ぶるんねん文庫

　
　自画像じゃないわい

　って言うだろうな。

　グループ展だそうで。

　「花のまにまに」

　京都、「楽紙館」にて、

　３月６日（水）～１０日（日）

　１０：３０～１８：００

　（１０日のみ１７：００まで）

　ポストカードあります・・・

　だ、そうです。

　テーマは、花札。なんでやねん。

　多分、描き難かったんだろう。

　娘のは、いい出来ではない。

　娘のが、です。他の方のは、上手だと思います。よろしかったら、お出かけ下さい。

　このギャラリー、和紙の専門店だそうですので、お買い物のついでなどに、お願い致します。


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（３１８）

　「師匠！！」

　辛うじて、息ある状態で、地上に降ろされたダルトンに、

セヴィリスは、泣き出さんばかりの声を上げて、駆け付けた。

　魔術の電撃は、自分に触れているものを、攻撃できない。

　自分も、衝撃を受けてしまうのだ。オリザ姫は、ケルビンから

聞いていて、知識があったのだ。

　それでも、よもやオリザ姫が、捨て身でニグに飛びつくとは、

誰一人、考えなかった。

　だが、オリザ姫は、闇雲に飛んだのではない。

　セヴィリスが、自分達の方へ向かって、飛行して来るのを、

確認してから、飛んだのである。

　恐らく、ダルトンも気付いていただろう。

　・・・オリザ姫は、セヴィリスが助ける・・・

　分かっていても、なお、ニグの電撃が、己の火球と入れ違いに

発せられたのを、避けることが出来なかった。

　毒の後遺症か、年齢の故か・・・

　「師匠！師匠！！」

　必死の呼びかけに、ダルトンは、やっとの思いのように、

薄目を開けた。物が見えているかどうかは、定かではない。

　セヴィリスは、長杖を投げ出して、その皺深い手を取った。

　「セヴィリス・・・我が息子よ・・・」

　アルフィーニが、周囲に、戦乱が迫ってない事を見取って、

ひっそりと人に戻り、その手に、二本の長杖を拾い上げた。

　「迷うな。思うまま進め・・・サリックスの見者よ。

　　ニグ・・・ダトゥールは、倒した。

　　次なる敵こそが、元凶であろう。

　　恐れるな。お前には力がある。見たままに信じよ。

　　お前の見るものが、常に真実なのだから・・・」

　アルフィーニは、長杖の一本を、セヴィリスの手に握らせ、

もう一本を、ダルトンの体の上に置いた。

　が、それは、音を立てて、地に落ちた。

　その手に、それを握る力は、残されていないのだ。

　「ケルビンよ・・・西の軍を、西へ帰せ。そなたにしか出来ぬ。

　　かの異生物に心通わせた、そなたにしか・・・

　　決して、後への禍根を残すな。それから、・・・王よ。

　　黄泉への、旅立ちまでの間に、わしが、必ず歌姫を探す。

　　だが、連れ戻すのは、そなたの役目じゃ。

　　風の方向を、よくよく見定めよ。それが、道標となろう。

　　龍の姫よ・・・後を・・・後を・・・」

　慌てて、アルフィーニが、ダルトンの傍らに立ったが、

最早、ダルトンの唇は、言葉を発する事はなかった。

　微かに、不規則な呼吸はあったが、それが止まるのは、

時間の問題であった。

　セヴィリスは、その師匠の手を己が額につけ、瞑目していた。

　それは、その死を悼む姿かとも思われた。

　しかし、ややあって、その手をその胸に置き、落ちたもう片手と、

組ませて、長杖を腕に抱かせると、セヴィリスは立ち上がった。

　「しかと受け取りました、師匠。最後の念視・・・
　
　　エリオルムの、聖域の、クァランドールの謎の糸口。

　　きっと、あなたの一番弟子・・・息子と呼んで下さった・・・

　　この私が、解明致します。

　　どうぞ、心安んじて、永遠の地へ赴かれませ。」

　神殿の方角からは、まだ、戦乱の喧騒が、途切れなく響いて来る。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　とうとう、仲間から死者が出ました。

　正確には、メンバーじゃないけど、主要人物ではありました。

　まあ、毒を盛られた時点で、死亡フラッグ立ってたね。

　・・・物語の登場人物で、「これは、途中で死ぬな」って言うのを、

　「死亡フラッグが、立ってる」って、言うんだって・・・

　このシーン書いてる時、「ひみつの嵐ちゃん」の録画を見てまして、

　八嶋智人が出てて、「ギャーッ」

　今しがた、火達磨にして殺しちゃった人物の、実体モデルが、ニコニコして、「嵐」に出てる

　ちょっとした、デジャヴ。ああ、びっくりした。では、また次回。

　　きょうも、お越し下さって、ありがとうございました。