2013年09月21日

風の歌 395

風の歌 395 ピンクの百合の野原。

 わーーーっ、と、叫んで、

 駆け回りたい所ですが、

 立ち入り出来ません。

 何より、草丈が高い。

 1メートル位はある。

 それに急斜面だし。

 さすがに元スキー場。
 
 百合園シリーズ、携帯のアルバム見て、もうないかな?って。

 あるんだけど・・・オヤジのシャシンが・・・face07

 kao09載せてどうするiconN04iconN05iconN04だから、載せません。kao_01ご安心を・・・ 

    The Song of Wind (395)

 「何をされますか!!」

 ハズリックが叫び、その腕を捕らえて止めた。

 「聞いただろう?黄金の牢獄へ続くのは、

  緑の階段だ。私が行く。

  万が一、間違っていて、百目獅子が襲って来ても、

  私ならば、切り抜ける自信がある。」

 ソルダムは、腰の長剣の柄に手を掛けた。

 上で待つ、御付きの者達が、口々に喚いた。

 「なりません!!陛下が御自分でなど、許されません!

  その法術師に行かせなさい!

  責任と言うものがありましょう!!」

 それは正論であった。

 「ソルダム!ダメだ、僕が行く!皆の言う通りだ。

  自分の持論は、自分で証明する!」

 セヴィリスも、ソルダムの前に立ちはだかった。

 ソルダムは、それを押し退けようとした。

 「四つの箱の謎は、セヴィリスが解いた。

  だが、その謎と、この四つの螺旋階段を

  結びつける考えは、私のものだ。

  先の言葉、そのまま返すぞ。

  私の持論は、私が証明する!

  分かったら、そこを退くがいい。

  記憶の回廊で、ジルコニアスは、私に財宝を託した。

  牢獄を開けるのは、私でなければならない・・・」

 強く肩を押され、セヴィリスは、よろめきつつ道を開けた。

 セヴィリスと共に、立ちはだかっていたトゥモーロスは、

その気迫に負け、道を開けざるを得なかった。

 王の足が、翠緑石の、最初の段を踏んだ。

 低い地響きが起こり、驚くべき速さで、黄金と紫と水鋼玉の

階段の入り口が閉じた。黄金の床の亀裂は一つを残して、

跡形もなく閉じて、なくなってしまった。

 残された三人は、どれほど、共に緑の螺旋階段を

降りたいと念じた事か。だが、複数人が降りることで、

不都合が起こるかも知れず、その恐怖で、だれもが、

その場を動けなかった。

 ソルダムは、螺旋階段を降りた。

 どこから明かりが入っているのか、段の下部は、

降りるほどに明るくなって行く。

 螺旋階段は、長いものではなかった。

 程なく、下の床が見えてきた。

 宝玉を惜しげもなく、モザイクに敷き詰めた、

 贅沢極まりない床だった。

 他の三本の階段も、同じ床に届いている。

 ・・・どの螺旋階段でも、よかったのか?・・・

 しかしその考えは、間違いだった。

 最後の一段を降りる直前、突然、轟音が鳴り響き、

黄金と紫と水鋼玉の、それぞれの段の上から、

鋭い刃の束が、物凄い勢いで、落下して来たのだ。

 そこに人が立っておれば、串刺しは免れない。

 そればかりではなかった。刃の束の下の床が、

ぎりぎりと軋んで、ぱっくりと開いたのである。

 ふわりと一瞬、腐臭が漂い、床はすぐに閉じた。

 串刺しになった遺体を、地下深い穴倉に落とし込める、

恐ろしい仕掛けであった。

 ソルダムは、宝玉のモザイク床を踏みしめた。

 何事も起こらない。数歩前に、聖九峯をレリーフした、

黄金作りの両開きの扉があった。

 簡単なかんぬきで、閉じているだけだ。

 ソルダムの震える指が、かんぬきを外した。

 取っ手を思い切って回し、両の手で力一杯、扉を引いた。

 思わず瞑ってしまっていた、その瞼を、恐る恐る開いた時、

ソルダムは、我が目に映る物を、信じる事が出来なかった。

 そこにあったのは・・・

 百・・・恐らく百個の、眼球に見立てた宝玉を、隙間ないほど

埋め込んだ、漆黒の、黒虹石を彫った、巨大な獅子の像だった。

 ・・・それだけではない。

 記憶の回廊で夢に見たとおり、ありとあらゆる金銀宝石が、

ひしめくように、詰め込まれている。

 床も壁も、天井さえも黄金で張り詰められ、天井近くに開いた、

数箇所の明り取りの窓から入った外光が、天井から下げられた

宝石の花々を照らして、部屋中を煌かせている。

 ソルダムは、つめていた息を吐いた。

 気付くと、段の上が、異常に騒がしい。

 「ソルダム!!何があった!?今の音は何だ!?

  無事なのか!?返事をしてくれ!!」

 ソルダムは、緑の階段の下へ戻り、上に向かって叫んだ。

 「正解だ!!サリックスの見者よ!!

  そなたの見た物は、やはり、常に正しいのだ!!

  皆、降りてくるがいい!来て、その目で見よ!

  これが、初代王の遺産だ!! 」

                  続く


 ああ、終わった。前回と今回、二回分ぶっ続けで、3連休、終わった夜中に、

 怒涛のように書き上げました。切る箇所見えず、少々長め。お許し下さい。

 何しろ、台風の前後は、なぜかパンが売れる。kao_4(9月16日)

 なんでやねんiconN04iconN04さあは午後からのパートだから、この度は、

 お客様が、「tenki_1それ台風だiconN04kao_16大変だiconN04」と、買出しに走る頃と、

 「tenki_2やれやれ、日の出台風すんだtenki_418。お腹が空いた。」と、買い物する頃とに、

 まともにぶつかった訳で、その忙しさといったら・・・

 それから2回分だよiconN06だれか、ほ~~めてっiconN04kao_22iconN04

 ・・・自分の勝手やんkao09kao_9kao09ではまた次回。今日もお越し下さって、ありがとうございました。



同じカテゴリー(ファンタジー)の記事画像
脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
鍵の掛かった部屋SP!?!
風の歌 410 ・・・最終回、そして次にやる事・・・
同じカテゴリー(ファンタジー)の記事
 脱・0円ファン宣言!!! (2017-07-16 13:33)
 大好きなのは、タロットカードの話 (2016-09-05 01:58)
 なんだかへんだな・・・ (2015-12-07 11:58)
 付け足し・・・Quarandolleってなんだ? (2015-09-09 09:21)
 ふしぎちゃん女子 (2014-02-19 00:01)
 あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!! (2014-01-18 00:00)

Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。