ぶるんねん文庫

　本当の、作り方写真なら、別の色の糸を使うんですよね。

　白地に、白糸・・・書きながら気がつく、お粗末振り。

　ごめんなさい！ｍ( _ _ ;)ｍ

　下側のかがり方が、大きい方と違います。

　お隣の花びら同士で、縫い合わせます。

　「その八」と比べて下さい。

　おわかり頂けますでしょうか



　　　　　Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（２１）

　次の朝早くに、ソルダム、シシィ、ミランの三人は、

巨大貿易都市、アルテミシア目指して出発した。

　一山越えるごとに、振り返って、遠ざかる北の山々を

眺めるソルダムに、ミランは、しつこく、

　「早く！先、行っちゃうよ！」

と、急かすのだが、シシィは、敢えて急かさなかった。

　故郷を離れる辛さは、つい一ヶ月ほど前に、自分が

味わったばかりだった。

　引き止める兄と姉を、振り切るように、家を飛び出したものの

早馬車に揺られながら、後ろに街並みが遠ざかるのを、

見た時の心細さは、言葉に代えられるものではなかった。

　まして、何かわだかまりを、抱えているのに違いないソルダムが、

峠ごとに足を止めるのを、無理に急かすのは、酷な事だと思うのだ。

　・・・ええやん、日ぃ暮れたって、強い用心棒がおるもん。

　　ちょっと、おとぼけやけど、ほんまに強いんやから・・・

　シシィがそう思うのは、もちろんソルダムの方である。


　港町サイカスに着いた、ジャドゥビス達一行は、

オリザ姫の身分を隠し、公爵家の侍女として、

国王差し回しの船に乗せることに、成功した。

ケルビン、セヴィリス、それに、ドラゴンのアルフィーニには、

そもそも船が必要なかった。闇の魔人を自称する

ケルビンは、生身で飛翔する技を持っていたし、

セヴィリスは、アルフィーニが背に乗せて行く手はずだった。

　二手に分かれる直前、オリザ姫は、ケルビンを呼び止め、

気力を振り絞るようにして、訊ねた。

　「もう一度、はっきり仰って下さい。あれは・・・あのお話は、

　　全部、嘘だったんですね。私を、ルテシアの騎士団長の

　　夫人にして下さる、と言うのは・・・」

　「そう、嘘です。」

　ケルビンの答えは、にべも無かった。

　「あなたは、王宮に居辛くなった時、自分を連れ出してくれる、

　　『白馬の王子』を夢想し憧れた。私は、それを利用した。

　　その点では、あなたも、あの怪異に影響されていたと、

　　言えなくもない。」

　「でも、本当に、奥様がいらっしゃるの？そんなにお若くて？」

　セヴィリスが、親切気に口を挟んで来た。

　「魔術師の見かけは、当てになりませんよ。

　　彼の年齢は、記録によると、百六十八歳です。」

　オリザ姫が息を飲んだ。ジャドゥビス達も驚いた。

　自分達と同じ位と思い、疑いもしてなかったからだ。

　バシッ、とセヴィリスのこめかみ近くに、青い火花が散った。

　「あ痛っ！」と、それを手で押さえるのを、ケルビンは、

鋭い目で睨みながら、「いらぬ事をべらべら喋るな！」　と、

わめいた。相当なお冠である。

　オリザ姫は、それで諦めがついたのか、大人しく、

ドリスに伴われて船上の人となった。

　その視線は、最早魔人を追ってはいなかった。

　すぐ隣には、いかにも貴公子然とした、公爵家子息がいる。

　そう思うだけで、充分だったのだ。

　　　　　　　　　続く

　序盤、クリアしました。予定通りに、全員出てきて、

勝手に飛び回りもせず、大人しく、出発してくれました。

　下書きの方は、酷いですけど・・・

　地名が問題ですよね。　　

お見せできるような、ちゃんとした地図が、作れないものだから・・・

　大まかに言って、全体は、西から東へ動いています。

　つまり、ルナンシアから東へ進むと、アルテミシア。

　サイカスから、海を東へ渡ると、ラゥオールフィアです。

　もう少ししたら、出会ってくれないと困るから、同じ方へ、進ませます。

　次回から、バトルシーンが増えそうです　。

　あんまり乱戦シーン、得意じゃないけど、がんばります。

　　　　　　

　　　今日も、お読み下さって、ありがとうございました。