2013年06月26日

今年の紫陽花

今年の紫陽花 毎年お馴染み、

 我が家のアジサイiconN10

 アジサイには、毒がある。

 全草、絶対大丈夫なのは、

 キク科とマメ科。要注意は、

 キンポウゲ科とナス科

 有名なトリカブトはキンポウゲ科

 ベラドンナやマンダラゲはナス科

 こう言う事、kao_10好きicon06・・・ある意味危ない人物・・・


    The Song of Wind (361)

 「あれを見よ!あそこに黒い霧を集めて、結晶から発した光条で、

  焼き殺すのだ!あの台座は黒い霧を固定する!

  分かったら、さっさと結晶を渡せ!」

 アネッサだった黒い霧は、ぶるぶると震える、黒い泥水と

化していた。しかし、その量は、僅かずつではあったは、

目で見える速さで、減少していった。

 「違う!あの台座は、黒い霧の、拠点的役割をするだけだ!

  一時的に留める力はある。それに、化けの皮をはがす力も!」

 ケルビンは、ニグを台座の上空へ誘き出した。

 ニグの姿が消滅した。

 「黒い霧の力を、主に、瞬間移動に特化する力を持つ物体だ。

  様々の形の物が、クァランドールのみならず、世界中に点在する。

  必ずしも、双方向ではなく、一方通行の物もあるようだ。

  エリオルムの大塔の物は、双方向に作用する物だが、

  あそこに集まった黒い霧は、アナトスの結界によって、

  それ以上、移動出来ない。長期間、あれを保持する事で、

  最終的に全ての霧が、あそこに集まり、捕らわれえて、

  動きを封じられると、アナトスは考えていたのだろう。

  ジルコニアス自身も、万一、捉えられていれば・・・」

 「そう。あの魔法使いは、己と同じく、魔、法、両術を修め、

  さらに、粒子状生命体の、高次元時空軸の超常力を、

  身につけた私を恐れたのだ。

  私が、世界中を放浪し、星々の果てまで出向いて、ようやく、

  真実の地を見出した時、そこは、異民族の物となっていた。

  だが、氷雪の民は、粒子生命体を、『夢魔』と呼んで恐れていた。

  私は王国を打ち建て、異民族を恫喝し、追い払った。

  『夢魔』の聖地を、魔法と、武力と、金品で、脅し取ったのだ。

  そして、王国を世継ぎに託し、私は、『創造者』への

  復讐に取り掛かった。自身の肉体を分解し、彼らと同化した。

  群体の一部となる事で、逆に全体を支配したのだ。

  だが、王国を建て、エリオルムを得る為に、鉱山を開発した事が

  仇となった。エリオルムは、鉱山町として発展して行った。

  私は、エリオルムから、人間を排除しようとした。

  そこへ、現れたのが、アナトス・リグストラムだった。

  魔法の実力だけならば、勝てた。

  だが、奴の計略は、巧妙の極みだった。私は迂闊にも、

  地底の廃墟と化した宇宙船に、奴を導き入れてしまった。

  奴は、死霊を墓所に封じる魔術を応用して、私を、かつて、

  私とサフィールが、何一つ、分からずに目覚めた暗黒の中に、

  封じ込めたのだ。・・・同胞の屍の中に、厳重な結界を張って。

  あの暗黒と屍の海から、脱出する方法は、ただ一つ。

  時空軸強指向性増幅器を利用する事のみ・・・

  アルダイスが、かつて樹海の民に教え、量産させた、

  あの『台座』・・・だが、それを使えば、今度は、大塔の結界に、

  封じ込められる事になる。・・・私は絶望した。

  闇の中で、私の憎悪は枯渇し、諦念が私を支配した。

  粒子生命体は、活動を停止し、休眠状態に入った。

  そこへニグが現れた。台座の指向性を解き、自由に

  ありとあらゆる所に、出没できる方法を、開発した。

  ニグは、粒子生命体に、新たな憎悪を与え、更に、

  『人』の心の内には、様々な憎悪が存在すると教えた。

  粒子生命体は、憎悪を食う為に、人を襲う事を覚えた・・・」

 黒い霧を纏った、白い面(おもて)に、一筋の涙が流れた。

 オリザ姫の高く澄んだ声が、呼びかけた。

 「ジルコニアス!悔いているなら、そう言って!

  あなたは、黒い霧そのものではないはず!!」

 オリザ姫の体を覆っていた、真珠色の女鎧が、ふわりと溶け、

その背に集まり、白く輝く翼となった。

 「善悪とかけ離れた存在だった、黒い霧に、憎悪を与え、

  意のままにしようとした・・・

  それを悔いているのなら、私の所に来て!

  あなたを、黒い霧から引き離します。

  この世を憎悪渦巻く、悪夢と混乱に陥れようとした、

  その罪を雪ぎ、正当な死者として、魂の道を行くのです。」

 オリザ姫の姿は、宙を飛び、一点でぴたりと静止した。

 そこは、あのヘキサグラムの真上であった。

 「黒い霧が私を避けるのは、私の中に、憎悪がないから。

  でも、それを知る事はできる。私は、憎悪の生まれ育つ、

  その瞬間と過程を知った。今なら、あなたの憎悪を理解できる。

  私には、あなたの憎悪を、受け止める事ができるのです。

  あなたが、黒い霧と、袂を分かちたいと、願いさえすれば、

  その思いは叶うでしょう。黒い霧は、あなたと離れて、

  あの台座に引き寄せられるはず。」

 「駄目だ!出来ない!!」

 ジルコニアスは、泣き喚いた。まるで、駄々を捏ねる子供であった。

 「サフィールの無念を、悲しみを、私は、癒してやれなかった!

  サフィールは、何も知らずに消えた。憎悪は、私一人ではない。

  サフィールの、そして、無残な死を遂げた同胞達、すべての、

  憎悪が、この身に宿っている!

  か弱い姫御前に、受け止められるか!?」

 ジャドゥビスとミランに、今にも圧し掛からんとしていた三つ首犬と、

手当たり次第に毒蜘蛛を投げつけまわしていた、蜘蛛男が、

一瞬で黒い霧に帰し、ジルコニアスの白い顔だけを、不気味に浮かべた

闇色の炎に吸い寄せられて行った。

 薄い紫色の光を纏い、真珠色の翼をはためかせたオリザ姫と、

それは、恐ろしいほど、対比的な姿だった。

                  続く


 ファンタジー系RPGに、ありきたりの、翼ある美少女。

 でも、オリザ姫の翼は、ユリシアが化けてるわけです。

 憎悪の化身、ジルコニアスを、受け止める存在としての、善良と愛情の権化、オリザ姫。

 最初の予定では、旅の途中だったから、服装がぴんと来なくて困った。

 冬旅用のごわごわ上着と、一見スカートのパンタロン・・・神々しいイメージと一致しなくて・・・

 それが、お屋敷から飛ばされて来る事になったから、ドレス姿って事になって、

 薄いばら色の布重ねの、普段用ドレスに、白繻子にビーズ飾りの室内靴。

 クリーム色モヘアのクロセ編み、デイジーモチーフつなぎのショールをかけてます。

 どうぞ、ご想像下さい。まるねこは、なかなかイラスト書いてくれませんので。

 では、また次回。きょうも、お越し下さって、ありがとうございました。


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