2011年05月29日

ゴミ捨て場から玄関へ

ゴミ捨て場から玄関へゴミ捨て場から玄関へ





















 ウチの自治会のゴミ捨て場は、きちんとした金網小屋がありまして、家家家

その横に、少し土が露出していて、いろいろ雑草が生えてます。iconN12kao_16iconN12

 その中に、この花が咲くようになって、もう、何年かな? iconN10 iconN11 iconN10 iconN11 iconN10 iconN11

 去年、晩秋に、根っこ付きで、少し持って帰って、鉢に植えました。kao_01

 春。ご覧の通り。玄関を彩る、立派さに出世しました。icon22kao_22icon06icon12


    The  Song  of  Wind  (69)

       音符 小ねずみチュチュパは 麦の箱
         
         勝手に入って 食べ放題

         おなか一杯 眠くなり

         麦に埋もれて ぐうぐうぐう

 
         ゆさゆさ揺られて 目が覚めりゃ

         小ねずみチュチュパは 袋詰め

         麦と一緒に 運ばれて

         なんと 魔神のみつぎもの 


         ・・・・・音符

 小ねずみが、魔神の許から、捕らわれの猫の姫と共に

逃げて来ると言う、ただそれだけの、子供の歌であるが、

単調な節の割りに、長い。

 それでもシシィは、幼い頃に、繰り返し歌ったのか、

一度思い出すと、後は、全く淀みが無い。

 とうとう、終わりの方まで、止まらずに歌い切った。

       音符 猫姫様は 門番に

         金の小鈴を 手渡した

         小鈴の音色は 居眠りの

         魔法の呪文が 掛かってる

         
         門番眠った その隙に

         チュチュパと猫姫 大脱走

         麓へ向かって 駆け降りて 

         おうちへ無事に 着きました音符

 「どう、この歌やろ?合ぅてた?」

 シシィは、一音も外さず歌い終えた事に、自分でも、

大満足のようだった。が、半覚醒のセヴィリスは、

思いがけない事を言った。

 「・・・続き・・・」

 「え?」

 「・・・続きを教えて欲しいと、エルシーがせがむ・・・

  わからなくて、父さん、母さんに訊きに行くと、

  家がつぶれて、みんな死んでる・・・

  僕が、続きを知らないから・・・エルシーも・・・」

 シシィは、ソルダムを振り返った。

 出だしを知ってたのだからと、助けを求めたのだが、

ソルダムも、首を横に振った。

 「多分、そこまでで、終わりだ。

  続きは、ないと思う。」
 
 ケルビンやダルトンは、子供の歌から、遠ざかって久しい。

 困惑した表情を、浮かべるばかりだ。

 セヴィリスの口からは、人がましい声に代わって、

獣じみた吼え声が漏れ始めた。手足を、異様にバタつかせる。

 暴れ出す前触れだろう。ケルビンは、左手に右手をも重ね、

掌をかざすのではなく、直接セヴィリスの額に押し当て、

再び金縛り状態に、陥らせようとした。

 シシィが、慌てて止めに入る。

 「待って、待って。思い出したから。

  ええっと、あのな、続きはこうや。

  セヴィリス、よう聞いてな。

       音符 おうちへ帰った 小ねずみは

         父さん母さんただいま 言って

         家族みんなで 猫姫様も

         幸せに 暮らしましたとさ 音符

  な、わかった?

  みんな、幸せになったんよ。」

 セヴィリスの表情が緩んだ。

 「・・・聴いたかい・・・エルシー・・・

  みんな、幸せになったんだって・・・

  よかったね、エルシー・・・」

 ケルビンの、額を押さえつけていた手も、

ほっとしたように離れた。

 「深睡の術がかかった。後は、自然に目覚めれば、

  大丈夫だろう。」

 先刻までと違い、穏やかな深い眠りに、落ちたらしい、

セヴィリスを、ケルビン達に預け、ソルダムは、シシィを

船室から連れ出した。歌う時はいいが、シシィの声は、

喋り声も響きすぎる。そしてシシィは、お喋りだ。

 魔法の眠りは、邪魔しない方が、いいに決まってる。

 ソルダムは、シシィと甲板に上がり、次第に近づいてくる、

ウォラルトン港の、街明かりを眺めた。

 「夜中過ぎごろ、着くんやて?」

 「そうらしい・・・が、それより、シシィ・・・

  あの歌だが、あんな続きが、あったのか?

  私は、途中があやふやだが、最後は覚えてると、

  思っていたのだが、その後が、まだあったなんて・・・」

 「ああ、あれね。」

 シシィは、軽く肩をすぼめて言った。

 「急遽、作って歌とぅてん。即興で。

  何かもっと、『ちゃんと終わりました』みたいな、

  一節があった方が、確かに、収まりがええやん。

  それにセヴィリスは、怖い夢を、堂々巡りしてたんやろ。

  せやったら、なんか、ハッピーエンドな歌詞で終わったら、

  納得して、落ち着くやろって、思もたから。」

 ソルダムは、呆れると同時に、感心した。

 病める魂を癒す、伝説の歌の女神が、現実に

舞い降りた場面に、幸運にも、出会ったとさえ思えた。

 当のシシィは、海の夜風に吹かれながら、

最近の流行り歌など、口ずさんでいる。

       続く


 シシィ、好きです。icon06 icon06 icon06

 人物って不思議で、「これ、主人公!iconN37」って思っても、

なぜか、オーラがなくて、脇役に食われる場合があります。kao_15icon10

 シシィは、真逆。5人の引き立て役だったのに、いつの間にか

5人の先頭に立ってるkao_16。オリザ姫が、霞んでしまう。kao_6icon10icon10

 オリザ姫は、ちょっと鍛えないといけない。icon16 icon16 icon16 

 階段を、一人で上がり降りする練習のシーン・・・kao07(笑)

 作中の童謡iconN07は、オリジナルです。現存しません。

 ・・・て、いうか、JXに送る童話の、リライトです。kao_01

 先に、こっちでUPしちゃうかな・・・ま、いいや。kao_10

   では、また、次回。JXの為、ちょっと間が開くかも知れませんが、

      第一章最後の一波乱。お楽しみに。ハートicon30郵便icon30ハート

         今日も、お越し下さって、ありがとうございました

   
    




 



                      



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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