ぶるんねん文庫

　さあの撮影でも、息子の写メールでも、ありません。パソコンのサンプルピクチャ。

　優雅でしょ。でも、これ、多分、猛毒のアカクラゲ。刺されると、大変なやつ。

　何で分かるって？我が家の２男１女、理科大好き、生き物大好き。

　長男の自由研究、クラゲの徹底研究。手伝いましたよ。中学生じゃ無理

　ちなみに、次男は、「ヘロンの噴水」。娘は、「豆乳と牛乳で、豆腐を作る」。

　どれも、滅茶苦茶大変でしたね。


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（２６９）

　テッセリムも、雪が深かった。

　若い男達は、一生懸命、雪を掻き、道をならし、古家の補修や、

新築の作業を、少しでも続行しようとした。

　もっと厳しい寒さが来る事を、誰もが知っていた。

　決して、凍死者だけは出すまいと、必死になっていた。

　壁を厚く塗り、柴で風除けを立て、屋根には、雪止めを付けた。

　食料や焚き木が、どの家にも絶えないよう、皆、互いに気を配った。

　しかし、互いでは、どうしようもない事が起こると、誰もが、

ハズリックとトゥモーロスを頼った。

　二人は、雪の吹き降りを、物ともせず、テッセリム中を駆け回った。

　この冬を、越せるか否かが、ここを、新都に出来るかどうかの、

試金石になるのだ。

　折悪しく、子供等に風邪が流行ったが、ハズリックは、大枚を積んで

腕利きの薬使いを、呼んであったため、大事には至らなかった。

　健脚の男達が集められ、必要な薬や食料が、雪道を運ばれた。

　ガラノデルムから派遣された、たった二人の神官と、トゥモーロスは、

ともすれば、半狂乱になりそうな、若い母親や、厭世観に取り付かれた

老人達を宥め、自給できぬ物を、切らしてないか、訊ねて回った。

　神官達は、遠隔話術で、他の神殿と連絡が取り合えた。

　ガラノデルム大神殿は、首都移転反対派に、違いなかったが、

吹雪の道をついて、物資輸送に出た若者達の、安否確認は、

彼らに頼るしかなかった。
　
　トゥモーロスは、両者を取り持って、調整を図らねばならない。

　だが、終に来るものが来た。

　それは疫病でも、猛吹雪でも、物資輸送隊の遭難でもなかった。

　神官達の、いわゆるストライキである。

　ガラノデルムから、引き上げの指令が来たとして、二人は、

テッセリムを、撤退しようとした。

　トゥモーロスは、神官ではない。

　神官のいない神殿は、認められない。
　
　本来なら、全ての神官は、サフィール神殿に統括されている。

　どんな小さな神殿でも、たとえ、仮の祭壇を設けただけでも、

人々の生活のある所ならば、正式な申請がある限り、

神官は、派遣されて来た。

　だが、サフィール神殿は無く、多くの神官も失い、国境守備と、

エウビュコス神殿長の造反に沸き返る、ガラノデルム神殿は、

新たな造反組織の近くに、神官を置く余裕をなくしていた。

　若者達はいきり立ち、二人の神官を、捕らえてしまった。

　トゥモーロスは、驚いた。若者達を必死に宥めた。

　が、誰一人、納得するものは、いなかった。

　実際、ガラノデルムが、何と言って来たか、知る者は無い。

　二人は、雪深いテッセリムに、嫌気がさしたのかも知れぬ。

　若者達は、そう言って、トゥモーロスの懐柔に、応じようとしない。

　トゥモーロスは、意を決した。止めるハズリック達を振り切り、

雪道に踏み出した。が、ガラノデルムまでは、遠すぎる。

　従って、目指すは、ポルトル村。オヴィディオ王への、直訴である。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　トゥモーロス先生、１人で雪の山道行。

　相棒のハズリック市長は、二人の神官が、袋叩きにされたり、

自分達で逃げ出したり、しないように、見張り役と言うシーン。

　コリンは？ファーゴは？ケルビン達は？

　自分がしんどいだけなのに、またしても、登場人物をバラけさしちゃう。

　また、時間割表、書かなきゃ。大変なのにね。ではまた次回。

　　　今日も、お越し下さって、ありがとうございました。