2011年09月03日

見つけましたよ!すし屋のおやじさん!!

見つけましたよ!すし屋のおやじさん!! こんな道端の小さな花。

 そして、黒い丸い実・・・

 犬鬼灯iconN04発見iconN04iconN04

 すし屋のおやじさんって

 凄い人です。icon12kao_16icon12

 大抵の人は、踏みにじっても

 気も付かないでしょう。icon24

 ちょっと入ってしまった、icon23

 私の指と比較してください。

 そんな大きな手じゃないんで。

 この小さな花に、名前があり、輝きがある事を、教えて下さる、偉大なおやじさんに感謝iconN04iconN04 


   The  Song  of  Wind  (109)

 その手紙は、連れ去られる直前、アルナス后が、

ミリカに押し付けて、行ったものだった。

 ケルビンが受け取って、念をかけ、持ち主の波動を読み取る。

 と、手紙は、虹色に激しく輝き、まるで、読まれるのを

拒むかのように、捩れ、小さく丸まってしまった。

 「・・・母御の波動は、僅かに残っている。

  しかし、ここから、南東方向と言う以上は、

  ファーゴの結界に遮られ、読み切れぬ。

  まあ、太陽宮内で、ほぼ間違いは、無いだろう。

  それより、この手紙・・・この波動・・・誰のものだ?

  恐ろしく、強い魔力を感じる。こんな力ある魔術師が、

  無名で埋もれている事が、あるだろうか?」

 「そう言えば、奴等、おかしな事を言っていた。

  アルナス様は、火事で難儀されたとか・・・」

 ユーディスが、思い出しながら言った。

 「火事があったって、通りの人たちが、騒いでたじゃない。

  王妃様のお城に、雷が落ちて、火事になったって。」

 ミリカは、耳がいい。大人の話を、よく聞いている。

 「それに、おばあさまの服から、煙の匂いがしたわ。

  おばあさまは、王妃様のお城で、火事にあったのよ、きっと。」

 街道で、神隠しにあった者が、どうして、虜囚宮で、

火事に、巻き込まれたのか、今一つ分からないが、

もし、ミリカの言う通りなら、この手紙は、マヤリス王妃の

物だと言う事になる。

 「マヤリス・・・アナトスの娘・・・

  本当に娘かどうかは、分からないが、

  この手紙にかけられた、魔法の強さは、尋常ではない。」

 くしゃくしゃと丸まって、紙屑の様に見える手紙は、

ケルビンの前に、今は光を失って、投げ出されている。

 ソルダムは、つと、それに手を伸ばした。シシィが息を飲む。

 何か、とんでもない事が、起こるかと、思ったのだろう。

 しかし何も起こらず、手紙は、ソルダムの手で、皺を伸ばされた。

 「親愛なる、ネレイド・ヘリアンテス陛下、御許へ。

  マヤリスより・・・封は、されてないな。」

 ソルダムは、ケルビンに手紙を示した。

 ケルビンが、受け取ろうと、手を伸ばす。すると、手紙は

再び光を発し、くしゃくしゃと、丸まって行く。

 ケルビンが手を引っ込めると、光が消えた。

 「やはり、な・・・魔力あるものに、読ませぬ工夫だ。

  ソルダム、読んで見てくれ。大した事は、書かれていまい。」

 ソルダムは、躊躇したが、母が預かった、未封の手紙である。

 母が読むことを、想定した物かも知れぬ。

 思い切って、開いてみた。ジャドゥビスと、ユーディスが、

わざわざ席を立って来て、覗き込む。

 「『親愛なる陛下。長年に亘り、罪深きこの身を、保護し奉り、

   感謝の言葉も、ございません。

   折角の御恩に、報いる事無く、この様な形で、御意思に

   背く事を、どうかお許しくださり、親身に仕えてくれた、

   離宮の者達を、お咎め無きよう、お願い申し上げます。

   この度の事は、総て、私一存で行う事。

   心弱き妃の、これが、最後の望みで御座いますれば、

   どうぞ、お聞き届け下さいませ。   かしこ
 
            マヤリス・セラフィ・リグストラム 』

  これだけだ。だが、そうすると、王妃は、自殺したのか?

  幽閉と言う事は、自殺の自由もなく、見張られている筈だ。

  そして、落雷と火災。そんなに都合良く、そんなものが

  起こるわけが無い。・・・ダルトンの言う、何者かの意思が、

  ここにも、働いたと言うのか!?」

 「働いたのだろう?現に、何者かの手で、かき集められるが如く、

  ソルダムと母御と、タンベルド伯が、ここに集った。

  母御とは、掛け違ったが。と、言う事は、その意思に

  反しようと、目論見続けているのが、最大の黒幕だろう。」

 「母を拉致した、ファーゴが黒幕・・・」

 「ファーゴは、この手紙を奪おうと、アルナス后を、

  拉致したのだろう。ファーゴは法術師だ。魔力を持たぬ。

  手紙を読み、精査し、隠された思惑を、知る事が出来る。

  手紙は、ここに在るが、私が読めなくては、精査できぬ。
  
  セヴィリスを行かせたのは、失敗だった。

  あるいは、それも、奴の企みかも知れぬ。

  わざと、黒い霧の軍隊を見せつけて、な。」

 マヤリス妃の手紙は、人々の手を一巡した。

 誰が触れ、読んでも、何も起こらぬ。シシィでも、どうもない。

 だが、再三度、ケルビンが手にすると、途端に、

キラキラと光り出し、見る見る皺寄って行く。

 ケルビンは、オリザ姫が回復次第、セヴィリスを

呼び戻しに行こうと、考えた。

 場合によっては、自分が、アルフィーニ側に残っても良い。

 いや、すぐにでもここを発とうか。医術の心得ある、

セヴィリスの方が、オリザ姫には、役立とうか・・・

 ケルビンは、情報交換に忙しい人々の中で、

一人、思い迷い始めていた。

         続く


    クラブiconN10クラブiconN07iconN09iconN07クラブiconN10クラブ

 では、また、次回。(後書きは、お休みデ~ス)今日も、お越し下さって、ありがとうございました。

  

 





  

  
   

 

 



 

  



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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