ぶるんねん文庫

　
　家具系、第二段

　「コノカグ」という、家具だそうな。

　「コ」の字型の家具と、「この」という、

　代名詞で、掛けてあるんだな。

　ポスターの如く、組み合わせ自由。

　ただ、強度的に、どうかな

　さあは、本とか植木鉢とか乗せたいから、

　内側の「コ」の字が、大丈夫か、

　ちょっと気になる。

　キッチンハウス先生の所で

　木の話を聞くようになって、

　木のものが、気になるように

　なっちゃった。

　でも、組み合わせ家具は、

　結構長く使えると思う。

　割と好きです。

　丈夫なら、欲しいな。


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（３１０）

　ソルダムは、美しい銀線細工の短剣を、路銀に換え、

足に覚えのある裏街道を、必死に急いでいた。

　突然、目の前が暗くなった。

　悪戯で、後ろから誰かが、目隠しをしたようだった。

　驚いて振り返った。が、後ろも暗闇だった。

　・・・何だ、これは？・・・

　浮遊感が襲った。一瞬、焦りが起こった。

　・・・あの時と同じだ・・・

　純白の部屋から、星の海に投げ出された時の感覚だった。

　・・・何処かへ運ばれている？・・・

　微かに、詠唱が耳の底を打つ。

　・・・誰の声だろう・・・

　低い男声。高い主旋律の女声。

　ソルダムは、合わせて自分のパートを歌ってみた。

　男声の中では、高いテノールである。

　響きが重なった時、はっきりした。

　・・・シシィ！！・・・

　慌てて周囲を見回した。だが、四方いや、六方これ唯の闇。

　何も見えぬ。ただ、その中に、確かにシシィがいる。

　・・・シシィ！どこだ！！・・・応えてくれ！！・・・

　叫ぶ声は、闇に響いているのか、いないのか。

　確証がない。

　・・・シシィ！！・・・

　高い女声が遠のいた。別の女声が聞こえて来た。

　やや荒れた、高い目の男声が加わった。

　ソルダムは、消えたシシィの声を、追おうとした。

　が、体の自由が利かぬ。手足を動かしても、思う方向に、

移動しているのか、判別がつかない。

　・・・シシィ！そこにいるのか！返事をしてくれ！！・・・

　叫べど喚けど、シシィからの応えは、得られなかった。

　代わりに、唐突に重力感が戻った。

　ドスン、と、自重が足に掛かった。

　光が徐々に戻って来た。固い物の上に立っている感じが、

確かになった時、ソルダムは、周囲に人がいる事に気が付いた。

　驚いた目の人々。その中に、オリザ姫とセヴィリス、

アルフィーニ、それにダルトンがいた。

　ソルダムは、周りにいる、ミラン、ドリス、ジャドゥビスと共に、

例の、黒い石の台座の上に立っていた。

　そして、人ではない「何か」もまた、そこにいた。

　黒い霧。だがそれは、今まで散々に見た、禍々しい

濃い闇ではなく、消えかかる事に抗いながら、

儚く揺らいでいる。

　「マヤリス様！！」

　ジャドゥビスが叫んで、霧に駆け寄った。

　周りの全てが、その言葉に驚いた。

　が、霧はその闇色を薄めながら、足元の台座に、

次第に、吸い込まれ消えて行く。

　台座の線刻が、また、激しく明滅を繰り返した。

　いつしか、全身を打つ激しい憎悪の波動が、

蘇って来ていた。

　　　　　　　　　　　　　　続く

　えらい事になっちゃった。マヤリス妃が、黒い霧だったなんて・・・

　っていうか、こうなっちゃった。なんで

　自分でも分かりません。なんでなんだろう。

　一体、このファンタジーは、どこを目指してるんだろう。いや・・・自分では分かってる。

　当初の予定より、一段深いところを目指そうとしたら、ドつぼに嵌って、抜けられなくなった感じ。

　グイン・サーガの神様、これで合ってるんでしょうか。不安です。

　　　ではまた次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。