日・・・セヴィリスが戻るまで、動けない。
ソルダムは、サーヴェンに馬を借りて、市中を回った。
昨日、馬車を追おうとして、道に迷いかけた反省から、
地理を、確かめておく心算なのだ。
シシィが、貸し馬を返しに行くと言って、着いて来る。
「ミランに会うまで、こんな感じやったなぁ。」
ソルダムは、首だけで返事した。相変わらずの、無口である。
「二日だけやったけど。」
また、頷く。そして、やおら立ち止まると、地図を広げ、
方向を確かめる。幾度か、そのたびにシシィは、行き過ぎかけては、
戻り、何か言ってやろうと、思っては留まった。
ソルダムの目は、道を確かめては、その都度、空中に注がれる。
その視線の先には、天を指してそびえる、太陽宮殿の、
威容がある。母、セシル・アルナスの、連れ去られた城。
「ホントは、お母さんの事、気になって、いてもたっても、
いられへんのとちゃう?」
ソルダムは黙って、首ですら、返事しない。
が、その無言こそが、返事だった。
生まれ育った所に、連れて行かれただけとは、言っても、
既に三代を経て、国の概要自体が、大きく変貌している。
どんな扱いを、受けているのか。
王族と言っても、市井で言う、母一人、子一人である。
気がかりでならぬのは、当然だった。
* * * * *
空中高く、雲を衝いて飛ぶドラゴンの背で、
あまり、共に行動する事のなかった、ドリスとミランは、
暫くの間、気まずく、口も利かなかったが、眼下に
黒々と長く続く、ルテシア軍を追い越しても、一向に
スピードを、緩めようとしないアルフィーニに、不安を覚えた
ドリスが、我慢できずに、話し掛けて来た。
「ねぇ、どこまで行くのか、正確な場所、訊いてくれない?」
「ルナンシアの、ちょっと北だって。
訊くときは、自分で訊きな。こっちの言葉は、分かるんだから。」
セヴィリスは、少し後方を付いて来る。
アルフィーニは、全速力を出していない。
天馬で、単独飛行なら、とっくに着いている距離だが、
今の自分では、アネッサ・リーとは、戦えない。
武力と知力と、魔法の力が必要なのだ。
その為に、三人について来て貰ったのだ。
しかし、それにしても、セヴィリスの飛行速度は、遅い。
アルフィーニは、ついに空中で留まり、セヴィリスを待った。
すぐに、セヴィリスが追いつき、雲の間から現れた。
「もうちょっと、がんばって、速く飛んでって。」
アルフィーニの苦情を、ミランが通訳する。
セヴィリスは、それでも、全速力を出していたのだ。
その真下。ルテシア軍の斥候部隊が、先行している中に、
テオがいた。正気の知性を失った視線が、空中に注がれる。
と、矢庭にその右手が、何か見えない物を、宙に投げ上げた。
上空へ昇る内に、それは黒い霧でできた、投網となって広がり、
白い雲を衝き抜けて行く。
「!!!」
セヴィリスは、下からの敵意ある気に、反射的に身を翻した。
が、他の者に、それを伝える間がなかった。
狙い過たず、霧の網は、すっぽりとミラン、ドリス、
アルフィーニを捕らえ、包み込んでしまった。
そのまま地上へと、猛スピードで、引き摺り下ろされて行く。
セヴィリスは、落ちてゆく皆の後を、必死に追いかけ、
自身も墜落するほどの勢いで、降下して行った。
続く







今まで、通り過ぎただけの地名、名前だけの人物が、いつ重要ポイントで出てくるか。
こう言う事、考え考え、書くのは大変です。でも、楽しいです。





今までの、人物のセリフなども、細かぁく読み返してもらうと、
「あれっ






設定間違いは、今の所、無いです。つまり、矛盾点は、トリックです。だれが、嘘つきでしょう。
では、また、次回。



脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)
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