ぶるんねん文庫

　息子から、貴重なアドバイスが届きました。

　作り方を載せろって。特に、偽つまみ細工の、花飾り。　　

　でも、基本的な作り方は、縮緬細工の本を、立ち読みしてきて、

家で作ったら、できちゃった・・・っていう、状態なんです。

　もちろん、自分で工夫した点もあります。

まあ息子は、リボン状の布が、花型になるのを、　　

数学的に分析したいらしいから・・・\( ?。? )/

　別に、難しくはないです。細長く切った布を用意します。

　バイヤスか、横地がいいようです。

　長さは、縦が、作りたい花びらの大きさ＋５mm、

　横が、作りたい花びらの大きさ×花びらの数＋６mm

　あと、土台用に少々。布はこれだけです。


　　　　　　Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（１０）

　晩春の月夜の空は、大気そのものが光をはらんでいるようで、

　夜深まると、冷えが青白い風と共に、忍び寄ってくる。

　一ヶ月ほど前まで、ひどい大雨続きで、草原の青草は、

夜露をたっぷり含んでいる。野宿に向かない事、甚だしい。

　ジャドゥビス達一行は、首都ノビリアの王宮で、

国王の謁見を受けると、そそくさと宮廷を辞し、

南海の島国、ラゥオールフィアへ向かって出発した。

　もちろん、ドリスは従ってついてくる。

男三人に同行して、こんなに恐れを知らぬ女性も、

いるものかと、ジャドゥビスは、感心していたが、

いざ野宿となっても、勇敢さは、少しも変わらない。

町育ちの従者二人を、あごで使おうとする、強気振りである。

　ノビリアから南部海岸へは、船で、川を一日半下るだけだが、

長雨で起こった地滑りのため、船は通れなくなっていた。

　一行は、途中から陸路を採り、港町サイカスを目指したが、

人家の見えぬところで、日が暮れてしまったのだ。

　仕方なく焚き火をしても、湿った小枝や枯れ草は、

燻るばかりで、時折、思い出したように、爆ぜて、

火の粉を舞い上げる。それを珍しげに、目で追っていた

ジャドゥビスは、月光を受けて、月よりも純白に輝く、

異形のものが、天翔けて行くのを発見したのだ。

　「なんだ！あれは・・・！」

　それは、満月の夜空を、風切って飛ぶ天馬。

　ジャドゥビスが、思わず指差した方角に、反応したのは、

不思議な事に、ドリス一人だった。二人の従者は、

いぶかしげに、あたりを見回している。

　「ジャドゥビス様！あれは一体？・・・」

　ドリスと共に、満月を横切ろうとする天馬を、

見つめていたジャドゥビスは、驚愕の叫びを上げた。

白銀の、天馬の姿が月を翳らした瞬間、それは、長く、巨大な

黄金色のドラゴンに、変じてしまったのだった。

　　　　　　＊　　＊　　＊　　＊　　＊

　「姫、もう泣かないで下さい。お父上様も、お母上様も、

　　いつか、きっと分かってくださる日が来ますから。」

　天馬の手綱を取りながら、ケルビンは、

飛び立ってからずっと、胸元にしがみ付いて

泣き続けるオリザ姫を、懸命になだめた。

　その誠意が伝わったのか、ようやく泣きやんだオリザ姫は

薄い部屋着の肩をすぼめて、身震いした。

　「アルフィーニ、少し低く飛んで。姫は薄着だ。上空は寒い。」

　アルフィーニと呼ばれた天馬は、高度を下げた。

　ケルビンは、オリザ姫を抱きかかえ直した。

　「私の館は、まだ遠い。少しお眠りなさい。」

　ケルビンの顔が近づくと、オリザ姫は目を閉じた。

が、その唇は、オリザ姫の額に軽く触れ、

途端に、姫は意識を失い、がくりと頭をのけぞらせた。

　深睡の魔術にかかった姫の寝顔を、ケルビンは、

いとおしげに見つめていたが、思わぬ殺気に、

慌てて手綱を引き絞った。

　突然、アルフィーニの首筋ぎりぎりに、矢が射掛けられたのだ。

　　　　　　　　　続く

　また、長くなりました。ごめんなさい・・・＊＊＊で、切っても良かったんだけど、

ケルビンの名誉のために、早めに色恋でないらしい所を、書いておきたかったんです。

　でないと、自分的に落ち着かなくて・・・

　間が開いてますが、（１）の続きです。

前回の、王様が駆け出したのが、この一ヶ月前という事です。

　次回４人目登場させられるかな？がんばります

　今日も、お読み下さって、ありがとうございました。