ぶるんねん文庫

　お休みです。でも、この雪・・・
　
　（１月２８日）

　早朝、小学生に付き添って、

　近くのマンション前まで、見送り当番。

　この辺の子は、雪用長靴を履く。

　子供時代、大阪では見た事なかった。

　でも装備がいいと、わざわざ

　雪だまりに突っ込んで行く。

　雪道の車は、まっすぐ走って来ないよ

　人間は、まっすぐ歩いて


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（３０５）
　
　女宮から本丸までは、かなりの距離がある。

　だが、隠密行動を好んだ、ファーゴ前参謀長が、数多い抜け道を

設けて置いた為、不寝番に遇う事無く、行き着ける。

　・・・よい事ではない。早いうちに、塞がねばなるまい・・・

　マヤリス妃は、細い通路を、か細い灯火一つで辿って行った。

　程なく、ネレイド王の私室へ近付く。

　似せ洞窟の修行部屋まで、ファーゴの隠し通路がある事を、

マヤリス妃は知っていた。恐らく知る者は、王とファーゴ、

後に気付いた、マヤリス妃のみであろう。

　岩窟に似せて作られた壁に、穴が穿たれた様に、

書棚が設けられている。

　無論、首はない。だが、そこに並べられた書物の内、一冊は、

懐かしい父、アナトス・リグストラムの著書であった。

　・・・これに、もしや・・・

　手にとって、硬く厚い表紙を開く。

　『・・・魔と言い法と言い、西域に於いては、仙と言う。

　　術は、幾通りもの名を持てども、根本は、これ、一つなり。

　　即ち、全宇宙に満てる波動と、自己の内なる波動の

　　共鳴を名付くるものなり。・・・』

　「何をしている！」

　マヤリスは、驚いて振り返った。

　後ろにいたのは、ネレイドであった。

　マヤリスは、悪びれた様子を見せなかった。

　夫の部屋に、妻がいるのだ。ネレイドの表情にも、怒りはない。

　「夢を・・・不吉な夢を見たのです。それを、読み解きたくて・・・」

　「だが、それは夢解きの本ではないぞ。」

　ネレイドは、マヤリスの手から、本を取り上げた。

　あっ、と、マヤリスは声を上げて、それを手許に、引こうとした。

　が、ネレイドは、意地悪気な目を、マヤリスに向けると、

パン、と、音を立てて本を閉じた。

　「魔力を、取り戻したくなったか？

　　よく、この本を探し出したものだ。」

　「・・・それも、夢で見ました。私には、何か、まだ、

　　課せられた使命が、あるのかも知れません。」

　ネレイドの、切れ長の目が、キラリと光った。

　「ヘルマン！！」

　濃紺のローブに、長杖を手にした、法術師が現れた。

　「この数日来、各地での異変を、感知したと言っていたな。

　　何処に於ける、如何ような異変か。全てここで述べよ。」

　　ヘルマンと呼ばれた法術師は、語り始めた。

　マヤリス妃の、負傷と帰国以来、北の山国で、怪異の波動が、

繰り返し感知されていたが、四日前、突然、波動の変異があり、

六つの欠片が、各地に飛び散ったと言う。

　飛び散った異変の欠片は、またしても、　再び北の地に集おうとして、

移動し始めている・・・。

　「恐れながら、実は、陛下のお足元にも、飛び散った欠片が

　　一つ、隠されておりまする。

　　今宵、なぜか急に、城内に隠されております事を、感知いたし、

　　ご進言申し上げる折を、窺っておりました。」

　ネレイド王は、マヤリス妃に聞かせようとする方が、主眼らしく、

王妃の反応から、目を離さずに、質問を続けた。

　「欠片とは何だ。何の欠片だ？」

　「申し訳ございませぬ。私には、欠片は欠片としか・・・

　　恐らくは、人かと・・・しかとは申せませぬが・・・」

　ネレイド王は、マヤリス妃に向き直った。

　「今の話、分かるか？

　　異変の分散とは何だ？ヘルマンは、波動を感知するが、

　　具体的に表す事ができぬ。

　　マヤリス、そなたに魔力が戻れば、それが出来るか？」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　ごめんなさい。説明ばかりで、話が進みません・・・ケルビンは、どこへいったんでしょうね。

　それに、エリオルム神殿に突如現れた、西方の大王国、トルトバイトの水軍。

　トルトバイトは、モーズロードンの西に、草原の自由国境地帯をはさんで、

大河、リピュアー川までを、国土にしてます。リピュアー川の向こうは、砂漠。

更にそれを越えて西域。北はノーザンハイランド山脈まで。

　リピュアー川に注ぐ支流、ウービス川沿いに、都、コパロスがあります。

　　・・・っていう風に設定しました。ではまた次回。なんとか、進み出して欲しいな。

　　　　今日も、お越し下さって、ありがとうございました。