ぶるんねん文庫

　まるねこちゃんの絵が、

　ギャラリーに並びました。

　もう殆ど、押し売り状態。

　「頑張らせましたから・・・

　　どうか、お願いします！！」

　かなり強引に押しました。

　プロの方々、ごめんなさい。

　ただし一枚目、却下されました。

　そりゃ、そうだわ。親の欲目で見ても、あれは幼稚だ。まずは、一枚。

　２０歳なりたての、画家デビュー。優雅なイーゼルの上で、ちょっと恥ずかしそう


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（２８８）

　・・・あたたかい・・・？・・・

　ソルダムは、ぼんやりと辺りを見回した。

　ここがどこなのか、少しも分からない。

　雪もなく、北風も吹いていない。それでも、季節は冬らしく、

枯れ色の草原や、葉を落とした、木々の姿がある。

　・・・どこなんだ？・・・

　黒い霧に飲まれた時、微かに、この先にシシィがいる、と、

期待もした。だが、オリザ姫だけは、巻き込みたくなかった。

　庇おうと駆け寄ったが、紙一重の所で、間に合わず、

伸べた手も、虚しく宙を掴んだ。・・・と思った。

　気が付けば、冬枯れた、荒地の真っ只中である。

　オリザ姫はいない。他の誰もいない。

　だが、大勢の、人馬の気配がある。
　
　ソルダムは、魔力も法力も持たぬ。気配は、五感を打つ物だ。

　・・・いくさ場だ、ここは・・・

　血の臭いもあるが、数日は経っているらしい。

死者の片付けも、戦場荒らしも、済んでしまった後のようだ。

　・・・戦と言う事は・・・バルツァード対ルテシアか、

　　パストリア対ルテシア・・・クレーベスタ対モーズロードンは、

　　山間部の戦だ。こんな、平原ではない・・・

　ソルダムは、植生から、バルツァードではないと判断した。

　・・・パストリア対ルテシア・・・

　現在、最も危険な、戦闘地帯である。

　幾多の悲劇を生みながら、今なお、終結の見えぬ戦が、

繰り返されている。セヴィリスも、その被害者だった。

　果てしない野心に取り付かれた、ネレイド王は、

クァランドール皇帝に就く事こそ、叶わなかったが、

コーブリオン皇帝の座を主張し、各国間の小競り合いに、

一々、首を突っ込んでくる。その後ろに、実権を失いながら、

なお、強大な影響を、国王に与え続ける、ファーゴの影が、

いまだに、見え隠れする。

　・・・まずいな・・・

　パストリア側に行き会えれば、まだしも、ルテシア軍に

遭遇すれば、飛んで火に入る夏の虫。その身と引き換えに、

金鉱山の主だった所を、割譲させられてしまうだろう。

　・・・方角を確かめて、少しでも南へ行かねば・・・

　だが、空は、どんよりとした曇りで、日差しは見えない。

　・・・ルテシアへは・・・ヘリアンタへだけは、行ってはならぬ・・・

　本当は、北へ帰らねばならぬのに、北を目指せぬ。

　ソルダムは、その矛盾に臍をかむ思いで、歩き始めた。


　その、最も避けるべきヘリアンタにも、異変が起きていた。

　遥か南の国の貴公子が、突然,、王宮内に現れ、

たちまち、捕らわれてしまったのである。

　ジャドゥビス・デ・ラ・モンティエ。

　緑なす森の国、モーズロードン王国の、五分の一を領有する、

モンティエ公爵の三男で、つい先ごろ、ネレイド王の、

クァランドール皇帝就任を阻止した、一行の内の、一人である。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　額縁が売ってなくて、大変だった。既成の額は油絵用が主。この額は、賞状用。

　Ｂ４パネル用額縁は、美術用にはない。だから、パネルを入れる為に、裏に細工した。

　細い角材を貼り付け、パネルが収まるようにした。案はさあ。製作は娘。器用な子でしょ

　レースを貼り、色を塗り、元の焦げ茶の既製品は、ファンタジックな額縁に、変身

　時間とお金があれば、特注できるんだが、まず、時間がない。でも、一晩でよくやったよ。

　今度から、もっと早く描いてよね。額装、２週間以上かかるんだから。

　　　では、また次回。今日も、お越し下さってありがとうございました。