ぶるんねん文庫

　ねんねのこごま。撮れました。

　近頃、大分警戒心を緩めてくれまして、

　それでも、気を使って、近付いたんですよ。

　よっぽど、眠かったんだな。

　目の下の縞模様で、目を開いたみたいに、

　見えますが、瞑ってます。でも、この後、

　目開けて、ちらっとケータイ見て、

　「なあんだ・・・」って顔で、また寝ました。

　どうして、こんなに、眠りが浅いんだろ

　前の猫って、みんな、ぐっすり寝てたよ　


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（２５９）

　「まず、ファーゴの正体。ニグ・エウビュコスが、本名で、

　　間違いない。アナトスの弟子の名簿にも、そう書いてある。

　　それに、偽名では、神官になれない。

　　生まれは、バルツァード最北部、エリオルム近く。

　　クァランドールの、北の果てと言っていい。

　　親の記録は、なし。本人曰く、孤児だったそうだ。」

　革表紙に綴じ直された記録を、ケルビンは、開いて見せた。

　師匠、アナトス・リグストラムの記録は、膨大な量であった。

　その大半は、弟子のコリン・デュオニスが、管理している。

　ケルビンは、そこから、ほんの一部を、借り出して来たのだ。

　アルフィーニは、手に取ってページを繰った。

　数ページ前に、ケルビンの名があった。

　「本名、ケネス・ノルトレーン。ラムゼー生まれ。・・・なるほど。

　　シシィが、当初、ラムゼーを目指していたわけだ。」

　心なしか、茶器に湯を注いでいる、ケルビンの耳の先が、

赤くなった。アルフィーニは、他のページを繰ってみた。

　ラダンの名があった。

　他にも、名だたる魔術師が、多数その名を連ねていた。

　だが、他の殆どの者達は、術を習い切ることなく、

　破門扱いとなっている。

　ニグも、結局、その一人だったようだ。

　ケルビンが円卓に茶器を並べた。茶碗は、三つあった。

　「早過ぎないか？」

　「もう来ている。」

　常人には、意味不明な会話の直後、扉がノックされた。

　「お待たせしました。」

　数人の魔術師に、資料の書物を持たせた、コリン・デュオニスが、

訪ねて来ていたのだ。

　魔術師達は、本を置くと、目礼のみで退出した。

　コリンは、黒天鵞絨のマントを取った。

　マントの中にも、十数本の、巻かれた書物が、抱えられていた。

　「黒い霧について、こんなに記録が？」

　アルフィーニは驚いた。

　「いえ、『黒い霧』そのものを、記したものは、ありません。

　　ケルビンの言う、空間を越えた物質移動、人を操る術、

　　亡霊を呼び出した例、怪異の支配について・・・

　　その中の、主だったものだけを、持って来ました。

　　全部はとても・・・余りに膨大ですから。」

　アルフィーニは、そっと、手許の資料を繰った。

　ケルビンより、さらに数ページ前に、コリンの名があった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　続く
　
　気がついたら、アクセスが、１００００超えていました。でもまあ、このうち一割は、さあ自身だろうな。

　南ベルバビーノ。グインサーガの、「サイロンのまじない小路」では、ありません。

　さあの中では、デルフトかな？町並みだけね。何だか、寒い日に、行ったもんだから。

　あんなに、おどろおどろしくしたら、別のお話になってしまう。

　外伝、書かなきゃならない・・・のは、大変だし・・・一つは、構想してますが・・・

　「竜の見る夢」いつ、書けるんだろ

　青い貝模様の、南国風の茶器は、ウエッジウッドの、ブルーサイアムが、モデルです。

　これが、何を意味するか。第5章を、お楽しみに。

　では、また次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。