ぶるんねん文庫

　　　　　　　

　こう言うところに生えたものは、

　さっさと抜いちゃわないと、

　家が傷むから・・・分かってるんだけど、

　花の可憐さには、勝てない。

　どうせ初夏の頃には、枯れるんだもん。

　秋蒔き春咲き一年草。

　新しいつぼみがなくなったら、

　即座に抜いちゃう

　だから、それまで、もうちょっとだけ・・・


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（３５２）

　「火の神・フォルノス、ミルネア、水の神・デイオン、ゼア、

　　風の神・カストーレ、リュイリー、地の神ペリエレス、ネリネ

　　・・・そして、最高神アルダイス。

　　その昔、『真白き三日月』の畔に降り立ち、聖九峯を形作った、

　　九人の神々・・・」

　セヴィリスは、宙に浮いた、八体の青い遺骸を見回した。

　その名を諳んじてはいても、八柱を見分ける事はできなかった。
　
　やや、胸のふくらみの有無がある所を見ると、男女の別は

あるようだったが、顔立ちから、それは判別できない。

　「そのように言われるほど、彼らは何もしておらぬ。

　　創造者の命令に従い、ここから出ることは無かったのだ。

　　私達の航行機関は、粒子状生命体の大群体を追って来て、

　　操縦を誤り、この星の、この地に墜落した。

　　大気圏突入時、外周部は殆ど燃え尽き、中央機関部は

　　地上に激突し、爆発。大火災を引き起こした。

　　『真白き三日月』は、そのクレーター湖。

　　聖九峯は、爆発の衝撃で、大地が褶曲し形成された。

　　地殻変動は数千年間続き、私は、この星の住民に、

　　償いをする為、命令に反し、一人ここを出て、人々と交わった。

　　そして、禁を破り、持てる知識の殆どを、彼らに教えた。

　　だが、ここを出た私と、残った彼らの時間経過に、ずれが生じた。

　　私が戻った時、彼らは、生体活動の終わりに近付いていた。

　　手の施しようは、無かった。

　　私は、生命を終えた同胞達を、樹脂化して保存した。

　　・・・理由は無い。恐らく、寂しかったのだろう。

　　北方に墜落した部分には、凍結個体が保存されていたが、

　　損壊部分が多く、プラグラムに、変更を施す事ができなかった。

　　覚醒個体は、創造者からの指示を、待ち続けていた。

　　そのように、摺り込まれていた。彼らとの連絡は、

　　君達、プロトタイプとの会話より、遥かに不毛だった。

　　私は、星辰に図り、後事を託せる者の、誕生と来訪を待った。

　　凍結睡眠装置に、覚醒時期をセットして、私は眠りに入った。

　　計算通りに、事が運んでおれば、約百年前に、爆発的な

　　技術革新が起こり、粒子状生命体殲滅技術を扱える者、

　　九名が、ここを訪れる筈だったのだが・・・。」

　アルダイスは、じっと、ソルダムの大剣に目を据えた。

　「どうやら、凍結睡眠に入った事が、間違いだったようだな。

　　その結晶を持ち出したのが、ジル、と言う事か。

　　彼は、『船』を降りて、ここに来たのだな。

　　刷り込みが、実行されなかった個体が、あったのか。」

　皆は、無言だった。何を質問しても、理解可能な言葉で、

返答される見込みがなかった。

　かろうじてケルビンが、頭脳を振り絞って、食い下がった。

　「プロトタイプとは？我々が、『原型』とは、どう言う事か？」

　「私を見て、気付かないのか？

　　この三次元空間に、発生した生命体は、様々な形態を有している。

　　粒子状生命体は、それらの中で唯一、時空円錐に影響を及ぼす、

　　高次元時空軸を有する。創造者は、彼らの対極にあり、

　　三次元空間内で彼等を殲滅できる、有知性生命体として、

　　君達の祖先を選び、その遺伝情報で、私たちを培養した。

　　培養地が、紫外線の弱い星であったから、髪も肌も瞳も白い。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　すみません。全くＳＦと、化してしまいました。理科の苦手な方、飛ばしてください。　

　さあは、割り方、平気なんだ。医療系の番組でも、オペのシーンでも。

　うちのオヤジは駄目で、気持ち悪くなるんだろうな。せわしなく、チャンネルを変える。

　さあが見てようと見てまいと、お構いなし。札幌の長男も駄目。

　よく、看護師さんと、付き合う気になったな。確かに美人だけど。

　次男とまるねこも平気。次男の彼女は・・・どうだろう・・・

　　　　では、また次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。