2012年12月19日

書かない心算でしたが・・・

書かない心算でしたが・・・書かない心算でしたが・・・
 我が家の、東西。icon12ばらicon12雪景色を照らす、薔薇色の夕焼け。スペードicon04先週、寒かったもんね。icon04スペード

 でも、雪のない所で育ったせいか、雪空を見ると、心が躍る。あの暗い空に、ウキウキ。kao01face08kao01

 やっぱり、ちょっと、オカシイんだろうな。変人主婦の、さあでした。icon22kao_19ハート 


    The Song of Wind (295)

 コリンの片膝が、オリザ姫のベッドに掛けられ、その手が、

掛け布団を、引き剥ごうとした。

 オリザ姫は、布団の縁を、きつく握り締めて抗った。

 が、 枕の方に縮こまって座り込み、それ以上は何も出来ない。

 結局、深窓育ちである。

 こんな風に、本性を剥き出した男になど、出会った事がない。

 一人きりで、男の暴力に、対峙する羽目に陥り、

恐怖と嫌悪で、全身は硬直、戦慄を抑えられない。

 こんな事態を、想像した事が、無い訳ではなかった。

 旅に出ると決心した時、否、ケルビンに従うと決めた時、既に、

姫の脳裏には、幾らかの覚悟は、出来ていたと言っていい。

 ただそれは、共に旅する誰かが、と、しか、想像しなかった。

 妻帯者のケルビンは、最早、考えの外だった。

 ソルダムはシシィの事を、想っている。

 なぜか、ミランの事は、思い浮かばなかった。

 父王は、ジャドゥビスを、念頭に置いていたに違いない。

 そうでなければ、姫が旅立つ事を、許す筈が無かった。

 それなのに、知らぬ所で、見知らぬ男の、歯牙に掛かる・・・

 コリンの、もう片膝が、持ち上がり、長い腕が、ぬっ、と、

突き出された、その時だった。どっ、と、鈍い音がして、

コリンの体が、オリザ姫の膝の上に、のめり込んだ。

 鋭い悲鳴が上がった。声を抑える事など、出来なかった。

 コリンのいた所には、新たな人影が現れていたのだ。

 人影は、黒いローブのフードを、おもむろに下ろし、

コリンの体を、乱暴に、床に引き摺り落とした。

 コリンは目覚めない。完全に失神している。

 ローブの人物は、うやうやしく跪き、オリザ姫に頭を垂れた。

 コリンより、背は幾らか低い。痩せた浅黒い男だった。

 が、その態度は、微塵も、厭わしさを感じさせない。

 「南の姫君様、大事に至りませず、何よりで御座いました。

  お役に立てまして、この上ない、光栄で御座います。」

 「そ・・・そなたは・・・?」

 「これは、失礼を・・・申し遅れました。

  グレイアム・ハンソンと申しまする。

  いつも、ケルビンに、先に名乗れと言われますものを、

  つい忘れてしまいました。お許しくださりませ。」

 「ケルビン・・・では、そなたも、魔術師・・・」

 「はい。アナトス師の下で、魔術師のローブを許された、

  ケルビンの後輩でございます。」

 ようやく、オリザ姫は、落ち着きを取り戻し始めた。

 恐々と、部屋を見回す。立派な設えの寝室であった。

 「ここは、アナトスの館とか・・・」

 「はい、姫君様。

  私は、かつて、あなた様と、よく似た波動のお方様を、

  存じ上げておりました。先程、あなた様の波動を、

  感知した折、どれほどに驚きました事か。

  まさかと思い、急ぎ参りましたが、お助けできて、本当に、

  よろしゅう御座いました。・・・どこか、お怪我でも?」

 「いえ・・・怪我は、ありませぬ・・・が・・・」

 「それは、何よりで御座います。・・・しばしお待ちを。

  不埒物を、始末しておかねば。」

 オリザ姫は、慌てて起き上がった。

 「こ・・・殺すの?」

 「まさか・・・こんな事をしでかしても、一応、兄弟子。

  ただ、こやつには、厄介な者が付いておりますゆえ・・・」

 グレイアムは、シュッ、と、空中からロープを取り出すと、コリンを、

きつく縛り上げ、その長身の体を、ふわりと、宙に浮かび上げた。

 そして、台所に運び込むと、床の食糧庫の蓋を開け、

かなり大きなその中に、コリンを入れてしまった。

 かつて、大勢の弟子を抱えた館ゆえ、そこも、もとは、

食べ物で一杯だったのだろうと、思われたが、都合よい事に、

今は、空っぽであったのだ。

 グレイアムは、重い鉄の蓋を閉じると、手刀で、魔法陣を描いた。

 蓋は見えなくなり、床板に、完全に同化したかに見える。

 「一時しのぎです。ニグが付いているのでは、

  こんな術は、無いのも同然です。」

 「・・・ニグは、それほど強い魔術師なのですか?」

 オリザ姫は、アナトスの館を、我が家のように歩き回る、

グレイアムの後を、付いて行きながら、尋ねた。

 尋ねたい事が、山のようにあった。

                続く


 この手のシーンを、書かない心算でしたが、あんまり避けるのも、変かと思い、書いて見ました。

 ちょっと、オブラートに包みすぎた。下手だね。まあ、仕方ないか・・・

 制限なしの場所でなら、書くよ。男女かまわず。iconN04kao_16iconN04

 Juneの、Jun時代から、知ってるくらいだもん。iconN09kao_13iconN08

   ・・・ではまた次回icon12ダイヤクリスマスダイヤicon12

     ハートコーヒーハート今日も、お越し下さって、ありがとう御座いました。ハートiconN22ハート 


 



同じカテゴリー(ファンタジー)の記事画像
脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
鍵の掛かった部屋SP!?!
風の歌 410 ・・・最終回、そして次にやる事・・・
同じカテゴリー(ファンタジー)の記事
 脱・0円ファン宣言!!! (2017-07-16 13:33)
 大好きなのは、タロットカードの話 (2016-09-05 01:58)
 なんだかへんだな・・・ (2015-12-07 11:58)
 付け足し・・・Quarandolleってなんだ? (2015-09-09 09:21)
 ふしぎちゃん女子 (2014-02-19 00:01)
 あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!! (2014-01-18 00:00)

Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。