ぶるんねん文庫

　
　この記念すべき回に、

　何と言う地味な画像

　ピノの、キャラメル味の箱を開けたら、

　あら、ラッキースターピノ

　でも、さあのじゃなかった。

　オヤジのピノ。そうでしょそうでしょ、

　籤運悪いさあに、そんな幸運はない。

　いいんだ。食べたら、同じ味だもん。

　中に、特別に胡桃でも入ってるなら

　いいんだけどね。


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（３７２）

　大火傷を負ったケルビンは、直ちに僧院へ運び込まれ、

尼僧達の、手厚い看護の下に置かれた。

　シシィは、担架に乗せられて行くケルビンに、泣き縋った。

　「パパ・・・ごめん・・・ごめんな・・・

　　ほんまにごめんな・・・」

　ケルビンは、赤くはれた手で、シシィの頬を撫でた。

　「戻れたか・・・よかった。お前を失うような事があったら、

　　私は、シェレーネに、黄泉の国に入れて貰えぬ所だった。」

　「パパ！縁起でもない！」

　ケルビンは、軽い笑い声を立てた。シシィも、釣られて少し笑った。

　セヴィリスは、ずっと付き添って行った。

　尼僧達が薬や包帯を、次々運び込む。

　一つずつ、それを検分し、この火傷には、こちらを塗る、

この傷には、これを貼る、と、指図を加えながら、セヴィリスは、

尼僧達の右手を、注視し続けていた。

　そして、ケルビンの右足に、膏薬を貼っている尼僧の右手に、

目指す物を見つけた。

　・・・人差し指の、付け根のほくろ・・・

　しかし、尼僧は、すぐ横に立っているセヴィリスの方を、

見ようとはしなかった。あえて、そちらを向かぬようにしている。

　セヴィリスの心には、ヴィオリアの波動が、刻み込まれた。

　・・・もし、また、何かあったら、駆け付けるよ・・・姉さん・・・

　「お食事の仕度を致しました。どうぞ。」

　老いた尼僧が、セヴィリスを呼びに来た。

　廊下に出ると、無彩色の中に、赤い異国の長衣が、目を射った。

　アルフィーニが、尼僧と一緒に、迎えに来ていた。

　「会えたのか？」

　セヴィリスは、黙って歩き、やや視線を落とした。

　「頑固な姉弟だな。名乗ったって、咎めなど、あるまい。」

　あるまい、とは、思う。

　だが、名乗りたくないのであろう、過去を捨てた姉の心を

思いやると、名乗れなかった。

　・・・いいんだ。お互い、生きてるって、分かっていれば・・・

　この閉鎖された施設では、手紙も届くまい。

　でも、とも思う。法術をもってすれば、生死はわかる。

　・・・未練じゃ。法術師は、未練を持ってはならぬ！・・・

　ダルトンの声が、耳の奥に蘇った。

　「どうぞ、お召し上がりを・・・」

　尼僧が、食堂のドアを開けた。心配していたシシィが、

例の、よく通りすぎる声で、矢継ぎ早に、質問を浴びせる。

　それに返事しながら、セヴィリスの心は、どうかすると、

白く細い指で、包帯を操る姉の姿を、求めているのだった。

　　　　　　　＊　　＊　　＊　　＊　　＊

　ケルビンは、伊達に、「闇の魔人」なのではなかった。　

　一旬は掛かるかと思われた、大火傷も、四、五日経つと、

回復し始め、一節後にはほぼ治ってしまっていた。

　一行は、聖域を発った。

　春の兆しが、足を速めて、後を追ってくるようだった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第四章終わり　第五章へ続く

　ああ、終わった終わった

　もう、戦いのシーンは、多分ない

　皆様のコメント次第ですが・・・もし、もう一波乱、に、票が入っても、

　何千人規模の、大戦はない・・・はずです。あるかな

　続編とか・・・「龍の見る夢」？それとも、「魔法王子と、サフィール姫」？

　書きたい物、満載・・・つくづく生まれるのが、早すぎたんだと思う。

　２０年あとに、生まれたかったな。作家になりたいって言っても、

　親が、「いいよ」って言ってくれる時代に。本当は、バイオやりたかったんだ。

　砂漠に花を咲かせたかった。だから今でも、遺伝子の話、好きなんだ。

　ＳＦになっちゃった言い訳・・・昔の理系女子は、ただの「変人」でしたからね。

　　では、また次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。