ぶるんねん文庫

　お花の、二段重ねです。

　上を下と同じ作り方にすると、上の花の切り端が、

うまく始末できないんですよね。

　逆に、下を上と同じにすると、花びらが揃わない・・・

　下が揃ってるから、上のやりかたのをくっつけても、大丈夫みたいです。

　（そう言いながら、やっぱり全体が、揃ってない）


　　　　　　Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（２３）

　ラゥオールトンの港に、ジャドゥビス達がのった船が入ると、

たちまち港は、黒山の人だかりとなった。

　白い、瀟洒な造りの船は、モーズロードン王の所有だが、

ジャドゥビスは、国賓ではないため、警備も緩く、

噂を聞きつけた人々が、見物するには、格好の対象物だった。

　しかし、見物人の中には、自国の王女を、遠目ながら

見覚えていて、騒ぎ出すものがいるかも知れなかった。

　それでは、ひっそりと侍女の態で入城し、非公式な会見の場で、

そっと、国王夫妻にオリザ姫を引き渡す、という計画に、

齟齬をきたしてしまう。

　ケルビンが誘拐した状況から言って、王女の行方不明は、

表沙汰にはされていまいと、高を括っていたが、思わぬ所で、

支障が起こった。

　もちろん、オリザ姫が、侍女に変装するための衣装は、

用意してあったが、大勢の見物の前を、モンティエ公子ジャドゥビスが、

一人の侍女を伴って上陸すると言う図は、世間のどんな

誤解を招くか、知れたものではない。

　困り果てた公子は、サイカスから合流した衛士隊に加わっていた、

ドリスを呼び出し、嫌がるのを無理に、侍女のドレスを着せて、

さらに、顔を隠す薄衣を、二人共に被せて、見物の前を

歩かせる事にした。ドリスの不機嫌は、最高潮に達していた。

　モンティエ領から付いてきている、カインとティムが、

笑いをかみ殺しているのが分かるから、なおさら悪い。

　ドリスにとっては、一昼夜ぶっ続けの行軍訓練より、

辛く長い、数十歩の距離だったのに違いない。

　その上、近寄った事も無い、絹の総内張りの、

御料馬車に乗せられると、全身これ冷や汗という

体たらくである。

　「公子様、窓を開けてもよろしいですか？

　　息苦しくって・・・」

　そう言えば、昼間だというのに、なぜか窓には、

厚地のカーテンが下ろされ、馬車の中の明かりは、

小さなカンテラ一つである。ジャドゥビスは、かすかに、

違和感を感じたが、気にせず窓を開け放った。

　窓に覘いたジャドゥビスの姿に、見物がどっと沸いた。

　「お綺麗な公子様だねぇ」

　「ここの王女様とお似合いじゃないか？」

　「きっと、お見合いなさるんだ。」

　歓声に混じるそんな声に、オリザ姫は、頬を赤らめた。

　ドリスはそれどころではなく、急いで反対側の窓を開け、

　「あっ」と、声を上げた。こちら側は、街並みと、高台に城が望める。

　その城を、ドリスは震える手で指差した。

　「なんだ、あれは！？」

　「なにか、黒い霧の様な物が、お城を取り巻いて・・・」

　ジャドゥビスの目にも、それははっきりと見て取れた。

　が、オリザ姫は、さらに別の物を、その中に見たようだった。

　「霧の中から、何か・・・腕か、角の様な物が・・・まだら模様の、

　　気味の悪い・・・あれは何？」

　ジャドゥビスとドリスには、それは見えない。ただ、城が

もやもやとした黒霧に、覆われているばかりだ。

　「どうなってしまったの？私のお城は・・・

　　お父様は・・・お母様は・・・」

　オリザ姫の双眸に涙があふれた。

　　　　　　　　　続く

　いくらなんでも、ありきたりすぎる展開になってきました。

　三流深夜アニメですね。

　一つ分かったことは、ジャドゥビスが、『見た目悪くない』

どころか、相当の美形だって事で。

　って言う事は、今、この馬車の中、美男美女が、ひしめいてる。・・・

　私的に好きな光景です。少女マンガ育ちなので・・・　　

　他のメンバーの顔立ち、わざと書いてません。

　シシィが、小柄だという以外は。　　　　

　これから、化け物退治です。先に二人入ってるし。

　　　　　今日も、お読み下さって、有難う御座いました。

　　　　　　　　　　（漢字にしてみました）