ぶるんねん文庫

　別に、誰のせいでもないはず

　冬なんだもん。（１・２８）

　でも、毎年、天気の悪い成人式が、

　朝こそ冷え込んだけど、薄曇だったり、

　今度、出掛ける予定（１月３１日）の、

　週間天気予報の晴れマーク。

　誰かが、コントロールしてるんだろうか

　さあだったりして・・・

　魔女修行は、ちょっと齧ったけどね

　・・・まさか・・・ね


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（３０６）

　マヤリス妃は迷った。魔力が戻る事への、恐れがあった。

　が、それとは別に、一つの、気掛かりがあった。

　「ヘルマンと申されたか・・・異変の欠片が、陛下のお足元に

　　隠れているとか・・・それは、城内に、と言う事か？」

　「はい。何故か、先刻まで、それが城内にある事に、

　　気付きませず・・・まるで、覆いの下に隠されてあった物が、

　　突然、取り出されたかのように、現れたのでございます。」

　「城内の、どの辺りか、分からぬのか？」

　「それは、分かりまする。中の丸、東の三の塔辺りかと・・・」

　ネレイド王は、アナトスの本を置き、長杖を取り直した。

　「城内に、怪異の侵入を、放置する訳にはいかぬ。

　　速やかに取り除かねば、な。」

　
　ネレイド王は、夜更けの城内を、東の三の塔へ向かう。

　ヘルマンをを露払いに立て、後ろから、マヤリス妃が無言で、

ついて来る事に、何も言わぬ。ちら、と、振り返っただけだ。

　長い、奥まった廊下の突き当たりで、ヘルマンの足が止まった。

　「この辺りかと・・・」

　目の前にあるのは、鉄鋲を打った、無骨な扉である。

　「ここは、禁足部屋ではないか。どう言う事だ？」

　近付く足音と王の声に、軋んだ音を立てて、扉が開かれた。

　看守らしい男が、鍵束をじゃらつかせながら、平伏した。

　「このような時刻に、尊い御方々の、突然の御運び、

　　不調法致しましたる事、お許し下さりませ。」

　看守の言葉は、作法通りに、御供のヘルマンに向かっている。

　が、ネレイド王は、単刀直入だった。

　「近頃に、ここへ人を送り込まねばならぬ揉め事は、

　　なかったように思うが・・・」

　看守は、畏まって直答せぬ。ヘルマンに促され、やっと答えた。

　「四日ばかり前に、一人のお方を、お預かり致しました。

　　何でも、本丸に、無断で立ち入ったとか・・・」

　「どこの、どなたを、お預かりじゃ。聞かされておらぬのか？」

　唐突に、女性の声で尋ねられ、看守は面食らって、

おもてを上げてしまった。そして、純白の部屋着姿の王妃に、

益々、面食らって焦り、ばたばたと、傍らの帳面をめくった。

　「ここに、記しましてございます。

　　南の国、モーズロードンよりお越しの、公子様。

　　ジャドゥビス・デ・ラ・モンティエ様でございます。」


　ジャドゥビスは、即座に禁足部屋を出され、客殿に移された。

　安堵のあまり、寝返りも打たぬほど、深く眠り、

急遽つけられた、従者を心配させたが、昼に掛からぬ程の

時刻には、きちんと起き出して来た。

　王と王妃が訪ねて来たのは、その直後だった。

　「よく、休まれましたか？」

　マヤリスは、王妃らしい口調で、ゆったりと尋ねた。

　「ありがとうございます。お蔭様で、疑いも晴れ、

　　久しぶりに、ぐっすりと・・・」

　「疑いは、晴れておらぬよ、南の公子殿。」

　ネレイドが、一刀を突きつけた。

　「何故、我が修行部屋に、入り込んでいたのだ？

　　何でもかんでも、ファーゴのせいにすれば、

　　よい訳ではあるまい。奴のせいだと言うなら、奴が、

　　どう関わったか、事実関係を、明らかにせよ。」

　ジャドゥビスは、質問を予期していた。

　四日の間、こう訊かれたら、こう答えようと、自問自答を

繰り返していたらしく、その説明には、淀みも過不足もなかった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く
　
　春が来たって書いた次の回から、いきなり雪景色

　何だろうね、このブログ。全然リアルタイムじゃない。

　それに、ちっとも話が進まないし・・・ジャドゥビスは、監禁部屋から出て来ましたが・・・

　ユリシアが何をしているか、ですね。マルヴィッツ夫人の別邸に、いるはずですが・・・

　　その内に、重要な役で、出てくるんでしょう。作者が吃驚するような、所から・・・・・

　　　では、また次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。