ぶるんねん文庫

　森先生の絵。

　前回の作品より、ずっと小さい。

　でも、写真の都合で、こうなっちゃう。

　ごめんなさい。

　キッチンハウス先生お気に入りの、

　ステンドグラスの譜面台、じゃないか、

　・・・イーゼル？の上にありました。

　例のごとく、さあ的勝手命名。

　「朱の芳香（あかのかほり）」

　本当は、・・・なんだっけ？（ごめんなさい）　


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（２６６）

　雪が止んだ。
　
　うららかな冬麗の日差しが、地上を純白に輝かせた。

　「ああ、眩しい。夏の海辺より、ずっと眩しいわ。」

　オリザ姫は、小さな子供の様に、はしゃいでいた。

　きらきら光る雪をすくって、空に投げ上げたり、

丸めて、新雪の上に、放って見たりしている。

　「これで、暫く降らないよね。」

　ミランは、数人の兵士だけを連れて、ガラノデルムへ戻った。

　連れて来ていた三十人余りは、オリザ姫の護衛である。

　ポルトル村には、多くの兵士を置く、宿舎も宿屋もなかった。

　サフィールから避難して来て、仮の屋敷を構えたものの、

やはり不便だと、領地の城に引き上げた、大貴族の別宅を

借り上げたり、神殿の、神官用の宿舎に、入れて貰ったりして、

どうにか、全員を収容している。

　未曾有の魔術師相手に、あまりに手薄なのだが、

それ以上は、寝泊りの場所から言って、無理だった。

　ミランが、出発するのを見送った後、すぐ、セヴィリスが出発した。

　「すまない。私のせいで・・・」

　「気にするなよ。悪いのは、ファーゴなんだから。」

　セヴィリスは、ソルダムが売ってしまった、翠緑石を買い戻すため、

クシボスの町へ、出かけたのである。徒歩で丸一日かかるが、

セヴィリスの飛行術なら、昼過ぎに戻れる距離であった。

　光の文字が表した十の星とは、十個の宝石らしかった。

　宝の大剣の、鍔から柄にかけて、彫刻に作られた窪みは、九ヶ所。

　鞘の内側の、宝石の内、当て嵌まる物が九個。

　柄の中に収められた、「サフィールの涙」を入れて、ちょうど十個。

　だが、その内の一つ、大粒の翠緑石を、ソルダムは、

放浪の旅の最初に、通貨に、換えてしまっていたのだ。

　半年以上が経っている。換金屋が、上質の宝石を、転売せずに、

持っている可能性は、低かった。はたして日暮れて後、セヴィリスは、

渋い顔で戻って来た。クシボスから、転売先のルナンシアへ行き、

宝石卸商までは突き止めたが、そこで、他の宝石と一緒に、

細工師の元へ運ばれた所までしか、追跡できなかったのだ。

　「多分、他の石と一緒に、首飾りか何かに加工されて、

　　今頃は、貴婦人の胸元を、飾っておりましょう、って、

　　言われた。大粒なら、もしかすると、いくつかに分割されて、

　　バラバラに加工されてるかも、とも、言ってた。

　　僕は、宝飾品に関して、知識がなくて・・・

　　役に立てなくて、申し訳ない。」

　ソルダムは、セヴィリスをねぎらう事は、忘れなかったが、

その落ち込みようは、端で見ていられない程だった。

　先祖伝来の宝を、失ったばかりではない。

　『闇は普遍にあり』の、闇とは、黒い霧の事であり、

　『天空の力』とは、あの星空で、満天の星々を覆い隠す、

黒いものを焼き滅ぼす、光条であろうと思われた。

　あの黒いものが、「黒い霧」なら、「サフィールの涙」が発する、

光条の力が剣に宿れば、それを切り裂く事ができるのだろう。

　シシィが、ファーゴの操る、黒い霧に捕まっているなら、

対抗できる力として、絶対手に入れたい物だった。

　それを、不可能にした。自分の手で。

　騙されたにしても、あまりに軽率だった。悔やんでも戻らぬ。

　その夜、ソルダムは、ついに部屋から、一歩も出て来なかった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　昨夜、と、言うか、深夜、今日になってから、タロットで、嵐占いしました。（９月２１日）

　剣のカードばっかり出て、大野君は正義、相葉君も審判が出て、

　何をそんなに戦ってんだろ、って、思ったら、嵐君達、コンサートだったのね。

　そりゃそうだ。ファンとの、真剣勝負だわ。朝の番組でわかった。

　夜中のリアルタイムで言うと、お疲れだったわけ。（剣の４）

　でも、ホント、出ますね。タロットカードの恐ろしさ。

　これだから、タロット占いやめられない。ではまた次回。

　　　今日も、お越し下さって、ありがとうございました。