ぶるんねん文庫

　

布花たち・・・

　寺子屋さんのご要望により、

　ヘッドドレスの次作に取り掛かってます。

　どこまで出来るか・・・神のみぞ知る。

　兎に角この間のと同じのは、作らねば・・・

　部品のデータは、取ってあるんだけど、

　このご要望って言うのが、

　「高級感を醸し出す感じで・・・」

　　・・・難しい・・・


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（３２１）

　「つまらぬ辞儀はいらぬ！

　　黒い霧はどうした！！質問に答えよ！」

　重ねて強く畳み掛けられ、神官長は、平伏したまま答えた。

　「お・・・お尋ねの儀が、解りかねます・・・

　　黒い霧とは、何でございましょう。」

　ケルビンは珍しく、短気な怒りを顕にした。

　「知らばっくれるな！！中央大塔の十二階層に、

　　二重の結界にて、閉じ込めてあった霧状異生物・・・

　　あれと同等のものが、ここ一杯になっていた筈だ。

　　やつの片割れが、この神殿の地下深くに、

　　隠されている事も分かっている！この、瘴気にも似た、

　　禍々しい波動が、そやつの物だという事もだ！！」

　神官長は、平伏したまま押し黙った。

　何かを知っており、隠しているに違いなかった。

　「奴は、空間の遠近を感じない。

　　遥か遠方から、手を伸べて引き寄せるように、

　　人や物を移動させる。

　　その力で、コパロスから、水軍を船に乗せる振りをして、

　　この北国に送り込んだのだ。恐らく、ニグに組してから、

　　最大規模の企みだった為、内側の結界が、

　　破壊されたのを幸い、捕らわれていた分を呼び戻し、

　　総力を持って、一軍を移動させたのだ。

　　距離を感じずとも、重量は感じるらしいからな。

　　丁度、そのタイミングで、霧に触れてしまった私は、

　　霧と共に、遠くコパロスへ、一旦、飛ばされてしまった。

　　だが、ここへ戻る為に、再び霧の中を通過し、確証を得た。

　　奴の本体は、ここにいる！

　　地下深く・・・人知れぬ、奥深いどこかに、閉じ込められている！

　　この神殿は、その封印だ！！」

　神官長が顔を上げていた。ゆっくりと膝を立てて、立ち上がる。

　「そこまでお分かりなら、深入りは、止めて頂きたい。

　　我々は、悪夢の時代の再来を、望むものではない。」

　「悪夢の時代？」

　ケルビンが、怪訝そうな声を発した。

　その間にも続々と、トルトバイト兵が運び込まれて来る。

　衝撃が軽かった者は、最早目覚めて、口々に喚き、騒ぎ立て、

未だ気付かぬ者を、正気づかせてしまう。

　「将軍！もう、入り切れません！どうしましょうか？」

　俄か部下に尋ねられ、ミランは困った。

　「ね、他の建物、使ってもいいのかな？

　　この塔じゃないと、具合悪い？」

　神官長が、代わって答えた。

　「東西の、二つの大聖堂を、使って下さい。

　　それで、収容し切れると思いますから。

　　味方の負傷者は、南東の神官の宿舎へ。

　　重傷者は、町の施療院へ。

　　神官達に、それぞれ案内させましょう。」

　　ミランは、指図の為に塔を出た。

　　入れ違いに、ゴードンが入って来た。

　　「ケルビン！やはり戻っていたのか！

　　あの凄まじい電撃は、お前だったのだな。

　　それより、グレイアムが亡くなったぞ。あの霧に触れて・・・

　　あの霧は、一体なんだ？俺達は、まだ説明を受けてないが。」

　その時には、もう、ケルビンは塔の外へ走り出て、宙を飛び、

中央大塔の、黒い台座の部屋へ、壁の裂け目から飛び込んでいた。

　そこには、オリザ姫が着込んで来た、毛皮のマントに包まれた、

グレイアムの亡骸が、ひっそりと安置されていた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　・・・と言う事で、暫く休みます。布花は、３月中に仕上げなきゃならないので。

　それと、もう一箇所、展覧会があって、成安造形大まで、行かなきゃならない。

　交通費が、大変だよ！！でも、音楽やバレエと違って、数日間はやってる訳で、

　無理に、休みを取らなくていいから、助かる。

　実は、電車の中は、格好の下書き場所。

　そういえば、病院の待合で、娘の検査を待つ間も、随分書けた。

　だから、復活後に、乞うご期待多分、３月３０日、土曜日分から、復活します。

　では、少々、間が空きますが、どうかお忘れなく

　今日も、お越し下さって、ありがとうございました。