2011年01月25日
そろそろ縮緬細工しようかな・・・

娘の七五三の時に、お揃いで作った、私の


・・・


なんにも入らないし・・・

The Song of Wind (9)
バルツァード建国以来、最も長い夜が明けた。
オヴィディオ王は、ポルトラーカ山中腹の台地に立っていた。
以前はここから、古いが、よく整備された街並みが見下ろせたが、
今、王の眼下にあるものは・・・
・・・・・満々と水を湛え、都市の大半を丸呑みにした、
化け物のような、巨大な湖だけだった。
たった一夜で、何もかもが崩壊した。
千年、歴代の王達が、心血を注いで築き上げた都が、
そこに住まう、人々の暮らしが、・・・いや、なにより、
幾多の命が、その湖底に失われたのか・・・
めまいがした。力が抜ける。体がのめる。
・・・・・だめだ、立ち上がらねば・・・・・
だが、その力は思うように働かない。
「ウワァーーーーーッ!!!」
突如、王は吼えた。
周りの者は、王が発狂したかと思っただろう。
すさまじい咆哮だった。
誰もが、無理もない、と思った。この一ヶ月余り、
不眠不休で働き続けた、その最後がこれでは、・・・
だが、思いのほか狂乱の時は短く、速やかに王は立ち上がった。
「王太后のもとへ参る。案内せよ。」
静かな表情で、そう命じた時、王の心は、まだ、より一層、
激しい感情の潮流に、翻弄されていたのに違いない。
だが、静か過ぎる言動からは、何一つ計り知れない。
やがて、かろうじて共に逃げ延びた女官らに囲まれた、
王太后の、形ばかりの御座所に着くと、王は、形式通りに跪いた。
立ち上がって、駆け寄ってきたのは、王太后の方だった。
「オヴィディオ、無事で・・・」
「母上も、ご無事で・・・何よりです。」
「そなたさえ無事ならば、バルツァードも無事ということ。
大丈夫、立て直せますとも。」
しかし、それは国王には、詭弁に聞こえた。
ノーザンハイランドで、唯一の平地が、水没したのだ。
政務所を置く場所さえ、不十分だった。王は、意外な者を呼んだ。
「ユーディス・タンベルド!そなたの父は、母上が隣国より
嫁ぎし折に、従って来たる者なれば、本国にはまだ、
領地も知己もあろう。母上をそなたに預ける。
母の余生を、故国で過ごさせてやってくれ。」
王太后は、驚いて凍り付いていたが、次の王の行動に、
表情を緩めた。王は、幼い女の子を連れて来ていた。
「母上、この子を頼みます。私が唯一救い得た命です。」
「そうか・・・おお、良い子じゃ、名前は?」
子供は、自分で答えた。
「ミリカ」
王太后が、子供を抱き寄せるのを見定めると、
王は立ち上がり、最後の命を下した。
「後の事は、父上が病の折に組織した、討議会に一任する。
母上、皆、大義であった。さらばだ!」
その場の誰もが、予想だにしないことだった。
留め得る者など、誰もなかった。王の心は、とうに折れて
しまっていたのだろう。王を乗せた黒馬は、まだ、
続々と避難してくる、人々の列を避けるように、駆け去り、
国境への道を折れ、見えなくなってしまった。
続く
えらく長くなってしまいました。すみません。


下書きノートでは、ゆうにこの3倍はありますが、


童話講座のおかげで、短くする


3人出てきましたが、主要人物ではありません。

因みに、「ミリカ」は、


ヤマモモの学名です。やま桃さん、ごめんなさい。m( _ _ ;)m

次回から、また美人剣士さん、登場します。

今日も、お付き合い下さって、ありがとうございました。
脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)
│ファンタジー