2012年10月31日

こごま便り 20

こごま便り 20 
 こごまちゃんです。ねこ

 どうしても、近くに来てくれない。icon10

 衝立の向こうに隠れて、

 さあが、どっか行くのを待ってる。

 「達磨さんが転んだ」をやってるみたい。

 さあが、ちょっと目をそらすと、みざる

 ぱぱぱっと動いて、出てきて、

 目さあが向き直ると、じっと止まって動かない。

 いい加減に、なついてくれないかなぁiconN05
 


    The Song of Wind (275)

 そこは、暗く狭い、外壁と聖堂の間の、隙間であった。

 何より驚くのは、あれほど、ぴたりと止んでいた、地下からの、

邪悪な波動が、再び、全身を打ち付けてくる事である。

 だが二人は、互いの感覚を、知らせ合うことが、出来なかった。

 身動きも、小声一つも洩らせぬ。遠隔話術など、以ての外である。

 薄壁一枚の向こうに、魔力ある神官が、自分達を探し出さんと、

動き回っているのだ。下手に、結界を張る事も出来ない。

 ケルビンは、屈み込んだ姿勢のまま、そっと、床に触れてみた。

凍るように冷たい、石の床だった。

 闇に強いアルフィーニの目が、じっ、と、その動きを追う。

 ケルビンの手は、石の継ぎ目を、なぞっていた。

 殆ど凹凸の無い、一枚岩に彫られた、線刻のような、細い継ぎ目。

 薄い隠し扉の、向こうの足音が、遠のいたのを見計らって、

アルフィーニは、何をしているかと、ケルビンに尋ねた。

 「・・・似ている・・・ディールヴァ城の、地下の石組みに・・・」

 大国ルテシアの、東の果ての城。

 恐らく、かつて樹海にいた、異教徒集団「森の民」が、更に東へ退く前、

古代に築いたらしい遺跡の、上に建てられた古城。

 その、基礎部分に当たる、遺跡の石組みを、ケルビンは、

滞在中、確かに頻りと調べていた。

 だが、北の果ての神殿に、どんな類似点があるだろうか。

 聖堂内の喧騒が、再び喧しくなった。

 二人は、またも、厳重に気配を絶ち、聞き耳だけを立てていた。

 「波動の乱れは、痕跡のみです。二人か・・・それ以上の

  魔術師が、不法に侵入した模様ですが、大勢の神官や、

  見習い僧の波動が、入り乱れてしまい、追跡は困難です。」

 「痕跡は、聖堂の中央で、掻き消した様に、消滅しています。

  足取りを追う事は、出来そうにありません。

  魔力の痕跡を消しながら、退散したものと思われます。」

 報告の声に、上級神官の、苛立った指図の声が重なる。

 「聖堂の内外、全て改めよ。東の聖堂も調べよ。

  もし、魔法陣が破られたら・・・悪夢の時代の再来だ!」

 ・・・悪夢の時代?・・・

 アルフィーニは、更に話を聞こうと、耳に、神経を集中したが、

神官達は、聖堂を出たらしく、声も足音も、気配も消えてしまった。

 「悪夢の時代とは、何だ。ケルビン、知っているか?」

 声を出して、会話が出来るようになり、アルフィーニは、

やっと、疑問を口にした。

 だが、ケルビンは首を横に振った。

 「・・・知らぬな・・・

  さっきの口調からすると、余程の事が、起こったらしいが、

  アナトスの記録に、エリオルムに関する事件は、なかった。

  魔法関連の事件は、全て、網羅している筈だったが・・・」

 「厳しく緘口令を敷いて、事件の詳細を洩らさぬように、

  押さえ込んだという事か・・・」

 ・・・そうまでして、隠さねばならぬ、何事があったのか・・・

 「兎に角、先へ進まねば。

  ここが、ディールヴァ城の地下に、似ているという事は・・・」

 ケルビンが、不自然に言葉を切った。

 闇に強い二人の目は、真っ暗闇の中に、更に黒い、漆黒の

霧の塊を、とっくに認めていたのだ。

 「来たな。」

 アルフィーニは、背に走る戦慄を、抑えられない。

 ・・・これが、単体で現れた、黒い霧・・・

 ディールヴァ城の騒動の時、アルフィーニは、殆ど、ドリスと共に

「真白き三日月」の西側におり、ケルビンが、地底の泉で出会った、

