2013年05月12日

和風チューリップ庭園

 
和風チューリップ庭園 石庭のチューリップ。
 
 無理に、オランダ風に植えた所は、

 きれいだけど、さあには面白くない。

 どうやっても、日本人の色彩感覚は、

 ヨーロッパ風じゃないから。

 あの突飛な色使い。砥波にはない。

 だから、オランダの真似はやめて、

 日本的チューリップ庭園にするべき。

 でも、中には、オランダっぽさを、

 求める人もいるだろう。

 キューケンホフでは、iconN05的な日本庭園を見た。砥波では、iconN06的なオランダ庭園を見た。

 いいのかなぁiconN05・・・いいんだろうなぁ・・・kao_4


    The Song of Wind (341)

 「シシィの歌に、導かれて・・・と言うのが、一番正しいでしょう。

  まだ、その時には、私は、自分の正体を知らなかったのです。

  あの石の台座に、あなた達を送り出し、私は、なすすべなく、

  地底にいた、大群体に吸収されてしまいました。

  私が、自分の正体を知ったのは、群体に吸収されてから・・・

  あの台座は、父が、封印として置いた物です。

  ジルが、二度と人の姿を、取り戻さぬように・・・

  でも、それが、かえって災いを呼び寄せてしまった。

  純粋なる憎悪の化身となったジルを、黒い霧と引き離す事が、

  できなくなってしまったのです。

  ニグが、父に弟子入りしたのは、黒い霧に同調した後でした。

  エリオルム大神殿の地底深くに、秘められた、謎の建造物。

  すべては、ニグが、そこを訪れた事に、始まるのです。」

 マヤリス妃の話は、ようやく、核心へと近付いた。

 ニグは、薬を売りに、エリオルムへ来て、大神殿に詣でた後、

神官達の隙を見て、南大塔の地下に入り、長い螺旋階段を発見した。

 それを辿って、不思議な地下建造物に、行き着いたと言う。

 そこには、殆ど石のように凝り固まった、「黒い霧」が、

 悠久の時を経て、ひたすらに眠り続けていた。

 厳重な結界を破り、ニグは、生来の魔力で、黒い霧を

揺り動かして見た。黒い霧は目覚め、ニグに、塔の上に、

捕らわれた、仲間がいる事を知らせた。

 中央大塔に、黒い霧の分身を見つけたニグは、その思考に、

驚いた。それは、「憎悪」を欲しがったからだった。

 産みの親に捨てられるように、薬使いの弟子として、里子に

出されたニグには、憎悪は、余りある感情だった。

 引き換えに、強い念動力を得て、ニグは、養親である親方を殺し、

財産を奪って、アナトスに弟子入りした。だが、アナトスは、

その力が付け焼刃である事を見抜き、修行半ばで、破門した。

 アナトスの下を去る時、顔つなぎ役として、コリンを引き込み、

自身は、魔力を隠して、法術師になろうとしたが、これも果たせず、

苦労の末、サフィール神殿に、神官として入り込み、

国王の信任を得るまでになった。

 しかしニグは、着々と裏で、バルツァード乗っ取りを企み続けた。

 サフィール神殿の神官長を志したが、叶わなかった。

 それを恨みに思っている事を、先王は知っていたのだろう。

 ガラノデルム神殿長の座を渡し、ニグは、一城の主となった。

 一方で、アナトスの元に、黒い霧の片割れが、魔石として

存在している事を知り、それを何とか我が物に出来ぬか、

画策を始めた。アナトスは驚愕した。

 憎悪に触れぬ、無垢なる黒い霧を、ニグに触れさせてはならぬ。

 アナトスは、己の寿命と、ニグの企みを天秤にかけ、

 幾重にも、阻止の罠を仕掛けた。

 ケルビンに第三子が生まれると知り、その子供に、

ジルに対抗できる波動を与えた。

 「なんだって?シシィの波動が、黒い霧に対抗する?」

 ケルビンが、飛び上がるように叫んだ。

 「黒い霧では無く、ジルコニアスに、対抗するものです。

  人の心を揺さぶる波動・・・」

 「ジルは、シシィに『サフィール!』と、呼び掛けてました。」

 ユリシアが証言した。ケルビンが、がくりと座り込んだ。

 「小さい時から、歌の好きな子だった。

  アナトスが仕組んでたなんて、想像もしなかった・・・」

 「サフィール・・・都の名。湖の名。名付けたのはジルコニアスだ。

  だが元々は、女の名だ。妻の名だったのか?

  ジルコニアスは妻帯せず、実子も無い。」

 ソルダムが、頭から、知識を引っ張り出した。

 「妻、ではなく・・・同胞でした。幼くして亡くなった・・・

  いえ、消滅した・・・」

 「消滅?」

 「そう・・・死ではなく、消滅のイメージでした。

  共に育ち、成長し、でも、消えた。理不尽な理由で・・・

  それゆえ、その憎悪も、また大きく深い・・・」

 マヤリス妃が、ぐったりと目を閉じた。

 セヴィリスが慌てて脈を診る。

 「今日は、もう無理だ。休ませて差し上げないと・・・」

 雪が、ようやく降り休む気配を、見せ始めていた。

                続く


 シシィは、サフィールの波動を植えつけられて、生まれたわけです。

 だから、シシィが歌うと、ジルが刺激され、ジルが同化している黒い霧が、

同調し、動き出し、それが、マヤリス妃を霧に戻した・・・と、なるわけ。

 シシィが歌い出したのは、ジャドゥビスが歌ったからだし、マヤリス妃の時空軸が、

ジャドゥビスの声を、シシィのいる、高次元空間に送り届けた。

 ・・・・・で、繋がってる。ちゃんと。icon06icon22kao_19icon06ではまた次回

        iconN07iconN08今日も、お越し下さって、ありがとうございました。iconN08iconN07
  



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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