2011年04月09日

かわいそうなすみれ

かわいそうなすみれ
 とうとう、こんなになっちゃって・・・icon11kao_18icon11

 土が合わないのか、害虫がいるのか・・・かたつむりありicon10

 何回植えても、種を蒔いても、根付かない。iconN12iconN10iconN12

 とうとう、一本だけになっちゃって・・・kao_20慌てて、植木鉢に移しました。

 一番、害を為したのは、我が夫。icon07icon08icon07

 花が咲いてない時期は、雑草と見分けがつかないから、

 みんな、引き毟ってしまう。kao_23iconN30挙句の果てが、この有様kao_12・・・

 全滅したと思いましたが、かろうじて・・・どうか、元気になりますように・・・ハートicon01ハート


     The  Song  of  Wind  (47)

 「回りくどい話は、やめよう、公子よ。

  すべてを明かして、協力を仰がねばならぬようじゃ。

  さもないと、借りを作ることになる。よいかの、姫?」

 ダルトンは剣の銘文を見て、全てを見通したらしかった。

 「こちらは、ラゥオールフィア王国の世継ぎ姫、

  オリザ・アンジェリカ王女。」

 この時のミランの顔ほど、青くなった物は、

他にあまりあるまいと思われた。

 知らぬ事とは言え、未来の女王陛下を

ナンパしようとしたのである。命のあったのが、

この世の不思議と言わねばなるまい。

 だが、ソルダムは眉根一つ動かさなかった。

 つかつかと、王女の御前に歩み寄ると、

一点の迷いも無い優雅さで跪き、思わず、反射的に

差し出してしまったらしい、相手の右手を押し頂くと、

礼儀正しく接吻け、元の位置に返させた。

 「姫、こちらは、バルツァード王国国王、

  ソルダム・オヴィディオ・バルツデリウス三世陛下で、

  あらせられる。此度の騒動、収めるにあたって、

  この方のお力添えをいただければ、これほど確かな物は、

  無かろうと存ずるが?」

 ミランの顔が、今度は赤くなった。もっさりした、没落貴族の

おっさん位にしか、思ってなかったのだろう。

 「言ってよ!最初に!!」

 地団太踏んで、ミランが喚いた。ソルダムは、地面に視線を

落としたまま、ゆっくりと立ち上がった。

 「その名で、再び呼ばれる時が、あろうとは思わなかったので・・・」

 「公子よ、いかがかな?」

 ジャドゥビスは、ぼんやりと呟いた。

 「ノビリアの宮廷で聞いた・・・厄災に壊滅した国を見捨てて、

  国王が行方知れずと・・・この方が・・・?」

 初夏の午後の陽が、陰り始めた。建物の影が伸びて、

人々の足元に、夕風を送る。ソルダムは、今だ自身の元に、

届かぬ影の先端を見つめたまま、語り出した。

 「そう・・・私は逃げた。だから今は、王ではない。

  唯の私人だ。力添えなどはできぬ。」

 「では、言い直そう。貴殿の剣が必要だ。

  ご協力頂けぬかの。」

 「剣なら、ミランを使えばよい。意外な物の、

  使い手でもあったようだし。」

 「あの鎌の刃か?」

 「だめだよ。欠けちゃったもん。

  結構、ビミョウなモンなんだから。」

 ミランは、恨めしそうに一旦折りたたんだ武器を、

再び開いて見せた。硬い木の縁をつけた、二つに折り畳める 

三日月形とも言える、刃だけの鎌のようである。

 「伝家の宝刀か?」

 「でんか・・・なにそれ?そんな偉そうなモンじゃないよ。

  物置で見つけて、自分で研ぎ直して、調節して、

  練習したんだ。百発百中だぜ!」

 パン、と、ミランの頬が鳴った。ソルダムが平手で打ったのだ。

 「・・・なに?」

 痛いほどではなかったらしい。鳩が豆鉄砲を

喰ったような顔をしている。

 「決闘の作法は、教えたはずだ。女騎士殿に傷を負わせてたら、

  今頃お前は、手打ちに遭ってる。」

 「だって、蹴り、入れられたんだぜ。向こうの反則じゃん。」

 「向こうがやっても、自分はせぬ位の、気構えが持てぬなら、

  戦士などと名乗らぬ事だ。公子殿、お聞きの通り、この男、

  鈍ら一つを腰にして、『紅蓮の魔戦士』を名乗っていたが、

  あながち、嘘でもなかったようだ。剣は、一通り教えた。

  あとは、あの鎌を直してやれば、使いものになるだろう。

  本人に、その気があるならば、雇ってやってくれ。」

 それだけ言うと、ソルダムは、シタールと大剣を背負い、

荷と上着を抱えて、今にも立ち去るかに見えた。

 「また、逃げられるか?王よ。自身の運命から。」

 「王ではない。最早、国では、私を王とは言わぬだろう。」

 「左様でもなかったぞ。国難を見捨てたとて、

  怨嗟の的になり、人々にこう言わしめておる。

  『王は逃げた。我等は逃げぬ。』とな。

  民の手で見事復興し、逃げた王を見返すのだそうな。

  そなたの背には、幾多の民の憎しみが掛かっておる。

  この場を去っても、この憎しみから、逃れられはせぬぞ。」

 突然ソルダムは、険しい目で、皆を振り返った。

 「この場にとどまれば、サフィールが救われるとでも言うのか。」

 「とどまりはせぬ。次へ進むのじゃ。そなたの民が進む様に。

  丁度の頃合いだったの。向こうも、話がすんだようじゃ。」

 表通りから、黒馬のアルフィーニを引いた、シシィとケルビンが

皆を探し当てて、近づいてきたところだった。

          続く


 kao_01すみませんiconN04 借景は、一切しないつもりだったんですが、

やっちゃいました。kao_15宮廷作法なんかに、明るくないもんで・・・

 グインサーガのどこかに、同じシーンがあります。とら

 ソルダムの、貴婦人に対する作法・・・kao_19iconN08

 それと、ミランの「飛び鎌」ですね。iconN09

 隆 慶一郎著、「捨て童子 松平忠輝」からです。kao_01

 あれも、時代劇に見えて、すごいファンタジーだから、

もう、文庫本3巻、ぼろぼろです。kao11icon10

 もっとも、グインサーガだって、他の神話から、部分的に引っ張ってきてるし、

タニス・リーの「闇の公子」の一節と、夏目漱石の「夢十夜」の1つが、なんとなく似てるし、

               iconN11icon12ダイヤicon12iconN11

芥川龍之介だって、リライトしてるけど、「鼻」も「芋粥」も元は古典だし。

 ・・・で、勘弁してください。kao_6icon10

        今日も、お越し下さって、ありがとうございました。





  

  






 

 

  

  

  




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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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