2011年02月09日

つくりかた その十三

つくりかた その十三
 一日お休みさせていただきました。kao_10
 
 “The Song of Wind”の、序章が終わりまして、

やっと、第一章:南海の墓陵島に巣くうもの ・・・が始まりますので、

    炎 どくろ 炎 どくろ 炎

 ちょっと、一息・・・ icon12 iconN22 コーヒー icon12

 iconN11青い花iconN11の花びらの間に、白い花の下の、かがった所を

挟み込んで、縫いとめます。縫い糸が、外から見えないように、みざる

花びらのふくらみを利用して、隠すようにするといいと思います。kao_13


     The  Song  of  Wind  (21)

 ジャドゥビス達より、一足先にサイカスを出発した、

ケルビンとセヴィリスは、海辺の高い崖の上に建つ、

ラゥオール城を、海岸から眺めていた。

 「城内に潜入するんですか?」

 「しないと、始まらんよ」

 言うなりケルビンは、すっと何かに吊り下げられるように、

宙に浮き、城壁の一番外側の、回廊に降り立った。

 続いて、アルフィーニが天馬の姿で、セヴィリスを乗せて、

飛び上がった。が、その足先が回廊の、石畳に付くや否や、

その純白の常ならぬ姿は、ありきたりの黒馬に、変わっていた。

 セヴィリスは、アルフィーニの世話係を、させられていたのに、

この変身を知らなかったので、驚いて目を見張った。

 「今この城で、天馬の姿は御法度だ。

  彼女は、そんな事くらい分かっている。」

 「彼女?」

 「人語を解する生き物には、それなりの敬意を払う。

  それが、礼儀だろう。」

 「人語を・・・?いや、それより、雌だったんですか?」

 ぐるるる・・・と、黒馬が唸った。明らかに怒った声だ。

 「おまえ、ダルトンに、何を教わってきたのだ?

  場も星辰も、読み取る力は、超一級だと聞いたが、

  ・・・私の聞き違えか?」

 答えようと、口を開きかけたセヴィリスの頭を、不意にケルビンが

押さえつけた。人の気配がする。二人はすでに石柱の陰に

身を隠していたが、アルフィーニは、隠れようがない。

 どうしようかと、セヴィリスが迷い始めるより早く、

黒馬は、馬ではあり得ない角度で跳躍し、内庭の芝生に

着地した途端、今度は、ロバの姿に変じてしまった。

 そのまま、のんびりと草を食む振りをしている。

 建物の端を回って現れたのは、厨房の下役らしかった。

 アルフィーニを見つけると、おや、と立ち止まり、急に

足早になって、建物の戸口に向かい、おーい、と声を張り上げた。

 「さっき来た八百屋、ロバを一頭、忘れて行ってるぞ。

  どうしよう?」

 戸口から、中の声が聞こえてくる。

 「その辺に、繋いでおきゃいいよ。そのうち取りに来るって。」

 「連れてってやんなくて、いいんかい?」

 「明日、王妃様のご親戚の方がお見えで、非公式ながら、

  晩餐会があるんだよ。その仕込みで、忙しいんだ。」

 アルフィーニは、近くの立ち木に繋がれてしまった。

小役人が立ち去ると、二人は急いで駆け寄って、綱を解いたが、

城内での隠密行動は、アルフィーニを連れては無理だ。

 「悪いが、城の外で待機しててもらおう。

  このロバの姿で、人目につかない所で、隠れててくれ。

  人が見たら、連れてってしまうから。いいね。」

 アルフィーニは、本当に人語を解するらしく、一瞬だけ天馬に戻って

城外に出ると、崖下の草原に着地し、ちらっとケルビンを見上げると、

すぐに木々の茂みに駆け込んでしまい、見えなくなった。

 それを目で追って、ケルビンは、しまった、と思った。

 この、使えない、頭でっかちな法術家を、アルフィーニに付けて、

城外に放り出してしまうべきだったと、気づいたのだ。

 が、もう遅い。

 「行くぞ!」

 人気の無いのを見越して、ケルビンが駆け出した。ケルビンは、

城内を熟知している。セヴィリスは、置き去りにされないよう、

必死に付いて行くしかなかった。 

        続く 


 今日は、後書き風ではありません。

 この欄トップに、お休みしました、って書いてあるけど、

 実質、休んでません。

 休む心算で、空けてあったんだけど、そこに、別物をいれる

羽目になりました。その、食い違いの、言い訳です。

 この、お話、書ける時にダーっと書いて、2,3日分、作り置きにしてあります。

 1日に、2回UPしてもいいんだけど、ちょうど空いた日があったので、

入れたんですが、確認したら、食い違ってて・・・

 ここを急遽、書き直してるわけです。

 十代から独身時代は、宇宙人って呼ばれて、常識範囲外で

平気に生きてましたが、年とともに小心者になってきました。

 いいのか、悪いのか・・・

     そんな、さあですが、約若干名、見捨てずにいてくださる、

    方もあるようで、がんばりますので、どうか、見守っていてください。


   今日も、お越し下さって、本当にありがとうございました。   



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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