ぶるんねん文庫

　さあは、南草津に、何しに行ったのか・・・

　お菓子貰いに・・・？

　いや、肘と外反母趾の

　治療のはずなんだが・・・

　さあが持って行くのは、

　スーパーの袋菓子だってば。

　こんな上等の「おため」貰っちゃ、

　いけないんだよ～～～

　随分玄関先で押し問答したんだけど、

　次の患者さん見えてたし、

　結局貰っちゃいました。　


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（４０３）

　パストリアの都、カシュール。

　昨年夏に訪れた時には、ひっそりと身分を隠し、

密命に緊張しての訪問だった。

　季節はずれの雨が降り続き、ぬかるみと雨だれに、

濡れそぼって、鉛色の空の下を、歩き回ったものであったが、

この度は、気候も申し分なく、華々しく、国賓としての訪問、

アルテミシアまで、パストリアから遣わされた出迎えは、

総勢百名を超える大行列であった。

　余りに仰々しかったが、仕方がなかった。

　長きに亘ったルテシアとの戦は、マヤリス妃懐妊の

慶事にあたり、休戦協定が結ばれ、一時的にせよ、

パストリアには、平和が訪れていたのだ。

　オリザ姫の父王は、婚約を解消された妹姫達の為、

必死の奔走の末、ラミア姫をフリティラ大公妃に、

リリア姫をナタレンス公の後添えに、ルシア姫を

ヴェスター伯爵家へ、元通り輿入れさせるよう、

段取りに成功したのである。

　サリックス近くを通った時、ジャドゥビスは、

セヴィリスのために、行列を一時留めた。

　セヴィリスの故郷の村は、今は、土塁の向こうに隠れ、

近づく事は叶わなかったが、ダルトンの仮小屋は、

弟子達の手入れで、質素な佇まいが保たれていた。

　その裏庭の、薬草畑の片隅に、石碑とも言えぬ、

ただの自然石を立てた、墓標の如き物がある。

　セヴィリスは、その石を、他の弟子達と共に退かし、

小さな木箱を埋めた。

　ナタレンスで客船を待つ間に、急ぎエリオルムへ飛び、

引き取って来た、師ダルトンの遺骨の一部であった。

　後の遺骨は、遺言どおり、ムルトの墓地へ納める。

　石を戻し、野花を手向け、セヴィリスは立ち上がった。

　弟子達の群れの中に、二本の長杖がある。

　後事は、引き受けてくれる事だろう。

　前回は、辛くて、眺める事が出来なかった景色を、

セヴィリスは、じっと、馬車の窓から、見入っていた。

　緑濃い穀倉地帯の、豊かな風景が地平線まで続いている。

　・・・戦がなければ・・・

　貧しい、その日暮らしの、水飲み百姓としての一生を、

何も考えずに終わっていただろう。

　戦があり、悲しみと苦しみの果てに、今の自分がいる。

　・・・サリックスの見者・・・

　その名は、ドレイオンの謎を解いた法術師として、

既に、パストリアにまで届いていた。

　だが、都カシュールの、瑠璃宮と呼ばれる、

青紫の瓦を葺いた王宮では、セヴィリスの扱いは、

依然、一介の法術師に過ぎなかった。

　　　　　　　　　続く

　さあが、南草津にお菓子持って行くのは、息子達が出て行っちゃったから。

　家族の口の数が減れば、お菓子を買う、量も種類も減っちゃう。

　女って、買い物が好きなんですよ。でも、おいしそうだなって思っても、

　息子達に買ったって、送るのに、送料がハンパじゃない。

　長男・北海道、札幌。次男・福岡、久留米市。

　送料で、もっと買えるじゃない。それなら現金で送るよ。

　でも、詰まんないでしょ送金は、買い物じゃないもん。

　だから、所有欲を満たす買い物の、名目が立って、ついでに自分の分も買って、

　お味見もして、お包みもして・・・デパート勤めしてたから、お手のモンです。

　つまり、楽しんでるんですよ。この一連の作業を。

　だから、おばさんは貰って欲しいんです。遠慮なさると、楽しみが減るんです。

　脇先生が、お酒苦手だそうなので、当分糖分（洒落っ）主流ですが。

　大丈夫。息子達には、ちゃんと折々送ってるから。ハムとか、ジュースとか。

　ではまた次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。