ぶるんねん文庫

　まるねこちゃんが、合宿に行ってる間に、

　お天気の配分も良く、

　植物は元気に、伸びて伸びて、

　使われない自転車に巻きつき

　２週間後が、この状態

　ヘクソカズラ。結構な臭いがする。

　秋には、蔓に金色の実がなって、

　それなりに綺麗ですが・・・

　いや、これを見たまるねこが、

　「あんまりや～～～」

　ゴメンってば。パパの車で見えなかったんだ。　　


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（３５１）

　「理解できぬか・・・予定より、技術革新が遅れたのか？」

　アルダイスは、集った者たちの顔を見比べ、ケルビンに、

じっと目を留めた。

　「そうか・・・そちらへ向かってしまったか・・・

　　意外だった。精神開発の法は、極秘にしてあったが、

　　どこからか、漏れたのだな。・・・仕方が無い・・・

　　だが、ここに、九人が集っている。ここまでは計算通りだ。

　　創造者の思惑は、終わりを告げ、我らの任務も終わる。」

　「いいえ、計算通りではありません。」

　ユリシアが、突然進み出た。

　「シシィがいません。私は、シシィではない。

　　あなたの計画は、齟齬を来たしている！

　　創造者は、この空間の次元構造の修正を、放棄しました。

　　ジルは、その決定を覆さんと、自身を粒子化し、

　　高次元粒子生命体と、同化してしまった。

　　あなたの計画は、既に修正不可能です。

　　新たな計算式を、構築する必要があります。」

　アルダイスは、驚きに、薄灰色の瞳を見開いた。

　改めて、全員の顔を見比べた。そして、溜め息をついた。

　そうしていると、人間と同じように、表情が動く。

　いや、人間そのものではないのか？・・・

　誰もが、そう感じた。アルダイスは、皆に聞かせる心算か、

独り言か分からぬ言葉を、呟き続ける。

　「そうか・・・少し、長すぎるスパンを、用いてしまったか・・・

　　星辰の満ちるポイントを探るのに、万全を期し過ぎた。

　　もう少し、早いポイントでも・・・いや、それでは矢張り

　　不十分だっただろう。」

　ジャドゥビスが、我慢の限界を超えたと見えて、

一気に、質問の嵐を発した。

　ここはどこなのか。あなたは万能万全の神「アルダイス」なのか。

　「創造者」とか「次元」とかの、聞き慣れぬ言葉は、何なのか？

　なぜ、バルツァード初代王と、アルダイスが、似ているのか？

　・・・　・・・　・・・

　アルダイスは、言葉を選ぼうとはしなかった。

　「人間への干渉は、創造者によって、厳しく禁じられている。

　　私は、その禁を破って、人間に、科学技術の手解きをした。

　　同胞達は、創造者の命に従って、ここを出なかったが、

　　私は、我々のプロトタイプが、我々より、遥かに未開状態で、

　　放置されているのを、見るに忍びなかったのだ。

　　同胞達は、ここに籠って救助を待ったが、全員、順次、

　　生命活動期間を終えた。このように、な。」

　アルダイスは、金色の杖の先で、広間を取り巻く、

幾つかのアーチを、指し示した。

　それらのアーチが、薄青い光を発した。

　アーチは、広間の周囲を、細かく区切っているが、

上部は吹き抜けである。光は、黒いドーム型天井を照らした。

　そして、光の中を、青く樹脂化した、人型の「もの」が、

ゆっくりと、上昇して来た。その数、八体。

　硬質な青い肌。白髪。閉じた瞼。どれも、驚くほど似た容貌。

　「クァランドール聖九神・・・」

　セヴィリスが思わず呟いた。

　「その通り。私を入れて、九人のクローン。

　　これが、この世界の神々の正体。」

　アルダイスが、皆の方に向き直った。

　　　　　　　　　　　　　　　続く

　ＲＰＧとしては、ありきたりの展開かも知れません。

　このストーリーの原型は、１９７５年に出来てるので、当時としては、

　画期的な思い付きだったんだけど、４０年近くの時間経過は、怖いですね。

　古代超科学文明なんて、ＳＦ好きには、常識になってしまいました。

　・・・私、古代超科学文明の記録が、残ってない訳が、分かってきた。

　誰もが、コンピューターの小型端末を、自由に扱い、何もかもがバーチャル化して、

　第一次産業さえ、実体を失ったせいじゃなかったのかな。

　人間は、電気信号を食べては、生きていけない。

　電気、又は、それに類する信号手段を喪失した時、人間は生きる手段そのものを、一瞬で失った。

　人類の種を保存する為に、記録信号を放棄するか。信号手段そのものを、

　エネルギー源にして、生態活動に利用できる生物に進化（退化？）するか・・・

　こう言う会話、我が家では普通。（ダンナはしない。）嫁婿来たら、おめめテンテンでしょうな。

　　では、また次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。