ぶるんねん文庫

　夕焼けです。間違いなく！

　次男に確認済み。９月頃の網野町・・・丹後半島です。

　隣は、舟屋で有名な、伊根町です。

　長男が小さいうちは、よく行ったんですが、

次男は、一回しか連れて行かず、記憶もなし。

それが、自動車の教習合宿で網野町へ・・・

　ノスタルジーなんかないと思うのに、いい写真とってきてます。

ただ、メールの調子がイマイチ・・・多分、こっちが古すぎるんだな・・・

次男も忙しいらしいし、しょうがないです。


　　　　　The Song of Wind (2)

　ラゥオールフィアの王女誘拐事件の、約半月前。

星降る森の国の都に、小珍事があった。

　森の国の名は、モンティエ公国。

大公爵三男の、成人の儀式の真っ最中に、

突如、乱入者があった。来客ひしめく神殿に、である。

　それが、むくつけき無頼漢と言うのなら兎も角、

妙齢の美女が、鎧兜に身を固め、

いきなり儀式の、当の本人に切りかかったのだから、

列席者の肝を、拉ぐのには、充分の出来事だった。

　素早く身をかわしながら、儀式の本人、

ジャドゥビス・デ・ラ・モンティエは叫んだ。　

　「無礼者！！名を名乗れ！」

　「ドリス・ドルフュス！」

　女は、名乗った。が、十七歳の三男には、覚えのない名だった。

当然、虚を衝かれ、一瞬の隙ができる。そこへ、女は切りかかってくる。

　「知らぬな。知るはずはない、我が名など。

　　死せば、無名戦士に合祀されるだけの、しがない、一兵卒だ。

　　だが、一兵卒にも、名はある！　それを思い知らせてやる！！」

　儀式の最中ゆえ、ジャドゥビスは、飾り紐を巻き立てた宝剣しか、

帯びてはおらぬ。鞘が紐で留められているのだ。

　これでは丸腰同然、と見るや、ジャドゥビスは、祭壇に駆け上がり、

儀礼用の小刀を掴み取り、宝剣の、見事な結び細工の紐を、

ざっくりと、切り放った。鞘を払えば、真剣である。

　ドリスは、その様子を、不思議そうな目で見ていた。

どうやら、あまり、儀式や作法に縁のない育ちらしい。

　「仔細は承知した。が、ここでは立ち会えぬ。

　　後日改めて、場を設けるゆえ、それまで、控えよ。」

　ジャドゥビスは、この、跳ねっ返りの美女が、

この国の、身分制度に怒りを感じて、暴挙に出たとみて、

懐柔案を示したが、ドリスの腹心算は、全く違っていた。

　「今ここで、お前を討ち果たす事に、意味があるのだ！

　　なまくら貴族どもに、誰が本当の強者か、知らせてやる。

　　お坊ちゃま共を並べた、御前試合の優勝者など、

　　実戦で培った剣技の前で、何程の威力があるものか！」

　これでは、丸くは収まりそうになかった。だからといって、

ここで、列席者を危険にさらして、ドリスと果し合いをする気は

ジャドゥビスには、さらさらなかった。

　ドリスの技は、これだけの暴挙に出るだけあって、

相当なものだったが、あくまで、真剣勝負のみを、

念頭に置いている。ジャドゥビスは、その意識の裏をかき、

突然、ドリスの手元に飛び込み、組み伏せざまに、

剣をその手からもぎ取った。

　剣技に優れてはいても、男の体重にはかなわない。

冑を飛ばし、長髪を神殿の床に散らして、ドリスは叫んだ。

　「殺せ！　公爵の子息に切りかかって、無事にすむとは、

　　思っておらぬ。今すぐに、この首打て！」

　そのとき、神殿に従者らが駆け込んできた。

　「公子！　その方は、モーズロードン国王より

　　公子様への勅使にございます。　ご無礼なりませんぞ！」

　ジャドゥビスは、あきれてドリスを見下ろした。

国王からジャドゥビスに、直接の使者が来ることも

あり得ないし、勅使が刺客のように切り込んでくるとは、

一体どういうことなのか。

　ドリスは、ジャドゥビスに組み敷かれたまま、

プイッと横を向いた。なかなか、一筋縄では、

行かない女のようであった。

　　　　　　　　　　　続く

　すみません！長いですね。

ＴＰＯの説明が、一通り済めば、短くまとまってくると、思います。

　グインサーガをご存知の方なら、大体の世界観が、

お分かり頂けるでしょうが、書き手としては、一応、

プライドがあるので、借景は、しません。

ナリスも、双子も出てきません。

　だから、いちいち説明がいるんです。

もうしばらく、くどくなります。ごめんなさい。

カタカナ・ザ・ワールドにしたくないので・・・

　　では、次回、誰が出るかな

　今日もお読み頂いて、ありがとうございました。