ぶるんねん文庫

　植えっぱなしのニラ。
　
　ネギって、薬味で使う事が多いから、

　根っこを植えておけば、便利だけど、

　ニラって、たくさん使う事が、多い。

　ちょっと植えても、使えない。

　「放っときゃ、増える」と思ったが、

　八百屋さんサイズの確保には、

　なかなか至らない。

　種を買ってない。自然増殖。

　でも、大分増えたな。もう、食べよう。


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（２８１）

　「ウチは、あほやった。待っとりや、って、ソルダムに言われて、

　　待ってるって、約束したのに、皆と一緒に、あっちこっち行って、

　　挙句の果てに、なんや、何もかもが信じられへんようになって、

　　一人勝手な事して、この有様や。

　　よう考えたら、当たり前の事や。王様がそこらの女の子に、

　　惚れ込んだからって、結婚なんか、できっこないねん。

　　それを、アクイラへ行って、ソルダムのお母さんに会ぅて、

　　ちゃんとした事、聞いたら、諦められる。そう、思い込んで、

　　一人で飛び出して、気が付いたら、こんな訳の分からん所に

　　迷い込んでしもた。もう、どうする事もでけへん。

　　死ぬまで、こうしてるより他ないのや。

　　でも、多分、死ぬ事もでけへん。」

　「・・・どう言う事です？」

　トゥモーロスは、再び腰を下ろした。

　シシィの言葉には、思いの他、重要な意味が含まれている。

　しっかり、頭を巡らす為には、腰を据えている事の方が、

座り心地より優先だった。シシィは、カンテラを取り上げた。

　「このカンテラの燃料。半分くらいやったのに、ちっとも減れへん。

　　ほんまやったら、とっくに燃え尽きて、消えてるはずや。

　　ここは、時間も、過ぎていかへんのや。

　　・・・そうや、今日、何日？あんたの、迷ぅた日は？」

　トゥモーロスは、指を繰った。

　「冬の旬の、三節目です。今年は、早くから大雪で、・・・」

　「雪・・・もう、半月以上も経ってるんや。信じられへん。

　　三日ぐらいかと、思ぅてたのに・・・」

　ソルダムが、シシィの後を追って、山道を北上、アルナス后のいる、

アクイラへ向かわず、テッセリムへ着いたのは、秋の下旬八節目。

　暦の冬を待たずに、北国に大雪が降ったのは、翌、九節目。

　高地のテッセリムは、他の地域のように、降り止む事が無く、

激しい猛吹雪に見舞われ、豪雪に襲われていたのだ。

　しかし山を下る事、たった一日。ここは雪もなく、寒さすらない。

　・・・この世ではない・・・

　王に同行していた闇の魔人は、シシィが、ニグの操る、

黒い霧に飲まれたと、言っていた。そして、王達を挑発する為に、

シシィから奪った、シタールを、わざと、王の目の前に置き去った。

　だが自分は、雪道で、シシィのカンテラの明かりを認め、

それを目指した。ならば、ここから外へ出る事も、出来るはずだ。

　とつおいつ、考えを巡らす横で、気付くと、シシィはずっと、

小声で歌を口ずさんでいる。

　それが、ふと途切れた。

　「なあ、あんた、どこ生まれ？」

　「は？私は、生まれも育ちも、サフィールですが・・・」

　「そやったら、なんか、サフィールの歌、教えてくれへん？

　　よう考えたら、ウチ、バルツァードの歌って、一個も知らへん。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　暦については、もう一回整理しましたので、次回載せます。

　では、ご飯の支度に、掛かりましょうか。主婦業は苦手だな。続きを、お楽しみに。

　　　　　　今日も、お越し下さってありがとうございました。