2011年05月07日

着物の作り方 その4

着物の作り方 その4
 袖底を縫います。

 その前に、袖口側の出来上がりポイントを、

 留め縫いしておきます。kao_16

 内袖同士、外袖同士が、それぞれ中表になるように重ねて、

 袂の長さ(+きせ分)の所を、4枚いっぺんに縫います。

 娘のは、安物で、薄いから、平気だけど、kao_01

 4枚重なると、縫いにくい時もあります。かめ かめ かめ

 あんまり、細かく縫わなくてもいいそうです。iconN12iconN13iconN12


     The  Song  of  Wind  (60)

 三つ首の一つを、傷つけられた怪物は、傷口だけでなく、

全身から黒い霧を、滲み出させて、ますます弱っていく。

 切りつけられた首は、もう持ち上げる力を失って、床に落ち

苦しげに、牙の間から、舌をだらりと出してしまっている。

 その声を聞き、ミランは恐怖に凍りついた。

 「今、喋ったよね?・・・人間なの?・・・これ?」

 「国王の、三人の妹姫たちだろう。

  厄介な物に、取り憑かれていたものだ。」

 「あの、水妖魔王と、どっちが大元なのだろう。」

 父親のモンティエ公爵を、城外へ送り出したジャドゥビスが、

引き返して来て言った。

 「わからぬ・・・が、このままでは、三王女の命も、

  怪物と共に、尽きるやも知れん。

  かといって、この凶暴さでは、手当てもできない。」

 残った二つの首は、怒りに吼え狂い、手当たり次第に

周りの物を、噛み潰し回っている。ミランは仰天した。

 「手当て?助けるの?この化け物を?」

 「王妹殺しの汚名を、着せられたくなかったらな。」

 しかしその時にはもう、城のあちこちからも、黒い霧、

と言うより、殺気立った翳りが現れて、怪物の周りに、

渦を巻きながら、寄り集まって来ていた。

 外の雨模様の暗さも相まって、城内は、夜闇より不気味な

暗さに支配されている。

 黒い霧は、それがその色のまま燃え上がり、炎となって

繭を形作るように、三つ首犬を取り巻き始めた。

 三人は為すすべなく、黒い炎の繭の中で、その動きを

弱めて行く怪物を、見つめていた。

 と、ケルビンが突然、

 「しまった!!」と叫んで、黒い繭状の渦に、飛び込んだ。

 慌てて、後の二人が続くと、渦の形は、ふわりと崩れ、

黒い霧は、文字通り、雲散霧消した。

 「あっ、いない!!」

 ミランが叫ぶより早く、ケルビンは、控えの間に駆け込んだ。

 隠し扉は閉じていた。

 「やられた!まだ上の、大物がいるんだ。

  水妖魔王も、三つ首犬も、自在に操っている、大元凶が!!」

 ジャドゥビスは、呆然と隠し通路の、閉じた壁を見つめた。

 「そんな・・・さらに上の、怪異の大元?」

 「やはりこの通路で、こちらから、墓陵島へ行かねばならない。

  敵は、まず水妖魔王。ペンテウス・デ・フォーンの死霊。

  これは、見つけ次第、切っても構わない。

  死ぬかどうかは分からんが、弱りはするだろう。

  最終的に、あの石棺に閉じ込め、私が封印する。

  第二に、三つ首犬。これは間違いなく、三王女の化身だ。

  『こんな姿』とは言っていたが、いかに正気を失っても、

  見知らぬ姿に、変わるものではない。あれは彼女等が、

  自分達を喩えた認識像だろう。一度、深睡の術をかけ、

  彼女等の心を、解かねばならないが、何分凶暴で・・・」

 ふとケルビンが言葉を切り、目の前の二人から、視線をはずした。

 眉根を寄せてはいるが、心なしか、表情が和やかだ。

 「シシィ、隠れてないで、出てきなさい。」

 驚いて振り返る二人の前に、悪戯っ子の様な笑みを浮かべて、

シシィが出てきた。扉の影に隠れて、話を終始聞いていたらしい。

 「伝説の通りやね。黄泉の国の三つ首犬は、歌を聴いて、

  寝て仕舞うんやろ?ウチの出番やん。」

 「そのつもりで、来たんだろうと思ったから、呼んだんだ。」

 ケルビンは、渋面を崩さない。

 「子供の絵本しか知らないから、簡単に思うのだろうが、

  ちょっと旅先で、ちやほやされたからと言って、

  いい気になるな。お遊びじゃないんだ。命に関わる。

  このまま、早く城から出なさい。いい子だから。」

 三つ四つの子供に言うような、父親の口調に、シシィは、

カチンと来たのだろう。むきになって、言い返し始めた。

 「そうやって、いっつも子供扱いする。

  そら、パパからしたら、子供やろけど、

  オリザ姫もドリスも、ウチより年下やねんで。

  ジャドゥビスかて、確か十七歳って言うてたやん。」

 ジャドゥビスは、素直に頷いてしまった。

 ケルビンは、メッと言う様に、シシィを睨んでいるが、

シシィは、怯もうとはしなかった。

 「手伝わしてぇな。地下の通路、通って、ソルダム達と

  合流するんやろ?そこで、三つ首犬に、歌、聞かしたんねやろ?

  できるって。大丈夫、自信ある。」

 「シシィ、お前は、あの怪物を見てないな。

  ミランでも、怯えて飛び上がったんだぞ。」

 ミランが、これには反論した。

 「怯えて無いわい!!ちょっと、驚いただけじゃん!」

 シシィは、ミランがどう飛び上がったかなど、気にもしない。

 「この人のオーバーなんは、パパより知ってるもん。

  それより、どうなん?手伝わしてくれるん?あかんの?」

 「伝説の通りなら・・・来てもらった方が、いいのでは?」

 ジャドゥビスが遠慮がちに進言した。逃げ足も速いし、

度胸もある。オリザ姫よりは、足手まといにならないだろう。

 ケルビンは仕方なさそうに、隠し扉に向かって念をかけた。

 小水妖がいないことを、気配で確認すると、壁を全開にする。

 「この暗闇を進むのだぞ。行けるか?」

 「ウチを誰やと、思もてんのん?闇の魔人の娘やでぇ。」

 魔力は、受け継いでいないが、プライドはある。

 シシィは、真っ先に隠し通路へ踏み込んだ。

 行く手は遠く、唯、闇だけがある。

         続く


 GW、お休みしました。kao08

 オヤジのお守りで。kao09 kao11 kao09

 昼ごはんが、困るんだな。kao_3麺類が、多くなると、ラーメン

 カロリーが超過するkao_16。私じゃなく、オヤジの・・・face03

 iconN23酒飲みでさけiconN22甘党でアイスカレー洋食好きでハンバーガー、メタボ一直線!だったから、kao_23

 ホント、大変です。皆様も、ご注意をiconN04

       iconN11icon06icon12コーヒーiconN22icon12icon06iconN11

 60回記念の、大サービス、じゃなくて、切れませんでした。

 長くてすみません。では、また次回。

       今日も、お越し下さってありがとうございました

 





  

  


 

  

 






 

  

 




 



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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