2012年08月22日

こごま便り 18

こごま便り 18 久々の、こごま便りです。

 元気です。お利口です。僕の世界は、

 おうちの中だけだと、信じているらしく、

 窓から窓へ、見回りはするけど、icon16目

 網戸に爪を掛けたりは、しない。

 でも、近頃、よその猫が、庭を通る。

 すると、一応怒る。う~~っ、て、唸る。

 この時も、網戸の向こうに、いるわけ。ねこ

 ライバル猫が。向こうも気づいて、唸ってる。

 二匹で、網戸に鼻突き合わせて、ねこねこ

 う~~っ、う~~っ、て、遣り合ってる。

 時々、網戸に体当たりもする。でも、開けようとはしない。窓の事、どう思ってるのかなiconN05


    The Song of Wind (252)

 「驚かせてすまなかった。

  ユリシアが、どうしてもソルダムに、話さねばならぬ事が

  あるというので、連れて来た。今は、精霊の力を使えぬ故。」

 アルフィーニは、ミラン達と共に、一日遅れで出発し、

ガラノデルムに戻っていたのだった。

 「大神殿は、エウビュコス神殿長の失脚で、てんやわんやだ。

  神官達の、精査の邪魔をせぬ為なら、こちらに来ていた方が、

  役に立つかも知れぬと思ってな。」

 相変わらず、アルフィーニは、姿に似合わぬ男口調である。

 小神殿の近くに、仮住まいを構えたと、ソルダムが、

皆を案内したのは、国王が寝起きするとは、到底思えない、

粗末な家だった。集落の中では、幾らか、ましな造りだ。

 玄関を入ると、まず、隅の炉に火を入れる。

 次の部屋に入ると、もう、暖炉に火が入っている。

 家の中心に炉があり、四方の部屋を、温める仕組みだった。

 ソルダムは、壁際の長椅子に、そっとシタールを乗せた。

 「シシィの・・・?」

 アルフィーニの問いに、振り返らず、首だけで答える。

 ひそめた眉が痛々しい。逆に、ケルビンは、苛立ちを

隠そうとしない。一同が座を占めるなり、早口に喋り出す。

 「持ち主のシシィの波動も、ファーゴが持ち込んだ痕跡も

  拭った様に消されている。此方に、術師が三人いると

  知っていての、念の入れようだろう。

  親の私でさえ、シシィの触れた様子を、感知できない。

  セヴィリス、どうだ?」

 セヴィリスは、長杖を抱いて、薄く目を閉じていた。

 「新品でも、作り手の波動が、あるはずだが、

  まるで、空中から、突然現れた物のように、

  シタールである以外、何の存在も感じさせない。

  本当に、シシィのシタールなのだろうか?」

 ソルダムは、頷くだけだ。

 彼は、ある恐ろしい思いに、捕らわれ切っているのだ。

 ユリシアが、唐突に話し始めた。

 「シシィは・・・生きています。どこかで、近くで・・・」

 風と霧の娘が、自分から話すことは、珍しかった。

 いつも、空気のように、無味無色の存在だった。

 交戦能力は高いが、普段の存在感は、無いに等しい。

 「シシィが死ねば、私は消えます。この姿を保つ事は、

  出来ません。でも、私は、存在する・・・

  シシィが、生きているから。生きて、歌っているから。」

 皆は、一様に壁際のシタールを見た。

 あたかも、それを奏でて、シシィがそこで、歌っているように、

 錯覚したのだ。だが、そこには、シタールしかなかった。

 ソルダムが、シタールを手にした。

 組んだ足に乗せ、奏で始めた。

  音符  空の高みに 君を想う

     その瞳を 優しさを

     憩わせてくれる声を 想い出す

     風よ 風よ あの世に届けておくれ

     永遠に 永遠に 想い続けていると・・・

      ・・・・・ 音符

 亡くなった恋人を歌う、悲痛な歌であった。

 突然、ソルダムは歌を止め、後ろを振り返った。

 壁しかなかった。

 しかし、そこが壁であるのが、不自然であるかのように、

ソルダムは、手を伸べて壁に触れた。

 「シシィが・・・歌っていた。今、ここで・・・」

 ソルダムの視線が、ユリシアに移った。ユリシアが頷いた。

 「ええ・・・シシィは生きて、近くにいます。何処とは言えない、

  ・・・でも、ごく近くなの。私には分かる・・・」

 「そんな・・・僕にも感知できない、それでいて、近く・・・?」

 セヴィリスは、憮然としている。

 「近くでありながら、術師には、波動が捕まらない。

  亡霊の様かと言えば、確かに生きていると言う。

  どう思えばいいのだろう・・・?」

 「ファーゴの黒い霧に、取り込まれているのだろう。

  あの霧の正体が分かれば、シシィも取り返せる。」

 ケルビンは、激しく言い切った。

                続く


 お盆、終わりまして、他の方のブログは、「どこそこへ、里帰りしてました。」の、記事が、

 踊りまくってるのに、さあときたら、行きたくもない主人の実家へ、一泊。

 姑さんが嫌なわけではない。あの家が、めちゃ不便なの。ハッキリ言って2DK。

 一部屋ずつは、まあまあ広い。でも、姑さんは、DKで寝起きしている。

 残り2部屋。一つは仏間。一つは、主人の兄の物が、占領している。

 つまり、泊まるのは、仏間。別に、仏さんが怖いような神経は、持ってない。

 問題は、風通し悪く、エアコンなしでいられない事。さあは、エアコン、苦手。

 それと、お風呂。脱衣場がない。それに、エアコンが壊れてた。暑い暑い尼崎の熱帯夜。

 死にました。大体、朝、七時半から、マラソン並みに働いて、帰宅後、支度。

 午後5時出発。渋滞で、夜11時に着いて、33度の無風の部屋で、扇風機一つ。

 これも、タイマー設定が壊れて、解除できない。3時間で止まる。寝られるわけない。

 そして、くたくたの帰宅後、テンション上がったオヤジに、多賀大社に連れ出され、

 炎天下を歩かされた。さあは、明日仕事なんだよって言って、わかる人ではない。

 暑くて暑くて、へろへろの、お盆でした。では、また次回。

   今日も、お越しくださって、ありがとうございました。
 



同じカテゴリー(ファンタジー)の記事画像
脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
鍵の掛かった部屋SP!?!
風の歌 410 ・・・最終回、そして次にやる事・・・
同じカテゴリー(ファンタジー)の記事
 脱・0円ファン宣言!!! (2017-07-16 13:33)
 大好きなのは、タロットカードの話 (2016-09-05 01:58)
 なんだかへんだな・・・ (2015-12-07 11:58)
 付け足し・・・Quarandolleってなんだ? (2015-09-09 09:21)
 ふしぎちゃん女子 (2014-02-19 00:01)
 あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!! (2014-01-18 00:00)

Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。