単体の黒い霧について、話を聞く機会が、あまりなかったのだ。

 それまでの黒い霧は、常に何者かに取り憑いて、存在した。

 水妖魔王に、三つ首犬に、赤腹蜘蛛に、大勢の兵士達に、

取り憑き、正気を失わせ、命を賭する戦いを強いる。

 別物か、同一の物による、異なる作用か。

 激しい緊張をみなぎらせた、アルフィーニの前で、しかし、

その黒い霧は、姿を現しただけで、再び石の床の継ぎ目に、

染み込むように消えようとする。

 ・・・来たくば来よ・・・我が牢獄に・・・

 黒い霧は、声でない言葉で、そう告げると、石柱の隙間の

イメージを、二人に送り、消えてしまった。

                    続く


 胃の話の続き。
 
 うちのオヤジは、16年前に胃潰瘍で吐血。ぶっ倒れまして、これが、日曜日だった。

 大体、自分の吐いた物が、血だと言う事すら、分かってなかった。

 吐いたと言うから、トイレを掃除したさあが、気付いて、無理やり寝かしつけた。

 胃酸で黒くなってるから、知識がないと、分かりにくい。に、しても、

 自分の状態が、全然分からないオヤジは、救急車は嫌だと、頑強に言い張るから、

 月曜朝一に病院へ。叱られましたよ。「どうして、救急車で来なかったんですかiconN04iconN04」って。

 間が、いいのか悪いのか、丁度、血圧測ってた看護師さんが、

 「血圧、下が計測不能です!!」 当然、診察室は大騒ぎになった。

 「胃カメラ室!F先生、待機して貰って!!それと、血管確保!!」

 さあは、自分も外科医院でバイトしてたし、母親が、医療事務してたから、

 こういう台詞の重要性は、よく分かる。それでもオヤジは、分かってなくて、

 車椅子に乗れと言われて、「いや、歩けますから・・・」看護師さんが、怒っちゃって、

 「あなたのような大きい人が、途中で倒れたら、どうなりますか!?」

 オヤジ、178cm75kg。痩せて来てたけど、70㎏は、あったはず。

 その時、初めて車椅子を押しました。胃カメラ室まで、結構、遠かったな。

 胃の中は、でっかい噴火口のような潰瘍が、2個。一晩たって、出血は止まってましたが。

 それ以来、病院医者と、縁が切れなくなったオヤジ。

 それでも、性懲りなく、iconN25タバコとiconN23さけお酒から、足が洗えない。

 どうしても、健康的に生活できない人。もう知らん。さあは意見したくない。icon08face09icon08

  では、また次回。今日もお越し下さって、ありがとうございました。




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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(2)ファンタジー
この記事へのコメント
うふっふ...こごまちゃん・・・懐いてくれないですか~^^
警戒心が強いのかな。。。??

でも、家族(家の人?)だって事は解ってるんでしょうね~
ペットを飼っている人に聞くと家族の中でも懐く人の順位があるみたいだけど・・・
余り、余所余所しくされると辛いよね~(;´ω`)

時々、思いますね~
犬や猫のペットたちには人間(家族)はどんな風に映ってるんだろう~って!!
聞いてみたい~(笑)
    
Posted by DreamDream at 2012年11月02日 20:16
Dear Dreamさん

 分かってるんですよ。お魚、レンジで、ピッピしてくれる人だって。
流しで、ごそごそし始めると、2メートルぐらい向こうで、前足そろえて、じーって、待ってますもん。
 ネコカンと、なまものが、大嫌いだから、ピッピしないと食べられないんです。
でも、ご飯の場所に置いてやって、私が離れてからしか、食べに来ない。

 どうです!?可愛くないでしょう?!?\(^O^)/
Posted by さあちゃんさあちゃん at 2012年11月03日 17:14
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